鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

写真判定はいらないボアッソンハーゲン

2017年ツール・ド・フランス第19ステージ

アルプスを超えてプロヴァンスへ向かうスプリントステージ

しかし逃げ屋にとっては最後の希望

この日も逃げたい選手は多くレース開始から激しいアタック合戦となった

新城は集団後方

おそらくチームからエーススプリンターのコロブレッリの世話係に任命されている

期待してただけに残念だ

どうやらこの日はベルギーの独立記念日だそうだ

そのためかベルギーの選手が多く逃げに乗ろうとする

レースはハイペースで進み逃げが決まらないまま3級山岳へ

スタートから35キロ走りようやく20名ほどの逃げが決まる

逃げ屋、総合系、スプリンターなどあらゆるタイプが混ざり合った逃げ集団

バークランツ、モレンマ、ギャロパン、ブランビッラ、デヘント、シャバネル、カルメジャーヌ、ベンナーティ、ベンスイフト、ボアッソンハーゲンなど

逃げ集団の中で1番総合タイムがいいのはモレンマで47分遅れ

スカイは明日のTTに備えて楽なコントロールができる

スカイにとってこの日は体力温存ステージ

逃げ切りされても全く構わない

行きたいチームはどうぞどうぞ状態だ

スプリンターチームにとってはこのステージを逃すと最後のシャンゼリゼのみになる

スポンサーのためにも取れるものならステージ勝利が欲しい

しかしツールも後半

アシストも人数を減らして疲労困憊

クリストフは怪我の影響でスプリントには参加しない模様

これでカチューシャの引きはなくなる

トニーマルティンの明日のTTに全てをかける方針だろう

UAE、ディメンションデータは逃げにスプリンターを送り込んだ

ロットソウダルも逃げにデヘント、ギャロパンを送り込んでいる

コフィディスも誰かいたな

サンウェブはマシューズのポイント賞確定のため無理する必要もない

一番怖いのは落車だからだ

安全な場所で緑のマシューズを大事に大事にシャンゼリゼまで運ぶのみだ

スプリンターチームで仕事しなければならないのはバーレーンとロットNLユンボ

コフィディスのブアニはデマールリタイアから覇気がない気がする

やはり憎きライバルの不在はモチベーション的に大きいのかもしれない

こうなってくるとスカイのコントロールでどんだけ差が開こうが逃げに選手を載せてないスプリントチームは前に出てこない

完全にこの日のレースを放棄

少ない人数で20人の逃げ集団を捕まえる力がツール後半の彼らには残っていないのかもしれない

中間スプリントはデヘントが一位通過

取れるものは全て取る男だ

残り80キロでタイム差は8分15秒

後半は下り基調でレースが進むことを考えると集団スプリントに持ち込むギリギリのタイム差だ

しかし動かないスプリントチーム

どうやらこの日は逃げの20名でのレースになりそうだ

残り60キロ

依然としてタイム差は8分

この時点で完全にメイン集団のレースは終わった

逃げ集団の中では次第にステージ勝利に向けた争いが出てくる

細かなアタックが続くが決定的なものにはならない

残り30キロ、9分45秒差

残り20キロ、9分45秒差

全くレースは動かない

 

すると残り19キロ、ゆるい上り坂の横風区間でオリカがペースアップ

オリカは逃げに二人メンバーを入れている

オリカのペースアップで集団は真っ二つに分断する

後ろにはベンスイフトやモレンマが取り残されてしまう

先頭集団はデヘント、ケウケレール、バークランツ、ボアッソンハーゲン、アルント、ジェスベール、アルバジーニベンナーティシャヴァネルの9人だ

この中で1番要注意なのはボアッソンハーゲン

厳重な警戒態勢で逃げる先頭集団

シャバネルがローテーションを飛ばすものの追走との差は広がっていく

15秒

残り10キロを通過した

残り9キロ

先頭グループでアタック合戦が始まる

ジェスベールを皮切りにスプリント勝負は不利な選手が早駆けに入る

しかしすかさずチェックに入る吸収、再びアタックが繰り返される

そして訪れる牽制

こう着状態

風は向かい風、抜け出すだけの力がない

残り5・5キロ

シャバネルアタック!

ジェスベールが続くがケウケレールがチェック

今度はアルバジーニ

しかし決まらない

残り4キロ、ボアッソンハーゲンがアタック

デヘントが逃がさない

お互いに牽制

ロータリーを利用して再びボアッソンハーゲンがアタック

今度のアタックはキレがいい

そこにアルントがつくが残り2キロでボアッソンハーゲンが踏み込むとアルントは離されていった

残り1キロ、フラムルージュ通過

先頭は独走ボアッソンハーゲン

残り500メートル、アルントも追いつけない

10秒差だ

今度は写真判定なんか関係ない

そのままボアッソンハーゲンが独走で余裕の逃げ切り勝利

序盤でエースを失ったディメンションデータがようやく今年のツール初勝利を勝ち取った

 

メイン集団は仲良くサイクリング

総合の順位は動かず

選手たちは体力を温存

最終決戦は今日の個人タイムトライアル

フルームとの差は

2位のバルデが23秒

3位のウランが29秒

TTの力で見ればフルーム優位で次にウランが優位だ

しかしメカトラ一発でひっくり返る可能性のあるタイム差

まだまだ何が起こるかわからない

特に今年のフルームは運に見放されてるような気もする

 

今日の20ステージ個人TT予想

途中にコブがある

このコブがどれほどのものか分からないが

一癖あるTT

マルティン、ログリッチェ、フルーム

この辺りが優勝候補か

 

優勝 ログリッチ

2位 キリエンカ

3位 マルティン

4位 フルーム

 

ウランはバルデより早い順位

総合はマイヨジョーヌがフルームで2位にウラン3位バルデだな

でもこの予想が当たらない方がツールは面白くなる

フルームまさかのメカトラもあるかもしれない

いよいよ最終決戦

今日は眠れないな