東京の話03
基本的には俺は東京ではエリアを決めてとにかく歩くだけである
歩いて写真を撮り
腹が減ったら適当に食べる
下調べもろくにしないでとにかく歩く
狭い路地など大好物だ
その中でここだけは行って見たいと思って計画を立てて訪れた場所が何カ所かある
その中の1つが夏目漱石が住んでた場所である
つまり夏目漱石が住んでた家が建っていた跡地
当然のことながら今は無い
俺はどうしてもこの場所へ行って見たくて東京旅の谷根千歩きの時に下調べをしてねじ込んだのだ
この谷根千は荒木経惟、荒木陽子夫妻の「東京日和」を巡る旅でもあるのだが
俺の大好きな本である
若くして病気で亡くなった陽子さんのエッセイとその後の荒木さんの日記と陽子さんとの思いでの場所を歩いた写真集で構成されている。本当なら陽子さんのエッセイのみの本になるはずであったのだが僅か三回の連載で病気療養の為に中止となってしまった幻のエッセイを書籍化した本である
そして俺はぶらぶらと気ままに歩きながらまずは芋坂にある羽二重団子を目指した
ここは夏目漱石をはじめとする文豪達が愛した団子屋さんである
店内である。持ち帰りがメインの店だが庭を眺めながら店内で食べる事も出来る
団子は焼と言われる醤油味の団子とあんこの2種類
1本270円
そしてなんと店内で酒まで飲めるのだ
俺は通ぶって焼で日本酒を飲み
あんこでお茶を飲んだ
団子というにはあまりにもきめ細やかだ
俺の中で団子の価値観が変わった瞬間でもある
こんなにうまい団子があったとは・・・
俺が今まで食べてきた団子とは同じ土俵で語れないほどの一品に仕上がっている
さすがに1本270円
伊達じゃないぜ
俺は夏目漱石が愛したこの団子を
「我輩は猫である」を読みながら食べた
とにかく美味かった
そして俺はほろ酔いで芋坂を登り
根津神社を目指した
伏見稲荷の千本鳥居ぽい場所を抜けると本殿があった
俺は本殿で日頃の感謝の気持を神様に伝えてお礼をした
神社の前には大きな病院がありその病院の裏の道を歩いて行くと
その場所はあった
夏目漱石旧居跡
今となっては当時の面影はなんにもないがちゃんと石碑は建てられていた
そして塀の上には猫が歩いている
そうこの場所で日本文学を代表する名作
「我輩は猫である」が書かれたのである
かつてこの場所に夏目漱石が・・・
俺は感動に震えたのだ
そしてかつてこの場所に建っていた建物を思い浮かべた
この家がかつてこの場所に建っていた家なのである
しかも室内にも入れる状態で
俺はそんな明治村が大好きである
が明治村の話はまた別の機会にでも
そしてこの家には夏目漱石が住む前にはなんと森鴎外が住んでいたのだ
日本を代表する二人の文豪
かつてこの家が建っていた場所で俺はひとり明治時代を妄想するのであった
これが東京でどうしても訪れたかった場所のひとつである
そこは観光客など誰もいない
住宅地にひっそりと立つ石碑があるだけだが
俺はこの場所が大好きだ
今日の東京の話はここまで
また次回
今日の夜から台風だ
おそらく明日の早朝には抜けると思うが
日本人は暴風雨でも無理して会社に行こうとする
命を落とす危険性もあるのに
でも決して無理はしないで欲しい
適切な状況判断
大事です