東京の話02
食べ物の話の続きである
だいたい夜は水口で食べて飲んでるのだが一食ぐらいは贅沢をしようという事で池波正太郎馴染みの店巡りをする
なかなか東京まで行けないので池波巡りは本店ではなく地元にある支店の方が多いのだが
東京で食べたのは銀座の煉瓦亭である
ここでポークカツレツを頼んだ。池波正太郎も好んだポークカツレツ。トンカツでは無くポークカツレツなのである
俺が行った時は開店前から既に行列ができていた。行列嫌いの俺も並ばずにはいられない店。それが煉瓦亭である。俺はこういった老舗の洋食屋が大好きなのだ
メニューを見れば食べたい物だらけで決められない
なので最初から決めていたポークカツレツでビールを2本と
贅沢である
ライスは頼まない。ポークカツレツを摘みながら酒を飲む
しかも平日の昼間に
俺はこの至福の時間がとても好きなのである
開店と同時に俺は店内に案内されてテーブルに付きポークカツレツを注文
確か出来上がりまで1時間ほどかかるみたいで俺はサッポロのラガーをゆっくりと飲みながら鬼平犯科帳を読んだ
そしていよいよポークカツレツの登場である
トンカツよりうすく仕上げてあるポークカツレツ
これが美味いのだ
ウスターソースをどばどばかけて食べる
なぜだろう?始めて食べるのに懐かしい気がしてしまう
池波先生のように2枚ほどぺろりと行きたいところだが懐の淋しい俺には無理
俺はじっくりと味わうように食べるのであった
2杯目のビールはギネスである
黒ビールと肉の相性は抜群だ
ごちそうさま
旅の時ぐらいしかできないような昼飲みであった
そしてこの煉瓦亭のお隣はカツカレー発祥の店
このときより数年前、俺が一番最初に煉瓦亭に訪れたとき店が休みだったので隣のこの店で食べたのだが
この店のカツカレーも美味かった
俺は老舗と言う響きに弱いのである
銀座だと若い頃はとにかくガッツリ系で道場六三郎絶賛のとんかつの梅林でスペシャルカツ丼を食べていた。このカツ丼も絶品である。上に乗っている半熟タマゴがたまらないカツ丼なのだ。しかし年を取るとだんだんカツ丼は辛くなってくる
池波正太郎先生も言っていた言葉ではあるが年を取ると美味い物が沢山食べれなくなるのがツライと
本当にそう思う。あれも食べたいこれも食べたい
しかしカロリーを計算すると恐ろしい事になる
俺は悔しくてたまらないのである
あとはもう一件
どじょうの店
東京では「どぜう」と表記した方が良いのかもしれない
深川高橋の「伊せ喜」である
残念なことにこの店はもう閉店になってしまったみたいではあるが
ここでどぜうのまる鍋と鰻の白焼きを食べた
酒は当然ながら菊正宗である
幸せだったなぁ
見た目はグロテスクだが全く臭みもなく柔らかなどぜうは最高に美味い
いくらでも食べれるが相変わらず俺の懐は淋しい
これで5000円ぐらいだったかな?
この後に水口でポテサラでビールを飲んだ覚えがある
どぜうだと同じく池波正太郎御用達の店で浅草の駒形どぜうも人気店である
いつかここも行って見たい
同じ浅草だとうなぎの前川も是非生きたい店だが近年うなぎは高くなりすぎてしまった
浅草の洋食屋の「アリゾナキッチン」
ここは永井荷風の御用達。ここも行きたい店
池波正太郎が好んだ洋食屋は煉瓦亭以外だと日本橋のたいめいけん、銀座の資生堂パーラーも有名だが資生堂パーラーは名古屋でも食べられる
銀座だとうなぎの竹葉亭も池波正太郎御用達である
後は林芙美子の小説にも
そんな竹葉亭だが、ここで板わさやう巻きで熱燗一本。白焼きでまた一本飲んで〆に鯛茶漬け
これが池波流である
名古屋の竹葉亭で俺も真似をした事がある
蕎麦は神田のまつや
俺はここでは食べた事は無いが地元にまつやで修行をした人の店があるのでその店で食べている
同じく神田には甘味の「竹むら」も池波御用達の人気店。最近ではアニメにも登場するらしくまた違った客層も増えてるそうだが
ここの粟ぜんざいが池波のお気に入りだそうだ
こうやって書いていると無性に食べに行きたくなる
あぁ東京人がうらやましい
と今日はここまで
無性に酒が飲みたくなってきた
ではさようなら