鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

狙い撃ちマシューズ

2017年ツール・ド・フランス第14ステージ

ピレネーを終えて中央山塊へ入る

この辺りはエキップ浅田の本拠地で新城にとって地元みたいな街だ

前半は比較的平坦なコースで後半はアップダウンが現れる

2年前にヴァンアーベルマートサガンに勝ったコースだそうで

そう言われればなんとなく思い出してきた

最後にパンチャーが活躍しそうな坂が控えているコースだ

この日も新城を含めて逃げたい選手は多いかと思われたが始まってみたらスタートアタックから

トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)

ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)の4人だけ

少し遅れてからカチューシャのレト・ホレンシュタインがメイン集団から飛び出した

無謀な一人アタックかと思われたが無事先頭の4人に合流した

この日もあっさりと逃げが決まってしまった

途中でスプリントポイントがある

そこで一旦吸収して再びアタックが始めればいいなぁと思っていたが逃げとの差はどんどん開いていく

結局2分差ほどで先頭をスプリントポイントで捉えることなく泳がした

どうやら新城はチームのエースコロブレッリが今日の勝負に絡みたいそうでチームから自由は与えられなかったみたいである

ただし逃げ切りが決まりそうな大集団逃げなら行くつもりだったそうだ

集団は今日のステージが欲しいチームが牽引する

マシューズのサンウェブとヴァンアーベルマートのBMCにバーレンメリダ

スプリントポイントではキッテルが一位通過でマシューズが2位

先頭の逃げは5人のままレースは2分差で淡々と進んでいく

この日のゲスト解説は弱虫ペダルの人

今年も相変わらず「漫画では難しいですね」

個人的にはキャプテン翼風にしなくてもリアリティのある漫画で面白いと思うのだがそれでは世間一般には受けないんだろうな

レース後半になると細かなアップダウンが繰り返される

横風警戒などと相まって集団も次第に緊張感が高まってくる

3級山岳でキッテルが遅れる

それを知ってかサンウェブ、BMCがペースアップ

その後の下りでキッテル合流するもすぐに訪れた3級山岳でテンダムが引き始めると再びキッテルは遅れた

そして逃げの5人からも脱落者が出る

デヘントとヴォクレールの二人に絞られた

残り32キロ地点

ヴォクレールが先頭を引かなくなったのでデヘントがアタック

ヴォクレールはついて行かずに集団へ戻ることを選択する

毎度おなじみのひとり旅の始まりだ

残り20キロでタイム差は1分

やはり逃げ切りは厳しい

残り13キロでデヘントは集団に吸収された

すると今度は集団からカウンターでカチューシャの選手が飛び出す

決して逃がしてはいけない男

現TT世界チャンピオンのトニー・マルティン

今年からは赤いジャージの赤マルティン

さすがにサンウェブが反応してマルティンを捕まえる

すると今度は同じくカチューシャのマウリス・ラメルティンクが飛び出した

なかなか勝てないカチューシャ

今年からはアルペシンがスポンサーについている

スポンサーからもチクリと言われたのだろうか?この日はカチューシャが積極的に動いている

そのカチューシャの新スポンサーアルペシンが去年までスポンサードしていたサンウェブがすかさずチェックに入る

BMCもサンウェブに続いてラメルティンクをチェック

すると集団からはもう一人フォルトゥネオのペリションがアタックして先頭は4人となる

しかし4人のうち2人はこの日のステージ優勝を狙いたいエースを抱えているチーム

要するに逃げたいカチューシャとフォルトゥネオを妨害したい2人なのだ

半分が妨害に入るので当然ローテーションもうまく回らずペースが上がらない先頭集団

結局はチームスカイによってコントロールされたメイン集団に吸収された

その後同じくステージが欲しいディメンションデータやクイックステップなどが先頭を引き始めて集団がかなりハイペースになる

あっという間に残り1キロフラムルージュを通過

クイックステップ、サンウェブ、BMC、ディメンションデータ、FDJが入り乱れてる中でブアニらしき姿が見え隠れする

残り600メートル

ベルギーチャンピオンのナーゼンが出る

しかしすぐに失速

すると今度はクイックステップジルベール

だが最後の坂で苦戦するジルベール

残り200メートル

ついにBMC、ヴァンアーベルマートがスプリント開始

前回この坂を制した男がここで動いた

そして先頭に出る

しかしその番手にはサンウェブのマイケルマシューズが

ヴァンアーベルマートを使い加速して先頭に出た

そのままグイグイ加速するマシューズ

後ろを何回も確認

そして勝利を確信

余裕を持ってのゴールパフォーマンスとなった

 

前回ここを走った時のマシューズは落車の怪我で満身創痍

思うように実力を出せなかった

そして再び同じ場所を走るチャンスが

最初から狙っていたこのステージで見事にチーム一丸となって勝利をつかんだ

 

先頭から1秒遅れでフルームがゴールしてもアルの姿が見えない

アルが来ないアルが来ない

25秒遅れてようやくアルがゴールした

どうやらゴール前のペースアップで遅れたそうだ

その姿を仕事を終えたクウィアトコウスキーに発見されてしまい

すかさず無線で「アルが遅れたアルが遅れた行け行けフルーム」

その結果見事にフルームがアルからマイジョーヌの奪還に成功した

総合は動かないかと思われたステージだったが終わってみれば

アルに18秒差つけてフルームが総合トップの返り咲き

アル18秒

バルデ23秒

ウラン29秒となっている

 

今日のステージはフルーム曰く「戦争」

アップダウンが続いて最後は1級4級こなして下りゴール

そして翌日は休息日だ

おそらく逃げが決まるステージ

デヘントは今日逃げた

再びチーム一丸で逃げに乗るディレクトネナジー

あとは総合争いに関係のないチームの登れる逃げ屋たち

デヘントが動けないならギャロパンかな

そしてワンティ、フォルトゥネオ

ディメンションデータもカミングス再チャレンジに再び山岳での逃げ切りボアッソンハーゲンも面白い

逃げ切りの予想は難しい

どうしても勝ちたいカチューシャも動いてくるかも

マシャドに逃げマルティンも見てみたい

ただやはり今日も期待を込めて

新城幸也の逃げ切り勝利

2位にはボアッソンハーゲン

3位にマルティン