鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

勝バルデ黄アル

2017年ツール・ド・フランス第12ステージ

いよいよピレネー山脈に突入

クイーンステージに次ぐ勝負どころ

前半は平坦だが残り半分は山だらけ

2級1級超級1級2級

特に最後の2級山岳は距離は短いが急勾配だという情報だ

そしてその場所は小型機の滑走路らしい

全く想像がつかないな

急勾配な滑走路って

レースが始まると予想された通りにアタック合戦が始まる

その中には新城も含まれたが、なかなか逃げが決まらない

山岳賞狙いのバルギルも必死にアタックするが逃げには乗れず

プランBで途中から逃げる作戦に変更だ

なんせ長丁場、総合が動けば逃げは簡単に吸収されて次の動きが始まる

逃がしてもらえるかどうかは全てスカイ次第だろう

気がつくと12名の逃げが決まる

その中には緑男キッテルとマイケルマシューズが

彼らは中間スプリント狙い

キッテルにとっては

初めてのおつかいならぬ初めての逃げだ

お父さんお母さんも心配だろうが

ちゃんとカメラが見守ってくれる

それも国際映像で

その他の逃げメンバーにはディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ

今日も逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

今年も逃げるスティーブ・クミングス(イギリス、ディメンションデータ)

彼らは最初の1時間を時速48・5キロで逃げた結果

メイン集団とのタイム差は最大で6分半まで広がった

逃げが決まると直ぐにフルームは、おトイレタイム

奇しくも黄色い花満開のひまわり畑の前で黄色いジャージの男がトイレ休憩となった

レースはそのまま進みスプリントポイントに差し掛かる

キッテルとマシューズの一騎打ちだ

僅差でマシューズが中間を制して20ポイントゲット

しかしキッテルが2位に入ってるために17ポイントゲットでその差3ポイントしか縮められなかった

まさかキッテルがついて来るとはマシューズも予想外だっただろう

しかしかなり登れるスプリンターのマシューズにはもう一つのお仕事が残っている

同僚で山岳賞を狙うバルギルのための山岳ポイント潰しだ

逃げメンバーの中で今後バルギルの山岳賞のライバルになり得る可能性のあるデヘントのポイントをを潰すためである

4級2級山岳はデヘントが1位通過したが1級山岳では見事にマシューズが1位通過を果たしてこの日のバルギルの山岳賞キープを確定させた

それにしてもスプリンターが一級山岳山頂でスプリントして制する場面なんて初めて見たな

新城がヴォクレール引き連れて登った時も驚いたが

キッテルは1級山岳で予想通り逃げ切り終了

しかし初めての逃げはある意味成功

中間スプリントポイントで被害を最小限に抑えたからだ

キッテルパパママも一安心だろう

あとは無事にゴールするだけだ

BMCのキュングが走りながらのおトイレタイム

カメラは前方から映している

「あっ!」と思った時は遅かった

そのあともしばらく映し出されるジャンボ魚肉ソーセージ

スイッチングが気づいていなかったのかもしれないな

彼のアレは世界中に生中継された

逃げは11名になった

一方メイン集団はスカイが通常通りコントロール

その差は4分20秒で超級山岳へ突入した

まず一つ目の動きが期待される超級山岳だが、逃げグループでは生き残り争いとなる

超級山岳に入ると逃げのメンバーも力の差と体調の差が出てくる

さすがに超級ではごまかしきれない

まずはデヘントが抜け出してカミングスが後から合流して先頭は二人になる

その後からゴチエが単独で追いかける展開だ

超級の山岳ポイントを目指してデヘントが仕掛けるがカミングスに交わされて1位通過ならず

そのままカミングスの一人逃げが始まる

追走のメイン集団は順調にタイム差を縮めていく

しかしアスタナのフグルサングは落車骨折の影響で遅れ始める

また一人主役が怪我で脱落した

フォルトゥネオからブエとフェイユが二人でアタック

スカイは無反応

行かせても問題のない選手とチーム

無事に通行手形は発行された

しかし結局は力及ばず再びメイン集団へと吸収される

義兄弟

どうやらフェイユがブエのお姉ちゃんと結婚してるそうだ

親戚一同かなり盛り上がったことであろう

そのあとでバルギルが山岳賞アタック

それに乗っかろうとコンタドールが「俺を忘れるなアタック」

しかしスカイは無反応

かつての絶対的王者のアタックだがちょっと寂しい気がする

一つの時代が終わりを迎えようとしている

そしてバルギルとコンタドールも淡々と引き続けるスカイに吸収された

一人逃げのカミングスは超級山岳を通過

メイン集団との差は2分

逃げ切りは厳しい

下るに入る

特に攻めてる分けではないがスカイがオーバーランその中にはフルームも含まれる

それに巻き込まれてアルもオーバーランで二人とも停車を余儀なくされる

落車がなかっただけマシだ

二人のトラブルはトラブルではくミスなのでライバルたちは待つ義理はないのだが何故か律儀に二人が復帰するまでペースを落とすメイン集団

まぁスカイのアシストに最後までお仕事をして欲しかったのかもしれないな

フルームとアルを置き去りにするには、まだまだ早いってことだろう

それだけみんないっぱいいっぱい

一級山岳に入る

この日もこの男がガンガン集団を引き続ける、クウィアトコウスキー

給料上げてやってほしいな

相変わらずスゴイ仕事量だ

そして今度はキンタナがついていけずに脱落

やはりジロのダメージは相当大きい

残り8キロカミングス吸収

12名で1級山岳は争いなく通過する

やはり勝負は最後の急勾配の2級山岳だ

アルとバルデの表情がいい

フルームはいつものように分からない

スカイの引きはニエベに交代

残すアシストはニエベとランダ

この時点で二人もアシストを残すスカイ

やはり圧倒的なチーム力だ

一週目はこの二人の仕事は少なかったがそれも計算してのことだろうか?

短い下りを終えるといよいよ滑走路へと突入

残り2・4キロだが最大勾配20パーセントだ

最後の最後でこの勾配はさすがにこのレベルの選手でもキツイ

スカイは最後のアシスト、ランダを投入した

ランダがかなり調子よさそうだ

太い眉毛でグイグイ牽引

ここで同じく眉毛の太いコンタドールが遅れた

ハイペースで誰も動けない

残り1・5キロ

まだ動けない

残り1キロフラムルージュを通過

まだランダが引いている

そして誰も動かない

残り800メートルでジョージベネットがアタック

しかしランダが冷静にコントロールして吸収

残り500メートル

ウランが前方に上がりスプリントに備える

そこでアルがアタック

イタリアントリコロールに身を包んだ顔の長い男

自転車を大きく左右に振りながらガシガシ

アルのアタックには全員が反応

こうなったらあとは力勝負だ

そしてやってくる最大勾配

フルームが遅れた!!

アルにウランとバルデが迫る

まさに力勝負

エース同士のガチバトル

勾配がかなりキツイ

なかなか進まないスプリント

そして確実に遅れていくフルーム

ランダは前方でスプリントに参加

最初に仕掛けたアルは力尽きバルデに交わされる

フランス期待の星に迫り来るコロンビアの野獣

この激しい戦いを制したのは

フランス人、バルデだった

 

ウラン、アルは2秒差でゴール

そしてマイヨジョーヌのフルームは22秒差となった

ボーナスタイムが加算されて

マイヨジョーヌはアルの手に

2位のフルームとは6秒差

3位のバルデが25秒差

4位のウランが55秒差となった

 

バルデはこの最後のコースを試走していたそうだ

そして勝負どころまで我慢してたんだな

結果的にスカイのアシストがバルデのアシストでもあったのかもしれない

盤石かと追われたフルームだが

ここにきてまさかのマイヨジョーヌを手放すことに

今日も厳しい山岳ステージ

距離は短いが、短いだけにハイペースなレースになる可能性が高い

スカイの復讐

マイヨジョーヌ奪還のためにスカイが全力を出すのかもしれないな

ピザ野郎には渡さない

やはりフィッシュアンドチップス

しかしフルームの調子が分からない

たまたまバッドディだったのか?

それとも落ち始めてるのか?

どっちにしろこれで俄然と面白くなった今年のツールだ

 

そこで今日の予想

距離は101キロと短い

そのために凝縮された高速バトルが最初から最後まで続く

最後は1級を下ってゴール

ここでフルームのスーパーダウンヒル

しかしなんか嫌な予感がする

何も起こらねければいいが

総合上位で仲良く下りきればフルームだろうが

そしてこの日はフランス革命記念日

当然勝ちたいフランス人

こんな日に狙うのはディレクトエナジー

最初からチーム一丸でアタック合戦

ヴォクレールとシャバネルにケムヌールそしてカルメジャーヌ

映画ならヴォクレールのベロベロで逃げ切りだろうが

さすがに今の彼では難しい

カルメジェーヌの2回目の逃げ切りも厳しいかな

バルギルも逃げたいけど調子が落ちてきてるような気がする

やっぱりスカイが意地の攻撃仕掛けてきそうだしな

最後は総合上位のスプリントで

優勝ウラン

2位Dマーティン

3位アル

 

そのあとでバルデ

少し遅れてフルームだな