鯖棒亭日乗(下)

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大名古屋「九州博多もつ鍋 幸」赤鶏さつま特製味噌カツ丼 1080円

今日の俺は体のメンテナンス

午後から街へと繰り出した

目的は本屋巡り

奈良本を探す日帰り本屋旅だ

ちょうど昼時なのでとりあえず飯を食べることに

いつもに増して人が多いような気がする名駅エリア

タワーズ、ゲートタワーのレストラン街は満員だと予想される

やはりあそこは平日しか無理だ

仕方がないのでいつものように大名古屋ビルヂング

地下の肉系の店は相変わらず行列がすごい

俺はいつものように3階へ

正直何を食べようか考えていなかった

そのためにこの日も3周ほどぐるぐると一人クリテを開催してしまった

ぎゅんたの「オムそばもいいなぁ」でもオムそばで1000円オーバーって自分で作った方がいいような気もするし

お好み焼きもいいがお好み焼きは正月の奈良旅の時に近鉄奈良駅周辺で食べる予定だし

俺は迷った

しかし時はどんどん迫ってくる

流石に休日だどんどん人も増えてくる

ここは一つまだ入ったことがない店にしよう

とは言ってもフレンチだのひつまぶしは高すぎる

中華もいいが最安ランチは麺かチャーハン

それでも1500円

ラーメン専門店の台頭で安い町の個人経営の中華が減少してるが残念でならない

ラーメン専門店はこだわらなくていいところにこだわりすぎて値段をどんどん釣り上げている

正直高級ラーメンなんて求めていない

600円以下で具材も少ないシンプルなラーメンがいい

高級中国料理の麺料理など逆に麺とスープのみという場合もある

具材が邪魔をするのだという

洗練されたスープの

さてどうする?

味仙はさすがにパスだな

俺は名古屋風台湾は求めていない

でもやっぱりオムそばがうまそうだなぁ

今日は珍しく空いてるし

さてどうする?

そんな俺にお向かいのもつ鍋屋が目に入った

そういえばこの店はまだ食べたことないな

でも肉系ばかりなんだよな

かつて俺はもつ鍋は大好物であった

しかし近年ではドクターストップもあり食べないようにしている

鶏もあるのか

赤鶏さつま

チキン南蛮とチキン味噌カツ

チキン南蛮で1280円はかなり強気な値段だな

このフロアでもチキン南蛮を出す店は数店舗あるがどこも1000円以下だし美味いのだ

店名を言い忘れたが「九州博多もつ鍋 幸」だ

福岡薬院で続く老舗らしい

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これがランチメニュー

もつ鍋はさすがにお高いな

牛ホルモン味噌炒め定食が美味そうだが

肉系はやめておこう

つけ麺もあるのか

でもモツなんだな

モツはなぁ

ダメなんだよモツは

プリン体がヤバイんだよ

プリンなんて美味しそうな名前なのにあいつらヤバイんだよ

そしてコレステロール中性脂肪

そうなると鶏しかないんだよな

選択肢が

チキン南蛮か味噌カツ

チキン南蛮は好きだ

しかし1280円という高価格が俺を引き止める

そうなると味噌カツしかない

味噌カツ味噌カツでも赤鶏さつまのチキンカツ

俺はチキンカツが食べたいと思った

常に求めているチキンカツだがなかなかメニューにない店が多い

そして食べたら食べたでイマイチな場合が多い

そんな俺は昔から美味いチキンカツを求めて彷徨い歩いてるのだ

チキンカツは問題がない

値段的にも予算が下りた

ただ問題なのは味噌だということ

これがソースチキンカツ丼なら悩む必要なく俺は店に入っている

ここは大名古屋

名駅

味噌なのは仕方がない

でも味噌はなぁ・・・

うんざりなんだよなぁ

俺は若い頃は味噌系料理が大好きであった

しかし人間30歳も過ぎてくるとあの味噌がクドくなってくるのだ

味噌カツに味噌串カツ、味噌煮込み、味噌おでん、もつ鍋も味噌だ

唯一許せるのが「どて飯」あれは白飯で中和できるしトッピングのネギの効果が抜群なのだ

濃い味付けのタレも白飯などで中和すればいい

これはゲートタワーで食べた鰻屋の鶏の照り焼き丼にも言えることだが

あそこの鶏丼は絶妙だった

少なすぎるかな?と思わせるうなぎのタレが絶妙な量だったのだ

多すぎても少なすぎてもダメだ

まさにちょうどいい量であった

俺は迷った

先日テレビで福井のソースカツ丼を見た

久しぶりにソースカツ丼食べたいなぁと俺は思った

この赤鶏さつま特製味噌カツどんも見た目的にはソースカツ丼に見えなくもない

ただ確実にソースではなく味噌ではあるが

俺は決めた

一大決心で数十年ぶりに味噌カツ系を食べることにした

食べず嫌いもよくないしな

店内はかなり空いている

俺はカウンターの1番端っこに座った

ビールを注文するとランチビールが300円だという

しかし量は少ない

俺の経験上ランチビールはコップ一杯だ

俺は普通に生中を注文した

昼だから酒は少しだろうと言う感覚は間違っている

昼からでも飲みたい時は飲みたいのだ

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生ビールが来た

プレミアムモルツ 香るエールと表記されている

メニューを見てもそう書いてあるが

これエールなのか?

まずくはない

しかしエールなのか?

エールといえば上面発酵のややフルーティなビール

一般的に日本でビールだと思われてるのは下面発酵のピルスナーである

俺のエールのイメージはやや赤い色で常温に近い温度で飲むビール

まぁいい

これはこれで飲みやすくて美味い

俺は料理が来る前に飲み干してしまった

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赤い、赤い、赤い衣のチキンカツ♪

想像以上に赤い

ネギが散りばめられ中心には温泉卵が鎮座している

悪くないかもしれないな

だいたいこういった一見味が濃くてクドそうな物は一口食べてみたときに

「ん?見た目より以外とあっさりで美味いぞ」となるはずだ

しかし俺は逃げた

まずは味噌汁だ

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白味噌ベースの味噌汁

メインが赤いだけにこれは嬉しい

具材は油揚げが中心で細かく刻まれた野菜も入っている

俺はまず味噌汁から飲んだ

箸で軽くかき回し

一口すすった

「おお、なかなかいい塩梅だ」

「ちゃんとだしも取ってある味噌汁だ」

俺は久しぶりに美味い味噌汁を飲食店で飲んだ

大抵は手抜きが多い

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次におからだ

おから

俺の好物の一つでもあるが、これまた本当に美味いおからにはそうそうお目にかかれない

パサパサすぎたりしっとり系を狙いすぎたり

これにもネギが添えられている

俺はおからを一口食べた

「ああ。なんてことだ」

「全てがちょうどいいではないか」

「なんだこの絶妙な炊き加減は」

「そして絶妙な味付け」

「マジで美味いぞこのおから」

「これは素材自体もいいのかもしれないな」

俺は非常に満足した

そして日本酒が飲みたくなったが我慢我慢

でも昔はおからって近所の豆腐屋さんでタダ同然の値段で買ってきて家で炊いたんだよな

個人の豆腐屋さんもほとんど全滅したが昔はそこらじゅうにあったもんだ

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そしていよいよ赤鶏さつま特製味噌カツ丼である

チキンカツにはしっかりと味噌が絡めてある

チキンカツ自体はなかなかうまそうだが・・・

ここまできたら食べるしかないしな

腹も減っている

何より注文したのは俺である

俺は恐る恐る食べてみた

味覚や好みは人それぞれである

ここからのことはあくまで個人的な感想です

世間一般的な意見とはかけ離れてると思われるので

あまり俺の言うことは気にしないでさらりと読み流してほしい

 

名古屋店オススメの「赤鶏さつま特製味噌カツ」だ 

完全に赤味噌をまとい青ネギとゴマでアクセントだが・・

「うっ・・・濃い、そして辛い」

完全に「赤鶏さつま」が赤味噌に支配されている

もはやこれが鶏なのか豚なのかさえ分からない

そしていつもなら俺たちに安らぎを与えてくれる青ネギまでもが完全に赤味噌に侵食されてしまっている

ゴマの効果も歯の間に挟まるぐらいしかない

白飯の上にこのチキンカツ1枚なら白飯により赤味噌の濃さが中和されていい塩梅になりそうだが

見たところ4枚ぐらい乗っている

とりあえず俺はチキンカツをめくって白飯を覗いた

「だめだ・・・白飯まで侵食されている・・・」

チキンカツの味噌が白飯に移ったのか?白飯にも味噌がかけてあるのかは定かではないが、白飯までもが赤く染まっている

これでは味噌の逃げ場がないではないか

そしてすでにビールは無い

せめてビールがあれば・・・

仕方が無い

俺はとりあえず2枚のチキンカツを食べた

口の中がとても辛い

そしてここで中央に鎮座している温泉卵の幕を破いたのだ

どろっと流れ落ちる黄身

赤味噌と絡まりマイルドになるはずであったが・・・

これでもダメなのか・・・

温泉卵の黄身も赤味噌により支配された

彼らは融合し、より一層のクドさを俺の口に提供してきた

 

結局は赤味噌ダレのかけすぎが原因だと思われる

正直チキンカツにはかけないでご飯の上にごく少量の味噌をかけるだけでいい

この白飯の上にゴマはふりかけておくのだ

その上に熱々揚げたてのチキンカツを載せる

そしてチキンカツにかけるソースは別に作った赤味噌ベースのあっさりとしたソースを少量だ

まぁこのソースが料理人のアイデアと腕の見せ所だろうな

この絶妙なソースが完成したら勝ったも同然だ

新名古屋めしの誕生である

そして青ネギは絶対に必要だ

このぐらいにしないとせっかくの鶏の旨味が消滅してしまう

とんかつなら多少濃い味付けでも豚自体の旨味で赤味噌に対抗できるのだが

さすがに鶏では厳しい

おからと味噌汁が美味かっただけに残念だ

メイン料理のもつ鍋は確かに美味そうだ

あれだけのおからと味噌汁を作れるんだから、もう一工夫欲しかった

やはりこの辺り九州の店が作る名古屋めしだからだろうか

研究が足らないような気がする

とにかく俺には味が濃すぎた

そして味噌が辛すぎた

 

でも他の料理は期待できそうだな

この店

やっぱり無理に名古屋に合わせなくていいってことだな

純粋にもつ鍋で勝負してほしい

正直素材の味を殺してしまうのが名古屋めしだと思う

美味い名古屋めしは結構難しい

そしてほとんど存在しないのだ

名古屋めしなんて数年に1回食べるぐらいがちょうどいいのさ

外で食べるような料理でも無いし

家で母親や妻の作った名古屋めしなら文句も言えないしな