鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

チ・ン・ピ・ラ

元女優の高樹沙耶大麻所持で逮捕された

そして俺の中学生高校生の頃の憧れの俳優の一人が柴田恭平である

この二人が出演していた映画が今回のタイトルの

「チ・ン・ピ・ラ」である

川島透監督の1984年の作品だ

主演は柴田恭平ジョニー大倉

そしてヒロイン役に高樹沙耶石田えりがでていた

もう思春期を迎えた男子にはいろんな意味でたまらない構成である

事実としてあの当時の俺たちはある意味でかなり高樹沙耶容疑者にお世話になっていた

映画の詳しい内容はあえて書かないでおくが

80年代の渋谷の街で組織に属さず自由に楽しく過ごす若者達の話である

当時はTVでもかなり再放送されて俺たちはすっかり台詞も覚えてしまうほどだった

今でも映画を見れば台詞は自然と出て来るのだ

俺の好きな映画のTOP3に入る映画

そんなチンピラであるが長い間ビデオもDVDも発売されていなかったのである

噂によればフィルムが行方不明だとか権利の問題だとか言われていたが真相は分からない

そしてようやくDVDが2010年にデジタルリマスターされて発売された

俺は直ぐに購入した

そして高樹沙耶の逮捕

俺は気になってアマゾンで調べてみた

新品は売られていない

中古が二つ出ているが17000円

これだから困る

今回は購入済みだったので助かったがあんな名作がお蔵入りになるのは残念でならない

俺たちが憧れた世界

東京という大都会でアメ車を乗り回し良い女を抱いてどこまでも自由に暮らす

俺は田舎町でアメ車に乗ると言う夢だけは実現したが

高樹沙耶級の女どころかアメ車に乗っていると女が全く寄り付かないありさまで

言い寄って来るのは暴走族と蚊だけであった

俺は暴走族が嫌いである

それはうるさいからだが

本当に蚊も暴走族もうっとおしいだけでしかなかった

あの当時は湘南爆走族など暴走族ブーム

江口洋介も紫色のリーゼント

織田裕二でさえ三色のメッシュを入れたリーゼントであった

正直湘南爆走族の漫画は大好きであったのだが

今はチンピラの話である

実際の話ではアメ車に乗っていると怖がられて女が寄って来ない

当時は所ジョージがアメ車ブームの牽引役であったのにも関わらず

映画の中では高樹沙耶と彼氏が暴走族に囲まれているところに

柴田恭平ジョニー大倉が74年式のカマロで颯爽と登場

天に向けて拳銃を一発

黙り込む暴走族

暴走族のリーダーと高樹沙耶カップルを保護して車に乗せる

途中で高樹沙耶の彼氏に電話をかけて来た方が良いと言って車外に置き去りにする

そして暴走族のリーダーの家に行き車を壊された損害賠償の交渉

その後で高樹沙耶柴田恭平のアパートへ

たのしく飲みながら談笑する3人

突然ジャンケンをする柴田恭平ジョニー大倉

ジョニーが勝つといきなり高樹沙耶を押し倒す

抵抗する高樹沙耶

そこにジョニーへ石田えりから電話がかかる

石田えりジョニー大倉の彼女なのだ

渋々ジョニーは石田えりの元へ

そして残された二人

柴田恭平高樹沙耶が見事な脱ぎっぷりで濡れ場を演じるのである

あの当時あれだけかわいいお姉さんだった高樹沙耶がすっかり普通のおばちゃんになっていて俺は大変ショックを受けた

そしてあの映画の中でも高樹沙耶は薬物に手を出すのである

柴田恭平が預かっていた覚醒剤に寂しさからついつい手を出してしまう

そして柴田恭平にぼこぼこに殴られ蹴られるのだ

それなのに今度は大麻である

本当に残念だ道夫(ジョニー大倉)も草葉の陰から泣いているであろう

俺はみっちゃんは絶対に死なないと信じていたんだが

ジョニーも死んでしまった

今でもはっきりと聞こえてくる洋一(柴田恭平)の声が

「みっちゃん・・もういいんだよ・・・」

「道夫ぉおおおおお!!」

「もういいって言ってんだろうが!置いて行くぞこの野郎」

「起きてくれよ・・・みっちゃん・・・」

だいたいこんな感じのクライマックスシーン

俺の記憶だけで書いているので細かい部分は間違っているだろうが

 

なんかもう俺は本当に悔しいのだ

こんな面白い映画が幻となるのが

なんで大麻なんかやるんだよバカヤロウ!!

 

 

 


『チ・ン・ピ・ラ』