鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

ハンマーシリーズ最終日ハンマーチェイス

初めての試みハンマーシリーズ

終戦はハンマーチェイスである

いわゆるチームタイムトライアル同士の戦い

今まで見たことがないような光景が想像されたが

主催のヴェロンも大満足の最終戦

期待してた展開に見事に嵌り

もう大興奮のレースとなった

細かな部分はいろいろ改善点はあるが、とにかく初めてのレース

主催者も選手も監督も観戦者もとにかくわからないことだらけ

これから少しずついろんな意見を取り入れてさらに面白くなっていくことであろう

今はネットの時代だけに世界中のサイクルロードレースファンの意見も参考にして欲しいと思う

日本人的には全体を通した印象は「弱虫ペダル

良くも悪くも

まさに弱虫ペダルインターハイを見てるかのようなレースであった

主人公となる一部のチームだけでレースが進む感じではあったが今後様々な議論がされ改善されていけばいいだけである

何より日本でも開催される可能性も十分にある

どうやら埼玉クリテリウムより安い金額で開催できるらしい

なんか早くも次のレースが見たい気分である

 

そんなオランダでのハンマーシリーズ開幕戦の最終ステージ

ハンマーチェイス

前日の発表がどうも間違ってた見たいで出走順が変更になっていた

トレックが第2グループ落ち

第1グループではスカイがトップでNIPPOはなんと3番手出走

ドーフィネの中継が終わりハンマーシーリーズの中継が始まるとすでに第2グループの最終週であった

どうやらBMC、クイックステップ、トレックが接戦を繰り広げている

ハンマーチェイスのルールは簡単だハンマークライムとハンマースプリントのポイントなどで出走順とタイム差が決まる

あとは各チーム4番目の選手が1番先にゴールへ飛び込んだチームが優勝である

あとは成績順に2つのグループに分かれて走ることになる

最初に第2グループのレースが行われて総合9位から16位までの順番が決まる

先頭はBMCだ

さすがに元TTT世界チャンピオン

そのすぐ後ろにクイックステップ、トレックが追走

しかしBMCにトラブル発生

牽引役のオスがパンクだ

残り4人になったBMCはなんとかトップを死守して走るも

次々にパンクする選手が

どうやらチーム全体で何かパンクする要因のある場所を走ったらしい

もうこうなっては手の打ちようがない

選手も監督も苦笑い

先頭はクイックステップへと交代する

そのまま第2グループの先頭でゴールした

 

いよいよ決勝の第1グループの出走である

有力チームのチームカーにはカメラが仕込まれている

この辺りも見てる側を楽しませてくれる

そしてスタート前、何故かモビスターだけ誰も車に乗り込んでいない

やはりスペイン時間なのであろうか?

グランツールのTTTでもスタート前に緊張したり気合いを入れるでなく

みんなで笑っていたりするチームだけのことはある

この辺り民族の違いが出て面白い

先頭のスカイがスタート

スカイの作戦はただ一つ先行逃げ切りだ

しかしタイム差があると言っても逃げるのは容易ではない

サイクルロードレースは追う方が何故か早く走れる場合が多い

たとえ真後ろについて空気抵抗の軽減を受けなくても前に目標物があると自然と早く走れるのだ

これは一般道のサイクリストでも同じである

やはり気持ちの持ちようであろうか

ただ一般道で追抜いちゃうと再び追いつかれないためにハイペースで走らなければならなくなるのが辛い

再び追い抜かれるのは、ちょっと恥ずかしいからである

ハンマーチェイスは2番手のサンウェブがスタート

タイム差から言って実質この2チームの争いだろうか

3番手は日本人選手二人とクネゴNIPPOである

同じ日本人として、そして日本車が大好きなクネゴのチームだけに頑張って欲しいが

いかんせんトップレベルでの争いからは一歩どころか10歩ほど交代してしまうであろう

4番出走はロットソウダル

 NIPPO的にはとりあえずロットソウダルに抜いてもらって後を金魚の糞のようについていく作戦だ

5番出走はモビスター、6番はキャノンデール、7番はオリカ、8番はロットNLユンボと短い間隔でスタートしていった

このグループではやはりオリカが早い

オリカがどこまで追い上げるかが注目である

先頭のスカイをサンウェブが少しづつタイム差を縮めながら走る中

NIPPOは必死にロットソウダルに食らいついている

その後ろは早くも団子状態

チームタイムトライアルなのに4チームが一つのトレインを形成してしまっている

ロットソウダルに食らいつくNIPPOはしきりに審判から駄目出しをされている

「もっと離れなさい」と

これは真後ろにくっ付くと空気抵抗が軽減されて優位になるからだ

しかしその後ろの集団は既にカオスな状態

もはや一人の審判ではどうしようもできない状況になっている

これが最初に心配された状態である

見てる側は面白いのだが

主催者側はかなりご立腹みたいであった

俺の意見としてはドラフティング(真後ろに付いて空気抵抗の軽減の恩恵を受ける行為)は認めちゃった方がいいと思う

栗村氏も言っていたがそれはそれでチーム戦略にもなる

タイム差の大きい3位以下のチームが結託することにより先頭に追いつく可能性も出てくるであろう

やはりそうなった方がレースは面白くなる

例えばオリカ、BMC、クイックステップあたりが先頭だとそのまま逃げ切りぶっちぎりで優勝してしまいかねない

そうなると面白さは半減してしまうであろう

やはり下位のチームにも希望のある最終日になって欲しい

レースは最終週でついにサンウェブが32秒差を詰めてスカイに並びそのまま追い抜く

スカイはサンウエブの後ろに付いていく

スカイのチームカーでは選手に指令が出る「そのまま後ろについて最終コーナー手前でブチ抜け!」と

3位のロットソウダルも後ろの大集団に追いつかれて、もはやプロトン状態

TTT得意のオリカがぐいぐいメイン集団を引っ張る

結果的にスタート時よりスカイとのタイム差は縮まっていく

やはり追う方が早いみたいだ

一塊となった残りの大集団

完全にルール違反である

しかしここでも注意をされるのはNIPPOだけ

プロコンチという格下チームだからなのか?

クネゴや日本人選手の軽量級が多いから舐められているのだろうか?

しかし道幅も狭く対処しようがない

やはり現状のルールではカオスな状態は避けられないのだ

先頭はいよいよ最終コーナーへ向かう

最終コーナー手前で監督の指示通りスカイがペースアップしてサンウェブを追い抜き先頭に立つ

ここでサンウエブも踏ん張り両チーム入り乱れた混合状態に

栗村氏曰く「スカイウェブ

最終コーナーを抜けたらあとはただひたすらゴールを目指してスプリントだ

しかし既に隊列を組む余裕は両チームにはない

スカイの3人は上位をキープ

しかし1番重要なのは4番目にゴールする選手である

スカイの4番目の選手は22歳のゲオゲガンハート

ゲオゲガンハートの後ろにサンウェブの選手がつく

このまま抜き去りサンウェブ優勝かと思われた瞬間にゲオゲガンハートが最後の力を振り絞り加速する

結局サンウェブの選手たちも限界であった

ゲオゲガンハートが勝利を確信して手を挙げると先行していた選手たちも結果を見るために後ろを確認

ゲオゲガンハートのガッツポーズを確認して残りのスカイの選手は次々と勝利のガッポーズをあげた

スカイのチームカーは大興奮で雄叫びをあげる

なぜか勝利に関係のないオリカのチームカーも大興奮

Jスポーツのスタジオも見てる俺たちも大興奮

終わってみれば

みんながレースを楽しんだハンマーチェイスであった

 

優勝  スカイ

2位  サンウェブ

3位  オリカ

4位  ロットソウダル

5位  モビスター

6位  ロットNLユンボ

7位  キャノンデール

8位  NIPPO

9位  クイックステップ

10位 トレック

11位 BMC

12位 ルームポッド

13位 バーレーンメリダ

14位 UAE

15位 カハルラル

16位 イスラエル 

 

 

最初のハンマークライムを見たときにはチーム戦の要素が皆無だけに

「これ大丈夫か?」と思われたハンマーシリーズだが終わってみれば大成功

今後に期待できる新しいロードレースの誕生となった

あとは日程だろうな

ただでさえ過密日程

そしてそこそこトップ選手も集めないと盛り上がらない

課題はまだまだたくさんある

しかしいろんな意見を取り入れてより面白いレースにしていって欲しい

個人的にはサガンのボーラにも参戦して欲しいな

フランスチームはASOとの関係があるので無理かな?

でもUCIが唾をつけてるだけに今後ヴェロン以外のチームも積極的に参加して欲しいな

 

 

今年のツール・ド・フランス

なんとJスポーツは全21ステージをスタートからゴールまで完全生中継

さすがにジロを取られた危機感からなのか

かなり本気を出してきた

もうすげえ楽しみだが

果たして俺は見ることが出来るのだろうか?

かなり厳しい7月になりそうだな

フランス人みたいに1ヶ月バカンス取りたいな

そして昨日からドーフィネも始まった

早速逃げ屋のデヘントがステージ勝利

今日はスプリントになるのか?

再び逃げが決まるのか?

新城、別府の日本人選手にも期待したい