鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

京都の市バスがキャリーバッグに困惑

近年の京都人気により京都の市バスの混雑が凄いらしい

俺の場合は近年は1年でもっと安く宿泊できる1月4日にしか京都に行かないので通常の京都の混み具合は知らない

池波正太郎も足繁く京都に通った一人だが池波正太郎の場合は2月にしか京都へはいかなかったそうだ

それは2月が一番観光客が少ない時だからである

寒い、紅葉も桜も新緑もない

正月に金を使いすぎた

そんな観光客が減少する2月である

そんな冬の観光客減少対策として冬場は有名寺院などが特別公開を行っている

そのために冬でも京都を訪れる人は多いだろう

むしろ冬に京都へ行く人ほど本当に京都を楽しもうとしている人かもしれない

実は禅寺の枯山水など冬の澄み切った空気の中で眺めると緑がない分、石が際立って普段とは違った魅力を感じるのである

そんな誰もいない有名庭園をほぼ独り占めにして眺めることができるのも冬の旅のいいところである

と、真夏に冬の旅の話をしても仕方がない

今は真夏

料亭なら鮎に鱧の季節だ

そんな京都

ほとんどの人は京都駅に降り立ち目の前にある巨大なバスターミナルへと向かう

この場所に行けば大抵の場所へダイレクトに運んでくれるからだ

俺も京都旅初心者の頃はバス移動が全てだった

しかし初めてバスで嵐山に行った時に気づいたのだ

すし詰め状態の中、渋滞でほとんど進まないバスは「全く時間の無駄だと」

それからは必要に迫られない限りバスには乗らない

大原に行く時はできる限り北まで電車移動してバスに乗る

基本は京都の市街地は電車でくぐり抜けるということだ

でも神護寺の時はバスかな

まぁ観光シーズンの神護寺には俺は行かない

JR、地下鉄、嵐電、京阪、阪急、叡山

様々な電車が京都を走っている

これらを駆使すればバスなど使わなくてもほとんど回れてしまう

電車で繋がらないところは歩く

地図で調べ自分が歩ける距離かどうかを確認したら歩く

これで点と点がつながるのだ

そして最終的にはバスを使うが、これはあくまでも目的地と最寄りの電車の駅まで利用するにとどめる

個人的には、ほとんどの観光客がバスを利用してくれるのはありがたい

俺がいつも利用するルートが混まなくて済むからだ

ぎゅうぎゅう詰めのバスを眺めながらのんびりと目的へと移動できる

そんな満員状態のバス

観光シーズンはほとんど機能しない

明らかにバスより観光客の方が多すぎる

そして本来1番に優先させなければならない地元の人もバスの利用をためらうぐらいだろう

いつからか旅人はキャリーバッグを持ち始めた

昔はみんなバックパックかボストンバッグで旅行していたものである

それが気がついたら老若男女キャリーバッグの時代に突入していた

そんな時代でも俺は薄汚れたバックパックを背負って旅をする

土砂降りの中で一緒にしまなみ海道を走破した相棒である

あの時テレビ中継がきていたが果たして俺の姿は放映されたのだろうか?

俺がキャリーバッグを使わない理由はただ一つ

便所の中をゴロゴロ転がすことに抵抗があるからだ

なので俺はいつでもバックパック

そのせいか外人観光客から話しかけられることも多い

英語は全く喋れないのに

しかし世の中キャリーバッグ時代

このキャリーバッグが市バスを苦しめているのだ

ただでさえ満員状態な市バス

そこにキャリーバッグを持った観光客が殺到して車内はパニック状態

みんなホテルまではキャリーバッグを持って移動しなければならないからだ

観光案内役「おもてなしコンシェルジュ」などがキャリーバッグをコインロッカーに預けるようにお願いするみたいだが誰も聞く耳を持たない

そりゃそうだろホテルまで荷物を運ばなければならない

そこでどうすればいいのか?

方法は幾つかある

まずはホテルまでの配送サービスを利用する

これは俺は利用したことがないので詳しいことはわからないが「おもてなしコンシェルジュ」の人が教えてくれるはずだ

あとは友達同士なら割り勘でタクシーもありだ

そして残るは地下鉄などの電車移動

ホテルがある場所へはだいたい電車で移動できる場合が多い

まぁ多少は歩くことも必要だろうが、歩くのが旅である

市バスとしても1日乗車券を値上げしたりして利用者を減らそうとしてるが、百円値上げしたところで効果はないだろう

それよりも他の交通機関への誘導

各駅から目的地までの徒歩移動の距離と目安となる移動時間

これらを書いたMAPなど作り配布した方がいいのではと思う

例えば嵐電妙心寺駅で降りれば妙心寺龍安寺金閣寺は徒歩圏内である

さらにそこから北野天満宮大徳寺下鴨神社、と回ることも可能だ

東山方面も京都駅から東福寺へ南下してから京阪で北上すればいい

俺の場合は四条にホテルを取るのでまずは地下鉄で四条に移動してそこから東山まで歩く

途中にも観光スポットはたくさんあり楽しみながら移動できるからだ

あとは四条から四条大宮まで歩き嵐電

ここから嵐山、北野天満宮妙心寺エリアなど回れる

地下鉄で丸太町まで行けば京都御所周辺

今出川まで行けば北野天満宮など西陣周辺に下鴨神社出町柳

出町柳からは叡山電車で貴船、鞍馬山

地下鉄は国際会館まで走っているのでそこからバスに乗り換えて大原や貴船、鞍馬にも行ける

街中を地下鉄で通り抜けることで観光シーズンなどは京都駅からのバス移動より時間が短縮できる

そして北大路からは大徳寺周辺を散策できる徒歩圏

和久傳が運営する蕎麦屋五 (いつつ)でそばを食べてから今宮神社であぶり餅を食べるのもいい

蹴上で降りてインクライン南禅寺永観堂哲学の道法然院銀閣寺という黄金の散歩コースも素晴らしい

ほとんどの観光客の人は京都の地下鉄は使い物にならないというが多少の徒歩と他の電車などと組み合わせればなるべくバスを使わずに観光できるのだ

そしてそれぞれの目的地を結ぶ道にも魅力的な店もあり国宝も存在したりする

ひたすら鴨川を歩くのも面白いし

やはり旅は歩いた方がずっと面白くなる

何が何でもバス移動でなくてもいいのになと俺は思うのだが

俺の意見は誰も聞く耳を持たない

みんな歩くのは大嫌いみたいだ