鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

キッテ名古屋、鶏だしおでん「さもん」鶏だしおでん飯980円

3連休も仕事だった俺は今日を休息日にした

ブログも久しぶりの更新だ

結局、北朝鮮は何も挑発行為はできなかった

仕事が忙しくてニュースすらまともに見れてないので、一体どんな状況だったのかはわからない

とりあえずは一安心である

そんな俺だが相変わらずの疲労困憊の中で久しぶりに街まで繰り出してきた

しかし1日休んだ程度では体の疲れが取れない

やはり人間というものは1日15時間働くようにはできていないのかもしれないな

あと数日の我慢だ

昼だ

今日も朝から何も食べていない俺

いつものように腹ペコである

俺が尾崎豊ならバーガーショップに駆け込んでポテトをコーラで流し込むであろう

そのくらい腹ペコである

しかし俺は尾崎ではない

なので俺は久しぶりのキッテ名古屋へと向かった

いつ以来だろうか?

確か宮きしめん以来だな

俺は新しいランチメニューが開発されていないか一通り見て回った

特にこれといったものはない

どうする俺?

大名古屋まで戻るか?

その時である

ふと小さな紙に書かれたランチメニューに目が止まった

「鶏だしおでん飯」

店の名は「鶏だしおでん さもん」である

以前はハンバーグとチキン南蛮のセットを食べた

ハンバーグは鶏屋らしくつくね風ハンバーグで非常にうまかった店である

そしてその時に付属していた鶏スープがやたらとうまかったのだ

これは間違いなく鶏おでんだし

しかし当時、おでんは夜のみでランチ時におでんは楽しめなかったのである

まぁおでんの単品を出してしまっては長居する客が続出する

やはり場所的にランチ時は素早く提供できるランチメニューで回転率をあげて周辺で働くサラリーマンや観光客相手にがっつり稼ぎたい

そんな思いもあってのことか?仕込みの関係なのか?

ランチにはおでんが食べられなかったのである

しかしあの鶏だしを飲めば期待はかなり膨らむ

これは絶対に美味いおでんだと

そんな俺が見つけてしまったのだ

大きく書かれた通常のハンバーグ系ランチメニューの隣に、ひっそりと追加された小さなランチメニューを

俺は迷うことなく決断した

やはり決断力のある男はモテるのである

その決断が正しいかどうかは別として

「今日のランチはここにするぞ」

俺はいるはずのない相棒に声をかけた

心の中で

いつだって俺は一人飯である

自分が食べたい時に食べたいものを食べる喜びは何事にも変えられない素晴らしい時間である

しかし時には孤独だということを理由に入店を断られてきたことも多々ある

例えば京都の老舗仕出し屋とか

さすがに3代目がテレビに出まくってるだけのことはある

八寸の大トロの寿司やあんかけ胡麻豆腐が気になっていたのだが

相棒を見つけて出直してこいやってことなんだろうな

世の中理不尽なことも多々あるのだ

しかし今回の鶏だしおでん「さもん」は快く一人客の俺を受け入れてくれた

しかし俺はカウンターの1番端へと案内された

他が空いているのにカウンターの端に一人座らされるとより一層孤独感が増す

でもいい

池波正太郎も端の席に座ることが多かったそうだ

池波先生は店から指示されることなく店の立場になって考えて端に座っていたのだ

端の席に一人ポツンと腰掛け昼からちびちび飲むのも中々いいもんだ

そう思えるようなった俺も少しだけ大人になったのかもしれないな

俺はそんなことを考えながらカウンターの端へと腰掛けた

すぐさま注文を取りに来る店員

俺の前に出された例の小さなメニュー

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土日にはおでんの盛り合わせもあるみたいだがあいにく今日は木曜日

たけしの純愛小説ならデートの日である

それにしても3種類ある新しい平日ランチメニュー

どれも魅力的だぞ

ラーメンも捨てがたい

俺は鶏ラーメンがとても好きなのだ

しかも煮込んであるそうじゃないか

この煮込みがどう影響するのかはまた次回にするとして今回は予定通り「おでん飯」だ

そして生ビールも

ところが店員さんが俺にこう告げたのだ

「生ビールはご提供できません」と・・・

思い出した!

確か前回も同じことを言われて落胆したのだ

しかしそこで店員さんは一つの提案を俺に持ちかけてきたのだ

「瓶ビールならご用意できますが」

今回も全く同じだった

そしてここの瓶ビールはサッポロラガー

今回も俺は喜んで提案を受け入れたのだった

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赤星の存在感

小津映画を思い出すサッポロラガー

やはり美味い

俺は手酌でビールを楽しんだ

疲れた体に染み渡るラガー

やはり秋だ

瓶ビールがやたらと美味いな

いっぱい飲んだところで

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おでん飯の登場だ

小鉢のごぼうの和え物と濃厚鶏だしおでんスープ

このおでんスープは最初はワカメ入りの湯のみにれてスープとして

そして残りはおでん飯にかけて雑炊風としても楽しめるという

もちろんそのまま飲み干しても法的にも店的にもなんら問題はない

俺はおでんスープを湯のみに入れようとした

「熱い!!」

スープ入りの徳利が持てないほど熱いのだ

さすがコラーゲンたっぷりの上質なスープ

俺は徳利のくびれから上の部分を慎重にもち湯のみへと注いだ

どんどん増える乾燥ワカメたち

俺はしばし待機して鶏だしおでんスープを飲んだ

「あぁ美味いなぁ」

やはりこのだしは最高に美味い

これならラーメンも期待を裏切らないはず

今度はラーメンだな

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おでん飯

要するに白飯の上におでんが乗っているだけの飯

大きめの白い器に盛り付けて、味噌だれを少々

ネギの青とひょろ長い赤いやつがアクセントとなっておしゃれ感を出している

たかがおでんなのに

おでんは焼き豆腐、がんもどき、大根、鶏串

俺は焼き豆腐から食べた

濃厚な鶏だしが染み込んでいて美味い!

わずかにかけられた味噌だれも決して味を壊していない

やはり味噌で煮込むのではなく味噌だれをかける方式の方が名古屋のおでんは美味い

せっかくのおでんを味噌で煮込んでしまえば全て味噌味となってしまう

だしの旨味も強すぎる赤味噌の旨味の前に敗北してしまうのだ

しかしわずかに味噌だれをかけることにより本来の鶏だしの旨味を生かすことができる

そしてさらに味噌だれで違った魅力を引き出すことに成功しているのだ

白飯と味噌だれの相性は抜群である

そこに添えられた青ネギは絶対に欠かせないバイプレイヤー

見事なまでに味噌、白飯との仲を結びつけてくれるのだ

これは名古屋のソウルフードどてめし」にも共通する

俺はビールを飲んだ

おでんとビールの相性も素晴らしいものがある

俺は今この瞬間を生きてることに感謝した

宇宙の真理「大日如来」に

次にがんもどきだ

「ダメだ、うますぎるだろコレ」

久しぶりにちゃんとしたがんもどきを食べた

ちゃんと大豆の味がするがんもどきを

そして染み込んでる染み込んでる凝縮された鶏の旨味

このがんもには味噌だれは不要かもな

続いて大根

非常に柔らかく煮込まれた大根

食感は壊滅状態だが確かに大根の味がする

まぁ大根だから当たり前だが、そこらへんの大根のおでんはだしの味に負けてしまうことも多いと俺は思うのだ

しかしこの大根はちゃんと大根であった

それでいて鶏だしもしっかり染み込んでいる

ただ食感はもう少し残して欲しかった

でも世の中クタクタ派の方が多いから無理だろうな

この大根は半分残して最後の雑炊の具にしよう

そしてついに俺は鶏串に手をつけた

串をつかみ先端に刺してある鶏肉を豪快に歯で噛んで串から外しそのまま口の中に入れたのだ

確かな弾力、確かな鶏の味

「な、なんだこれは・・・」

それは俺の想像力をはるかに超えた味であった

とにかく美味い

とりあえず10本ぐらい食べたいな

この鶏肉で水炊きもいいな

などと想像を膨らませてた俺は最後の鶏肉を串から外して白飯の上に置いた

白飯は半分残しておいた

そのまま味噌だれで食べてしまった方が美味いような気もしたが、せっかくなんで雑炊風にすることに

俺の残りの鶏スープをご飯の上にぶちまけた

写真を撮ろうと思ったが見た目が予想以上に汚かったので断腸の思いで断念した

濃厚な鶏スープでひたひたになったおでん飯

俺はスプーンを取り出して一気に口の中へとかきこんだ

わずかに残っていた味噌だれと相まって茶色く濁った鶏スープ

味噌と鶏の融合

そこに出会ってしまった白飯とおでんの残り

彼らは鶏スープの海に溺れた

「遊びは遊びで割り切りなさい」

しかし俺は溺れた

雑炊風であって雑炊ではない

それなのに・・・

突然、給食のメニュー全て一つの器にぶち込んで食べてた奴のことを思い出した

犬のためにご飯に味噌汁をかけて食べさせたことを思い出した

何もかも鶏だしスープの中に溺れてしまえばいい

何もかも

何もかも

 

すぐに熱々のスープは冷めた

やはり雑炊風は雑炊風でしかないのかもしれない

 

おでん飯 980円

サッポロラガー中 550円

税込 1570円

 

ごちそうさまでした

今度は鶏煮込みラーメンだな

豆腐飯もつけてもいいかもな