鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

「スポートゾーン・リンブルフ」ハンマークライム、ハンマースプリント

いよいよ始まったハンマーシリーズ

まず第1戦は自転車大国オランダの「スポートゾーン・リンブルフ」

ちなみに2戦目は中国だそうだ

ロードレースのトップチームが集まり結成された組織ヴェロン初のレース

ハンマーシリーズ

UCI(国際自転車競技連盟)の管轄下ではないと言われていたのだが

蓋を開けてみれば、実際はUCIヨーロッパツアーにクラス2.1レースとして組み込まれての開催となった

これはやはり大人の事情が絡んだのだと想像される

どうしてもUCIとは手が切れないロードチーム

そして今後ハンマーシリーズが成功したときのために唾をつけておきたいUCI

そしてモビスタなどヴェロンに参加していないチームもレースには参加していた

この辺りも一応UCIのレースとして位置付けられたからだろうか?

ただ完全にUCIとの折り合いがついていないらしくUCI的にハンマーシリーズの名前は使用していないそうだ

あくまでオランダで開催されるチームタイムトライアル3連戦という位置付けらしい

実際のレースは1日目がハンマークライム

丘陵コースで行われるクライマーを対象にした「ハンマークライム」

2つの登り(長さ900m/平均4・2%と長さ2キロ/平均5・3%)を含む標高差162mの7km周回コースを11周する

レースはポイントレース形式で行われ、毎周回フィニッシュライン通過時の上位10名選手にポイントが与えられるシステムで3周目、7周目、11周目はポイントが2倍になる

ちなみに俺の行きつけのドラッグストアは水曜日と日曜日にポイントが5倍になる

チーム順位は合計ポイントで争われ、上位10チームには最終日の「ハンマーチェイスチームTT)」に向けて最大15秒のボーナスタイムが与えられる

言葉で書いていてもよくわからない

まぁとりあえずは見てみるしかないな

 

栗村さん曰く初日と2日目は予選で3日目のTTTが決勝

3日目のTTT上位8チームに残るためにハンマークライムとハンマースプリントを戦うと考えたほうが確かにわかりやすい

それぞれチーム単位でポイントを稼ぐ完全なるチーム対抗戦だ

コース距離が100キロ未満なこともありレース時間は約2時間と短い

見る側にも非常に優しいハンマーシリーズである

まず初日のハンマークライム

主催のヴェロンにしても中継するJスポーツにしても、そして視聴者の我々も嬉し恥ずかし初体験

お互いに手探り状態の観戦である

レース開始

中継画像のカメラワークが悪くて始まったのかパレードランなのかよくわからない

気がついたらレースはスタートしていた

歴史的な瞬間

このハンマーシリーズが成功したら「おじいちゃんはハンマーシリーズ

を開幕の時から見ていたんだよ」と孫たちに自慢できるかもしれない

「最初は今のように洗練されたレースではなかったんだよ」とか延々と昔話を何回も何回も同じことを繰り返し話すのかもしれない

Jスポーツの中継でも80代になられた栗村氏が付き添いの医療チームに血圧を監視されながら解説しているのかもしれない

そんな未来のためにハンマークライムは始まった

いきなり全開である

クイックステップ、BMC、ロットソウダルなどなど

とにかく全開だ

まるでマウンテンバイクやシクロクロスを見ているかのようだ

一週目で早くも選手たちが遅れ始める

その中には有力選手も多く含まれた

第2週目でだいたい先頭は固定される

7名ほどだろうか

BMC、スカイ、サンウェブ、クイックステップ、モビスタ、オリカ、NIPPO

サンウエブはジロを制したトムデュムランでモビスタはベタンクールだ

とにかくベタンクールが強い

強かった頃を彷彿させるような軽快な走りで3周目、4周目、5周目を連続で先頭通過してポイント争いで一歩リード

スカイのゲオゲガンハートは7週目のポイント倍ステージを取る

NIPPOのフィロージも単独で抜けだすなど積極的な走りを見せて着実にポイントを重ねていく

上位10名で得られるポイントは何故か小数点

この辺り、ハクション大魔王並みに数字に弱い俺には厳しい

しかしゲオゲガンハートは下りで落車

先頭争いからは交代して追走グループに入る

先頭では相変わらずベタンクール祭

8周目、9周目、10周目を連取してライバルチームに大きなポイント差をつけた

そして最周回もゲオゲガンハートなど追走集団から復帰するも最後までベタンクルール

この日トップでゴールラインを通過した

ここまで活躍すれば個人で表彰してあげたいぐらいだがハンマーシリーズはあくまでチーム対抗である

初日の結果は

1位 モビスタ

2位 サンウェブ

3位 スカイ

4位 オリカ

5位 BMC

6位 ニッポ

7位 クイックステップ

8位 ロットLNユンボ

9位 ロットソウダル

10位 キャノンデールとなった

 

とにかく最初からエンジン全開でほぼ一週目で勝負に絡む選手たちは絞られてしまった

これはこれで面白かったのだが、肝心のチーム戦の部分が全く出ていないレースとなった開幕戦

このあたりもこれから改善されていくんだろうな

 

そして2日目

ハンマースプリント

名前の通り、ど平坦コース

12・4kmで高低差47mと言うほぼ平坦なコースを8周回の98・2kmで争われる前日のハンマークライム同様に毎周回フィニッシュライン通過時の上位10名選手にポイント、2周目、5周目、8周目は2倍ポイントが与えられる

前日ほどではないがこの日も最初から全開

ただ平坦なんでメイン集団もそれほど遅れを取らずについていく

ユアンやガヴィリアなど有力スプリンターが活躍されるかと予想されたが各チームエーススプリンターを守るようなトレインは作れない

とにかく全体の動きが激しすぎてこの日も単独での攻撃が始まった

1週目はキャノンデールのセプファンマルクがポイント1位通過

ポイント倍デーの2週目にはトレック3週目はサンウエブが1位通過

昨日はポイントを稼げなかったチームがこの日はポイントを稼いでいく

この日もとにかく展開が激しい

誰が誰だかわからないままただチームだけを認識するレース

ユアンは落車でリタイヤ、ガヴィウリアも途中でリタイヤした

トレックが順調にポイントを重ねていく中で4週目にはスカイが10位以内に3人送り込んで一気にポイントを積み上げる

次の5週目ポイント倍デーもヴィヴィアー二がトップ通過で20ポイントを獲得した

この辺りでようやくスカイがチーム対抗戦らしい動きをチラッと見せかけたが、あくまでチラリで終わってしまい再び単独の打ち合い合戦が始まった

おっさんになるとチラリズムの良さは分かるのだがレースは別である

6週目オリカ、7週目NIPPOと、この日もNIPPOが大活躍

NIPPOの選手はついこの間までツアーオブジャパンを走っていたマルコ・カノラ

なんとツアーオブジャパン3勝を引っさげてのハンマシーリーズ参戦である

最後の8週目

7週目で逃げたキャノンデールNIPPOの戦い

結局キャノンデールのセプ・ファンマルクが1位通過

胸のチーム名をアピールしつつガッポーズは控えてのゴールとなった

ハンマーシリーズはチーム対抗戦

1位でゴールを通過した選手が表彰台に登るわけではないので寸前のところでガッポーズを控えたファンマルクも恥をかかなくて済んだ

ところがTVカメラはキャノンデールのファンマルクばかり映す

この日の優勝はトレックだというのに

この辺りも今後改善が必要であろう

みんな頭が混乱している

 

2日目 ハンマースプリント

1位 トレック

2位 ロットソウダル

3位 キャノンデール

4位 スカイ

5位 サンウェブ

6位 NIPPO

7位 ロットNLユンボ

8位 バーレンメリダ

9位 クイックステップ

10位 オリカ

 

 

1日目と2日目のポイントを加算して3日目のハンマーチェイスの出走順が決まる

 

1位 サンウエブ

2位 スカイ           +30秒

3位 ロットソウダル        59秒

4位 NIPPO            79秒

5位 モビスター          85秒

6位 キャノンデール       109秒

7位 オリカ           122秒

8位 トレック          129秒

 

それぞれのタイム差で出走する

果たしてどんなレースになるのか?

初めてのハンマーチェイス

今日はドーフィネとの合体放送

非常に楽しみである

優勝候補だと思っていたクイックステップやBMCが脱落

やはりこのタイム差だとスカイが有利かな?

オリカ、トレックがどこまで追い上げるか?

NIPPOは厳しいかな

でも頑張れ

 

今のところチームとしての戦いは皆無である

しかし今日は完全にチーム戦

そして初めてのハンマーシリーズが終わる

次の中国ステージへ向けていろいろと進化してほしいな

運営も戦術も

ちなみにヴィヴィアーニのパワーデータによると約2時間のレースで平均速度は49・4キロと超高速レースだったそうだ

一般のサイクリストのフルスプリントで2時間・・・

俺は犬に追いかけられた時に時速48キロ出したけど

やっぱりプロってとんでもないな

 

とりあえずは今日のハンマーチェイスである