鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

K点越えログリッチェ

2017年ツール・ド・フランス第17ステージ

いよいよアルプスに突入だ

逃げ切り可能なステージも残りわずか

総合エースのための前待ち作戦要因とともに、この日も多くの選手が逃げに乗りたいところだ

183キロの山岳ステージ

最初に2級登ってスプリントポイント、超級1級超級下ってゴール

特に最後の1級のテレグラフ峠を超えると超級ガリビエ峠はすぐにやってくる

長い長い2段階峠みたいな感じだ

スタート開始直後から激しいアタック合戦が始まる

新城もチャレンジするが決まらない

逃げが決まらないままレースはハイスピードで進んでいく

スタートから20キロ地点

かなり大きな落車が発生

端にいたカミングスなどはかなり遠くまで自転車ごと飛ばされた

幸いに柔らかい草むらに転がり大きな怪我はなさそうだ

テレビ画面に緑のジャージと赤白の水玉ジャージが映る

ポイント賞のキッテルと山岳賞のバルギルが落車に巻き込まれた

おそらく1番逃げに乗りたかったバルギル

バイクはフロントフォークが破損したが体は大丈夫な模様

スペアのバイクですぐに走り出した

問題なのはキッテルだ

かなりジャージが破れていて手足から出血もしている

そしてかなり痛そうだ

今日はマイケルマシューズとの中間スプリントポイント争いのためになんとしてでも2級山岳を集団内で越えたかっただろう

そのキッテルが落車、負傷した

これでこの日のポイン獲得は絶望的

痛みをこらえながらバイクにまたがり走り出すもシューズのクリートが壊れていてペダルにはまらない

かなりのタイムロスで再出発、その後メディカルカーで治療を受けて走り続けるも

途中リタイアとなってしまった

サガンカヴェンディッシュ、デマールに続いてキッテルまで

スプリント激戦時代の主役たちがまた一人、シャンゼリゼを目前にしてツールを去った

マイヨヴェールを着たままで

落車の発生と同じくして巨大な逃げ集団が形成される

サンウェブがマシューズのためのペースアップからだろうか

マシューズ、デヘント、モレンマ、ニコラス・ロッシュ、アタプマ、パウエルスなど有力メンバーが逃げに乗る

2級山岳山頂でマシューズがスプリント

デヘントを交わして一位通過

この日遅れたバルギルのためのアシストだがデヘントから笑いながらもネチネチ言われるマシューズ

しかしこの後は仲良く二人で先頭グループを作った

追走の巨大逃げ集団との差は1分以上メイン集団までは5分付いている

スカイの名アシスト、キリエンカ

常に無表情で淡々と集団を引き続ける彼だが、どうやらマッサージの時は冗談ばかり言ってるとの情報がスカイの宮嶋マッサーを通して中野さんから入る

この時点でどんなギャグなのか気になって半分レースに集中できなくなる

気がつくと中間スプリントポイント

逆襲のデヘントにも期待したがマシューズが定石通りにスプリントポイントゲット

この後でキッテルはリタイアすることとなるが、マシューズがポイント賞の首位となる

スプリントポイントを通過しても逃げをやめないマシューズ

デヘントとともに先頭を逃げ続ける

そしてそのまま最初の超級山岳へと突入した

後ろからはコフィディスのナバーロが合流

さすがにマシューズはここまで

勾配のきつい区間で脱落した

メイン集団からはキンタナがアタック

そして吸収

しかしこれにより動きが出て今度はコンタドールがアタック

風邪を引いた時のパブロン同様早め早めのコンタドール

これがあるからコンタドールは面白い

キンタナも再びアタックして二人仲良く追走集団を追うべくメイン集団から飛び出した

超級山岳はデヘントが一位通過

追走するコンタドールに逃げグループから降りてきたゴグルとパンタノが合流

3両編成だがトレック列車の完成だ

このままでは終わらない

最後になるかもしれないツールでステージ取って全世界へ向けてバキューンだ

グングン加速するトレック列車、車掌はコンタドール

やがて長い長い下り区間コンタドール特急は逃げ集団に追いつく

先頭の二人も吸収されて24名の先頭集団へと姿を変えた

一方メイン集団も50人ほどに人数を減らしている

その差3分だ

レースはついに1級のテレグラフ峠へと突入する

メイン集団から3分40秒のアドバンテージを持って1級の山頂を超えて下りに入る

この時、逃げ集団は12人に絞られた

いよいよ最後の超級山岳ガリビエ峠

ゲスト解説の土井選手のTシャツにもガリビエと入っている

一体どこで買えるのだろうか?

すると先頭集団からロットNLユンボのログリッチェが飛び出す

スキージャンプで頂点を極めた選手だ

突然現れた選手だがTTが早いのは知っている

果たしてこのツールの山岳ステージをこなせるのだろうか?

このログリッチェの動きにコンタドールとパウエルスが反応

すかさずナバーロ、アタプマ、マティアス・フランクが付いていく

この動きで先頭は6人に

山頂まで残り6キロ

グリッチェが再びアタックを仕掛ける

これには誰も付いていけずに、そのまま独走態勢に入る

メイン集団までは2分40秒

脱落していくキンタナ

スカイはアシストを3人残して万全の態勢だ

山頂まで3キロ地点でバルデ、Dマーティンの複合攻撃

遅れるアル

必死に追いつくアル

再び遅れるアル

メイン集団には落車したバルギルも追いついてきている

なんとか少しでも上の順位でガリビエを超えたい

メイン集団からは新人賞のサイモン・イェーツが脱落

どこか死角があれば双子のアダムと交代しても誰も気づかないのに

ガリビエの山頂はログリッチェ、アタプマ、バルギルの順番で通過

なんとか超級3位通過でほっと胸を撫で下ろすバルギル

後は下るだけだ

そしてコンタドールは山頂付近で吸収された

下りに入るとアタプマが遅れる

メイン集団は仲良くローテーションしながら下っていく

危険な下りだ

一つのミスで崖下へと転落する

アルが遅れてるだけに少しでもアルとの差を広げたいメイン集団だが

先頭のログリッチェとの差が縮まらない

結局下りを終えたところで先頭との差は1分15秒

残り10キロだ

ペースが落ちることなく独走するログリッチ

さすがにTTスペシャリスト

逃げ切り確定

余裕の独走勝利で恋人と家族が待つゴールへと飛び込んだ

まさかこのアルプスの山岳ステージで彼が勝つなんて誰が予想できただろう

見事な逃げ切り勝利であった

そしてスロベニア人初のツールステージ勝利

去年のジロでもステージ優勝

ロード選手になってまだ5年である

 

一方メイン集団はログリッチェから1分13秒遅れてゴールへやってきた

この日も見られる総合エース同士のスプリント勝負

やはりパンチ力ではウランが一枚上か

そんな顔をしている

ウラン、フルーム、バルデの順番でゴール

ボーナスタイム6秒でウランが2位に浮上

しかし3位のバルデもウランも同じく、フルームとの差は27秒だ

 

コンタドールは2回目の敢闘賞を獲得

しかし今回も悔しそうなコンタドール

他の選手にあげればいいのになと思うが、ツイッターでの投票も含まれる今年の敢闘賞

コンタドールの人気は相変わらず高いのかもしれない

今年は後半型に調整してきたフルーム

今日はいよいよイゾアールの登りゴール

TTを覗くと最後の総合争いのステージ

ここで勝負をかけないとバルデ、ウラン、アルのマイヨジョーヌは絶望的だ

しかしここにきっちりコンディションを合わせてきたフルーム

最後の早め早めのコンタドールが再び見られるのか?

3級超えてスプリントポイント

ここでは意地のマシューズが確実に取りに来る

その後1級山岳、ここでバルギルが動く

下ったら最後の超級イゾアール

大きな逃げ集団ができたとしてもこの峠で吸収されるだろう

疲労困憊の中で唯一自由に動けて登れる選手はバルギルぐらい

しかし確実に総合の戦いが勃発するステージ

アルは早めに仕掛けて自滅する

Dマーティン、バルデ、ウランとフルームに対して総攻撃を仕掛ける

しかし彼らがまず倒さなければならないのはラスボスフルームではなくランダである

総合上位勢の前にたち塞がるランダ

そして残り2キロでフルームアタック!

誰もついていけない

 

18ステージ予想は

優勝 フルーム

2位 バルデ

3位 ウラン