鯖棒亭日乗(下)

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2018年 奈良冬の旅05

2018年の奈良冬の旅05

奈良ホテルをチェックアウトしてJR奈良駅へと向かった

法隆寺に行くには幾つかの交通機関があるそうだがどれが一番早く行けるのか?

調べる気にもなれずにJRで行くことにした

クソ重たいバックパックはコインロッカーに押し込んだ

御朱印帳、タブレット、手帳に折り畳み傘、カメラと最低限の装備でJRに乗車した

すでにホームで電車は待機していたのでJR法隆寺駅までは10分ほどで到着した

しかしここからどうするか?

法隆寺駅と名乗っているとはいえ駅から法隆寺は遠い

徒歩だと20分ぐらいだろうか?

距離にして1・6キロだ

バスもレンタルサイクルもあるが俺は徒歩を選択した

バスの本数は少ない

天気は小雨がぱらついている

傘がないわけじゃないが

俺はフードをかぶり冬の雨の中をひたすら歩いた

頭の中では「氷雨」が流れ出す

佳山明生日野美歌

子供の頃に興味もなく聞いていた曲なのに完璧に歌詞を覚えている

やはり演歌というのは日本人のDNAに組み込まれているのだろうか?

最近のエグザイルとか3代目とかのヒット曲は全く頭の中に入ってこない

サビのメロディーすら覚えることができないというのに

冬の雨とはいえ歩いていると体がポカポカしてくる

今のアウトドアの服は優秀だ

ペラペラのにしとかないと暑すぎて街中では着られない

インナーで調整するぐらいがちょうど良い

法隆寺まではほぼ一本道

途中途中には看板があるので迷うことはない

しかも親切に残り距離まで書いてある

俺は途中でドラッグストアに寄った

トイレを拝借したかったからだ

トイレを済ませた俺は店内で一番安い水を一本購入した

サービスで栄養ドリンクをもらった

突き当たりの信号を左折

すぐにバスターミナルが現れる

そしてそこからすぐに法隆寺の参道だ

とは言っても参道は少々距離がある

両側にはお土産屋併設の飲食店が立ち並ぶ

まさに観光地

「こんなんだったかなぁ?」

全く記憶がない

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せっかくなんで真ん中の参道を歩いた

人は誰も歩いていない

とても静かだ

奈良自体、春日大社東大寺興福寺以外は非常に静かだ

逆にメジャー神社仏閣が観光客を集客してくれるおかげで俺は国宝重文を貸切状態で堪能できるというわけだ

とは言ってもここ法隆寺もメジャー級だ

何と言っても日本で最初の世界遺産

現存する世界最古の木造建築物群だ

修学旅行でも絶対に外せないスポットだろう

事実、俺も小学生の時に修学旅行で訪れている

しかしいくら記憶を辿っても取り出せないのだ

法隆寺と書いてある引き出しから

当時の奈良での記憶は猿沢池のお土産屋と大仏しかない

やはり小学生に京都奈良は早すぎるんだろうな

中学生、高校生になっても建物より片思いの女の子の姿ばかり見てたりするしな

そんなことを考えながら俺は真っ直ぐ真っ直ぐと南大門へ歩いていく

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さすが法隆寺

風格があるな

「ん?奥の建物が工事中じゃないか・・・」

京都もそうだが修繕ラッシュだな

こんな状況で名古屋城の木造復元とか間に合うのだろうか?

宮大工は電ノコとインパクトだけでは建物は作れない

昔、通りすがりの宮大工の棟梁に甚く気に入られた俺は自宅に招待されいろんな話を聞かせてもらったことを思い出した

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南大門をくぐる

「うわぁ、でけえ」

法隆寺は俺の予想をはるかに上回る規模で俺を向かい入れた

「こんなに大きかったとは・・」

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現代に作られた石碑の字すらすでに見にくくなってるじゃないか

でも足場が残念だな

どうやら修復中なのは中門みたいだ

今年完成するらしい

これは「また来いや」ってことだろうな

俺は参拝券を1500円で購入した

法隆寺は確か一気に500円値上げしたはずだ

以前は1000円だったのか

それは安すぎるな

1500円ぐらいがちょうど良い

1500円で3つのエリアを回れるしな

西院伽藍

大宝蔵院

東院伽藍

この3つで1500円

一カ所当たり500円だからな妥当な金額といえば金額だ

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法隆寺は「聖徳宗」の総本山

607年に創建され、古代寺院の姿を現在に伝える仏教施設

そして何と言っても聖徳太子ゆかりの寺院である

宗派名からして「聖徳」だからな

最近では聖徳太子は存在しなかったとか言われているが

ここにきたら認めざるおえない

1万円札にもなった人だしな

境内の広さは約18万7千平方メートル

西院伽藍が現存する世界最古の木造建築物群なんだそうだ

ちなみに五重塔や金堂がある方が西院伽藍

夢殿がある方が東院伽藍である

写真は大講堂

ここも東大寺などと同じくど真ん中に参道があり灯篭が聳え立っている

925年に焼失し、正暦元年990年にほぼ元の規模と同じ大きさで再建されたそうだ

もちろん国宝である

中におられる方は薬師三尊

薬師如来をセンターに両脇に日光、月光を従える

当然国宝だ

その周りは四天王が守る

それぞれが担当する方角があるのが四天王だ

東は持国天の担当エリア

南が増長天の担当エリア

西が広目天の担当エリア

北が多聞天の担当エリアだ

ちなみに多聞天は四天王としてグループで活動するときの名称で

単独で祀られるソロ活動の時は「毘沙門天」と名前を変えるのだ

芸能人でもたまにいるしな

四天王の方々は重文である

それにしても人がいない

超メジャー級の法隆寺でさえこの有様とは・・・

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五重塔

かなりかっこいい五重塔

もちろん国宝で木造としては世界最古だ

他の寺となんか違うな?と思ったら屋根の大きさが違うらしい

それぞれの階層の大きさの差がかなりあるそうで

最上階の屋根は初層の半分の面積しかないという

そして塔身も上にいくにつれて細くなっていく

この差が絶妙なバランス感となり美しい姿を見せてくれてるのだ

中は暗くてよくわからないが、それぞれの四方を

文殊菩薩維摩居士の問答

釈迦の涅槃

分舎利(釈尊の遺骨の分配)

弥勒の浄土

と、それぞれの像によって仏の世界が再現されてるみたいだ

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次は金堂だ

ご本尊を安置する法隆寺において最も聖なる場所だ

五重塔の横にある

ここには何と言っても聖徳太子のために作られた

飛鳥時代の金銅釈迦三尊像がある

飛鳥時代の特徴でもある面長の仏像たちだ

細身なスタイルで手足は長い

まるでモデルのようなとても綺麗なお釈迦様

運がいいことに1月7日から金堂修正会と言う行事がある

そのためにこの日は普段ならお釈迦様の前面に張り巡らされてる金網が撤去されていたのだ

これは滅多にないことだそうで、俺はお釈迦様を間近ではっきりと拝観することができたのだ

これも俺の日頃の行いがいいからに違いない

前日にも元興寺で幼少の頃の聖徳太子像に挨拶して今日法隆寺を訪れることを伝えておいたのもあるんだろうな

さすがに金網がないとよく見える

見えすぎちゃって困るほど見える

俺は存分にお釈迦様を拝観させていただいた

「やはり来てよかったな」

そしてこれも最高の「贅」であり、今回の俺の旅のテーマでもあるのだ

毎年のことながら俺はいい旅をする

自画自賛である

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俺は西院伽藍の外に出た

そして隣にある聖霊院で西院伽藍の御朱印を頂いた

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ここが聖霊

昔の僧坊、お坊さんの住居である

今はここに聖徳太子の尊像が安置されている

鎌倉時代の国宝の建物だが

ここで西院伽藍と夢殿の御朱印がもらえる

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三経院 西室

聖徳太子勝鬘経維摩経法華経の三つの経典を注釈された『三経義疏』にちなんで付けられた名称で、西室の南端部を改造して建てらた

鎌倉時代の建物で国宝だがほとんどの人はスルーしていく

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北西の端に少し小高い場所がある

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西円堂

八角円堂だ

養老2年(718)に光明皇后の母、橘夫人の発願によって、行基菩薩が建立したという伝承があるそうだ

現在の建物は建長2年(1250)に再建されたもので国宝だ

凝灰岩の礎石や二重の須弥壇天平期の名残りが見れるそうだ

堂内では中央に薬師如来

その薬師如来を取り囲むように十二神将

東面には千手観音像、北面には不動明王像が安置されている

俺は順番に中を見て回った

北を覗いた

「おっ お不動さん」

俺は不動明王真言を唱えた

顔はよく見えないが光背が確実に江戸だ

強風によって炎が煽られている

その炎をみれば時代がわかりやすいのが不動明王である

法隆寺に江戸の仏像は結構珍しいな」

一般的に江戸時代といえば古いというイメージだが仏像の世界で江戸時代は

「かなり・・・新しいな・・」となるのだ

ここの隣に小さな小屋がありそこで西円堂の御朱印がもらえるので忘れないように注意が必要だ

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西円堂から石段を降りて大宝蔵院を目指す

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網封蔵

寺宝を保管するための蔵

この蔵は「双倉」といわれる様式の建物でもともと正倉院と同じ勅封の蔵であったが、諸寺を管理する「僧綱所」に蔵の開閉が委ねられたことから、網が封じるで網封蔵と呼ばれているそうだ

平安時代で国宝である

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食堂

「しょくどう」ではなく「じきどう」と読む

まぁ用途としてはお坊さんが食事をする「しょくどう」なのだが

もともと政所という法隆寺の寺務所だったのが平安時代に入って、僧が食事をする食堂(じきどう)として使われるようになったそうだ

食堂の南側にある細殿と軒を接して建っていることから「双堂」とよばれる奈良時代の建築様式

奈良時代で国宝だ

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食堂の裏に大宝蔵院がある

いわゆる宝物庫

ここの目玉は百済観音だ

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その百済観音が安置されてる場所には「補陀落」の扁額が

補陀落とは観音菩薩が降臨するという伝説上の山である

このように外から見ても

「あそこに百済観音がおられるんだな」とわかるようになっている

おそらくあのドアから出入りして美術館や博物館へ移動する

大宝蔵院の中はお宝満載

「玉虫厨子か」

「そういえば学校で習ったな」

「ん?」

「この目の前のでかいやつが玉虫厨子?」

「こ、こんなにでかかったとは・・・」

おそらく小学生の時の俺も見てるはずだ

しかし全く記憶になかった

知らない間にUFOに連れ込まれて宇宙人に記憶を消されたのかも知れないな

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次は夢殿へ向かう

結構雨が降ってきた

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夢殿までも遠い

雨の中での移動は寒い

そして腹が減った

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ここが夢殿の入り口

東院伽藍である

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ここが夢殿

聖徳太子斑鳩の宮の跡

朝廷の信任厚かった高僧行信が宮跡の荒廃ぶりを嘆いて太子供養の伽藍の建立を発願

天平20年(748)に聖霊会を始行したとされる太子信仰の聖地だ

夢殿は東院の本堂

天平創建の建築だが鎌倉期の寛喜2年(1230)に大改造

高さや軒の出、組み物などが大きく改変

しかし古材から天平の姿に復元することもできるほど古様を残しているそうだ
奈良時代で国宝

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絵殿と舎利殿

向かって右側が舎利殿で左側が絵殿

舎利殿聖徳太子が2才の春に東に向って合掌され、「南無仏」と唱えたそうだが

その時の掌中から出現したという舎利(釈迦の遺骨)を安置する建物

つまりこの中にお釈迦様の骨があり

その骨は2歳時の聖徳太子の手の中から出現したのだ

絵殿には聖徳太子一代の事跡を描いた障子絵が納められている

鎌倉時代で重文

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ここ夢殿の御朱印は先ほど御朱印を頂いた聖霊院でもらえる

「最初から言ってくれよ」

俺は夢殿の御朱印は後回しにして

夢殿とつながっている中宮寺を目指した

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中宮寺

尼寺である

中宮寺聖徳太子の御母穴穂部間人皇后の御願によって、太子の宮居斑鳩宮を中央にして、西の法隆寺と対照的な位置に創建された寺だ

この中宮寺は何と言っても飛鳥時代の彫刻の最高傑作

国宝菩薩半跏像(寺伝如意輪観音)が本堂に祀られている

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ここは多分車寄せだな

ここから偉い人が出入りするような気がするが、あくまで俺の憶測である

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本堂はこのように池の中に立っている

この本堂に飛鳥時代最高傑作の半跏思惟、または如意輪観音

本当に綺麗な姿で我々を迎え、そして助けてくれるのだ

半跏の姿勢で左の足を垂れ、右の足を膝の上に置き、右手を曲げて、その指先きをほのかに頬に触れんばかりの優美な造形

いかにも人間の救いをいかにせんと思惟される清純な気品をたたえている

また国際美術史学者間では、この像の顔の優しさを評して、数少い「古典的微笑(アルカイックスマイル)」の典型として高く評価

エジプトのスフィンクス

レオナルド・ダ・ヴィンチ作のモナリザ

と並んで「世界の三つの微笑像」とも呼ばれている

奈良に来たら絶対に見るべき仏像の一つだ

あとは日本最古の刺繍遺品として知られる「天寿国曼荼羅繍帳」も所有しているが劣化が激しく本物は奈良国立博物館に寄託してあり現在中宮寺に展示してあるのはレプリカである

俺は中宮寺を出て夢殿の御朱印をもらうために再び聖霊院へ

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御朱印をコンプリートした俺は法隆寺を後にして昼飯を食べに参道のお店を探した

雨が結構降っている

寒い

俺はガイドブックで見かけるうどん屋を見つけた

志むら

やはり関西に来たらうどんだな

ここは確か梅のうどんが有名だが、ずぶ濡れで凍えそうな俺は鍋焼きうどんにした

f:id:sababou:20180110140413j:plain昼12時回っているが客は俺一人

後から3人入ってきたが

やはり法隆寺自体暇なんだな

鍋焼きうどん

揚げの裏には卵が隠れている

熱々で良い出汁が出ている

心も体もポカポカになる

さてどうするかな?

予定としてはこの後「法輪寺」と「法起寺」だが

いかんせんこの雨だ

俺は店を出てバス停へと向かった

バスの本数は少ない

できることなら亀井勝一郎氏のように歩いていきた

でも雨だ

寒い

俺はここで英断した

また天気が良い時にこよう

法輪寺亀井勝一郎氏のお気に入りの寺だし

俺は法隆寺駅行きのバスの時刻表を見た

「ダメダ、出た後だ」

俺は雨の中、JR法隆寺駅まで歩き出した

 

 

 

奈良駅に到着

荷物を出し、再びクソ重たいバックパックを背負う

「なんで一泊なのにこんなに重たいのか?」

自転車用のバックパックだしな

もっと軽いやつが欲しいな

俺はとりあえず京都を目指した

京都駅で下車して伊勢丹へと向かう

目指すは地下にある「とり松」

鯖のおぼろがたっぷり2段に入った「ばらずし」が俺の御目当てだ

すると見たことがない、ばらずしがある

どうやら紫蘇入りの爽やかな「ばらずし」らしい

値段は同じだ

俺は試しに青を購入した

 

電車バスを乗り継ぎ夕方には帰宅

夕食としてばらずしを食べた

ノーマルばらずしはグリンピースなところこちらは枝豆である

大人気の定番もいいが青も

やはり美味い

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俺は今回の奈良冬の旅を総括しながら、ばらずしを食べた

予定通りとはいかない部分もあったが概ね満足な旅であった

また1年頑張らないとな

 

俺は2018年の奈良冬の旅を京都のばらずしで締めたのであった

 

 

2018年 奈良冬の旅04

2018年の奈良冬の旅04

前日は福智院、新薬師寺、白毫寺、元興寺と周り

夜は花菊で1万円のコースを食べて日本酒2合

そのあとで奈良ホテルのバーでカクテル3杯飲んだ

俺は毎回旅するときにテーマを決めるのだが

今回の旅のテーマは「贅」

これは単純にお金をかける意味合いもあるが、仏教美術など堪能する文化的な贅沢の意味も含まれている

お金をかけると言っても俺は貧乏な一般市民である

普段は昼食としての半額の菓子パンをお年寄りと競うようにして購入しては年に一度の旅に備えているような人間だ

お金をかけると言っても限界はある

近年お寺の拝観料の値上げラッシュが続いてることもあり拝観料や御朱印、お寺グッズの購入費だけでも相当な金額となる

俺の場合はまだ一人旅なので問題はないのだが

仮に俺に美人でスタイル抜群で気立てのいい嫁さんと可愛い子供達がいたら一体どんだけ旅行に金がかかるんだ?といつも思う

単純に計算しても3倍ぐらい予算が必要になるのでは?

まぁそんな心配は全くしなくていいのではあるが

前日はバーで閉店時間まで飲んでいたので部屋に帰り

亀井勝一郎法隆寺中宮寺あたりのページを読み直し就寝した

普段は夜9時には寝る健全な生活をする俺も旅に出た時は乱れるのだ

大晦日から正月三ヶ日にかけて俺は孤独であった

誰とも会わず言葉もアイフォンXに対してしか発していなかった

その反動からかバーで飲んだ時は楽しくて仕方がなかった

あの時間も確かに「贅」な時間であった

人間やはり言葉を発しないとダメだなとつくづく思った

飲んでる時にはインスタのフォロワーが次々と入る

しかしそれは本当の意味での繋がりではないのかもしれない

俺のフォロワーは9割以上が外人なので彼らが何を求めて俺のインスタを見てるのかは分からない

これは多分俺の世界戦略が順調だということだとは思うのだが

そのためにも俺は明日、法隆寺へ向かわなければならないのだ

 

前日の夜更かしもなんのその俺は朝5時に起床した

早速シャワーを浴びる

ついついBOOWYのNO.NYを口ずさんでしまう

テレビをつける

早朝なので音量を絞る

フジテレビは何チャンネルだ?

今日も朝からお天気お姉さんの胸元をぼっと眺めてみる

外はまだ暗い

庭は見えないが窓を開けてみる

小雪がちらついてるようだ

朝食まではまだ時間がある

ビジネスホテルなら自販機へ缶コーヒーを買いに行くところだが、あいにく奈良ホテルに自販機はない

備え付けのインスタントコーヒーは300円だ

俺は無料のお茶を飲んだ

とりあえず法隆寺情報をチェックだ

修学旅行で一度訪れてはいるが全く記憶にない

どんな建物で何があったのか?

さっぱり覚えていない

俺は一体あの時何を考えていたのか?

友達とふざけあってただけだったんだろうな

ちなみにこの時点で俺の持つ法隆寺の情報は「聖徳太子」だけである

ガイドブックにもそれほど情報は出ていない

やはり亀井さんの本が一番詳しい

改めて読んで見たがいかんせん頭の中に入ってこない

まぁいい

とりあえずは飯だ

俺は荷物を整理して部屋を出た

朝の7時だというのに朝食会場はそこそこ人がいる

見渡す限りお年寄りの方ばかりだ

さすがに若い世代はまだ起きてこないのだろうな

奈良ホテルの朝食は3種類

和が2種類

洋が1種類

和の違いはご飯ものが茶粥か白飯かだけである

値段は共通で2851円

俺は特別に1500円で食べれるプランで申し込んであった

俺は和の茶粥定食にした

奈良に泊まるといつも茶粥は食べる

高野山なんかでも朝食に茶粥が出たりする

しかし俺は今まで茶粥が美味しいと思ったことはない

でもなぜか奈良に来ると茶粥を食べたくなってしまうのだ

テーブルに着くとすぐに運ばれてくる

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奈良ホテルの焼印がされた木の蓋つきで茶粥は運ばれてくる

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これが奈良ホテルの朝食の全貌だ

王道の和食

旅に出た時しか食べられない代物だ

俺はワクワクした

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メインでもある茶粥

緑色のものが振りかけてあるが、おそらく緑茶だな

ほうじ茶の茶粥が多い中で奈良ホテルの茶粥は緑茶である

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味噌汁は赤い

浮かんでいるのは湯葉か?

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早く食べたい気持ちで焦りすぎてブレてるな

アイフォンXは手振れ補正があるはずなのに

どんだけ俺焦ってるのか?

ブリの照り焼き

出し巻き卵

はじかみ

ダメダ

俺の好物ばかりじゃないか

朝だが酒のみてぇ

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左から胡麻豆腐、焚き合わせ、おひたし

これもまた俺の好きなものばかりである

焚き合わせにある赤いやつは梅干しでなく赤こんにゃくだな

昨日学習した

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漬物は3種

とても美味そうな漬物だ

まぁ実際に美味いのだが

奈良漬は奈良ホテルオリジナルでお土産として買える

比較的軽めの奈良漬だがしっかりとこくがある奈良漬だ

よくありがちな単に味が薄いだけの奈良漬ではなく

食べやすいのにしっかりした味がある

とても良い奈良漬だ

思いっきり濃厚な奈良漬が好きな俺も満足できる

そして奈良漬が苦手な人も満足できることであろう

まさに二刀流

奈良漬界の大谷翔平だな

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梅干しと塩昆布は食べ放題

これも売店で買える

一体何個食べたか覚えてないぐらいばくばく食べてしまった

茶粥はおかわりOKだ

やはり茶粥も俺が今まで食べてきたものとは一味も二味も違う

米やお茶などの素材の良さもあるだろうが炊き方なんだろうなぁ

白飯もとんでもない美味さだったしな

あれならおかずなんていらない

塩むすびにして食べたらさぞかし美味いんだろうな

塩むすび定食も出して欲しいな

人生で初めて茶粥が美味いと思った俺はおかわりした

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2杯目は味を変えた

梅干しと塩昆布をぶち込んだ

この他には醤油をぶち込む手もある

塩昆布が良い具合に溶け込んで味に変化をもたらした

シンプルイズベストだった味から昆布の旨味が加わった

インターバルで梅干しを食べながら茶粥をハフハフ

これが奈良だな

とは言っても現代の奈良在住の人は茶粥は食べないだろうが

味は全体的に薄味だ

昨日の夕餉が割としっかりした味付けだっただけに

朝は比較的あっさり目にしてあるのかもしれないな

でもそれが優しい

素材が良いからちゃんと美味いし

調理も抜群だ

朝から贅沢をしてしまったな

ここでも旅のテーマの「贅」を堪能した

ごちそうさまでした

 

俺は帰りに開いたばかりの売店で奈良漬とフルーツケーキを土産用に購入した

そして自分用に「奈良ホテルトートバッグ」も購入

仕事で使うものぶち込んで持ち運ぶのにちょうど良い

着替えも入りそうだしな

俺は部屋に戻り

名残り惜しみながらもチェックアウトした

「また来るからな」

俺はクソ重たいバックパックを背負い

一路奈良駅を目指した

出る前にトイレをすましたにもかかわらず猿沢池のあたりで再びトイレに行きたくなる

「今日はかなり冷えるな」

俺は公衆トイレに駆け込んだ

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でも猿沢池って歴史的なものとかあるのかな?

調べてみた

どうやら人工池らしい

歴史は古く天平21年(749年)に興福寺が行う宗教儀式の「放生会」の放生池として作られたそうだ

放生会とは、万物の生命をいつくしみ、捕らえられた生き物を野に放つ宗教儀式

人工的に池を作りここに生き物を放流してたんだな

でもその前に捕らえてしまうって言うのは仏教的にどうなんだろう?

そして猿沢池には7不思議がある

  • 澄まず
  • 濁らず
  • 出ず
  • 入らず
  • 蛙はわかず
  • 藻は生えず
  • 魚が七分に水三分

水の出入り口がないのに水量は一定

亀はたくさんいるが、なぜか蛙はいない

なぜか藻も生えない

決して澄むことなくまたひどく濁ることもない

毎年大量の魚を放流するのに魚の数も一定だという

いつもなんの関心もなく通り過ぎてたけど不思議な池なんだな

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今回は訪れなかった興福寺五重塔

「今度行くからな」

俺は一路JR奈良駅を目指した

コインロッカーに荷物を押し込み

必要なものだけ装備して法隆寺駅へと向かった

 

 

つづく

 

2018年 奈良冬の旅03

2018年の奈良冬の旅03

奈良ホテル内の日本料理「花菊」で素晴らしい料理を堪能した俺は再び奈良ホテル散策へと出かけた

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ロビーの2階に登ってみた

ふと天井を見上げてみる

「こ、これは織り上げ格天井!」

書院建築や寺社建築で見られる手間をかけた豪華な仕上げ

天井を一段高くすることで他と差別化する

つまり1番偉い人が過ごす部屋に使われることが多いのだ

さすが奈良ホテル

皇室をはじめ世界中から国王や大統領などVIPが滞在するホテルだ

しかも俺が宿泊した新館は普通の洋室なのだが寝室部分のみ1段天井が高くしてあるのだ

気分的に偉くなったような気がする簡易的な洋風織り上げ格天井なのである

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写真に写ってるのはオードリー・ヘップバーン

「ん?この撮影場所はこのロビーの上だぞ」

「アランドロンも来てるんだな」

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俺は先ほどのオードリー・ヘプバーンが記念撮影した場所と同じところに立ってみた

ちょっとドキドキ

この場所にオードリー・ヘプバーンが立ってたのかと思うと非常に感慨深い

「奈良の休日」に「奈良ホテルで朝食を」

鳳啓介でもすげえと思うのにヘプバーンだからな

俺の中で世界3大美人の一人でもあるのだ

昔、名古屋のティファニーの前で朝食としてコンビニのおにぎりを食べたぐらい俺はオードリー・ヘプバーンが好きなのである

これだけでも奈良ホテルまで来た甲斐があったな

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廊下にかけられている絵を見るだけでも楽しいではないか

そして俺は水と夜食用のおにぎりを確保しておくためにコンビニへと向かう事にした

なんせあれだけ歩いたのに総摂取カロリーは推定2000キロカロリー以下である

昼飯抜いてるしな

ルームサービスを頼めるほど大富豪ではない俺はルームキーをフロントに預けて外へ出た

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外にはイルミネーションが輝いていた

白い鹿

ハリーポッターの守護霊か?」

「否、弘法大師を導いた鹿だな」

「急流を渡れずに途方に暮れていた空海を背中に乗せて岩の上をぴょんぴょん飛んで川を渡った鹿は観音様が姿を変えた白い鹿だった」

あれは確か大津の「立木観音」

あの石段はきつかったなぁ

登っても登っても終わらない石段

その数750段

あそこも静かでいいお寺だった

そんなことを思い出す白い鹿であった

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俺は奈良ホテルの裏口から外へ出た

ほとんど人は歩いていない

でも月明かりがとても綺麗だ

キーンと冷えた空気がとても心地いい

俺はポケットから4年ローンで購入したアイフォンXを自慢げに取り出した

「確か猿沢池に行く途中にコンビニがあったな」

俺はかじかんだ手でアイフォンXを操作した

「確かにデイリーがあるな」

俺は猿沢池へと向かった

コンビニはすぐに見つかった

店内に客はいない

昼間は春日大社周辺には人がいっぱいいたが、あの人たちは一体どこへ消えたのだろうか?外はほとんど人が歩いていない

もしかして鹿と一緒に若草山に帰ったのだろうか?

俺は500の水を2本とおにぎり2個を購入して奈良ホテルへと帰った

奈良ホテルでは常時ドアマンが待機している

「この人も大変だな」

「ドアぐらい自分で開けるから休んでてくれればいいのにな」

「あと椅子に座る時に椅子を引かれるのも困るな」

俺は椅子を引かれることに慣れていないので座るタイミングがわからない

46年も生きていれば椅子ぐらい一人で座れるのだ

俺は一旦自分の部屋に戻り水をガブガブ飲んだ

そして10パーセントオフ券を持って奈良ホテルのBARへと向かった

「THE BAR」

そのままの名前である

まさに俺が想像するBAR

濃密な時間が流れるオールドファッションドバーである

街中のこういったバーはさすがに入りにくいがホテルのBARは割と気軽に入れるところがいい

俺は10パーセントオフ券をポケットにしまい店内へと入った

ここは喫茶と一緒になっている

看板には「ナイトスイーツ」と夜にケーキを食べようぜ的なメニューが

そして喫茶室としての利用の方が多いみたいだ

さすがに夜のケーキは太りそうで怖い

しかし奈良ホテルのケーキ美味かったからなぁ

食べたい気持ちはわからないでもない

俺はまっすぐにBARのカウンターに座った

この時ソファーでは3組飲んでいたが

カウンターは0

俺一人だけであった

ただいまヴィンテージウウイスキーのフェアをやってますと

メニューを見てみるとワンショット3000円

無理だ

非常に興味深いが

無理だ

すでに日本酒2合が胃の中に収まっている状態とはいえウイスキーはガバガバ行ってしまう危険性がある

しかも一杯3000円

上等なウイスキーならストレートに数滴水を垂らして飲むのがうまい

「ああ飲みたい」

「気取った感じで飲みたい」

でも無理だ

俺のここでの予算は5000円

これ以上使うと明日法隆寺に行けなくなってしまうのだ

俺はカウンター正面にある酒の棚を見渡した

「うわぁ 高い酒ばかりだな」

ジョニーウォーカーも15年とか17年、18年とか

ジュンスカイウォーカーズなら昔長島温泉でライブを見たし

ルークスカイウォーカーの真似は未だにスターウォーズを見るたびにやってしまう

モンブランのスターウォーカーの万年筆を衝動買いしたが

やはりマイスターシュテュックの方がよかったなと後悔している

話を酒に戻すと

俺はBARで迷った時はワイルドターキーの8年と決めている

見たところターキーは13年しかない・・・

ここで「8年のターキーありますか?」と聞くのも恥ずかしい

でもターキー8年にこだわるというのもバーボン通を演じれるのかも知れないな

俺の場合はただ単に貧乏なだけだが

13年でいくらするんだろう?

値段聞いてから頼むのも恥ずかしいしな

まぁいい

とりあえず飲みたかったのはここでしか飲めないオリジナルカクテル

俺はカクテルの値段をチェックした

高くても1500円か

「行けるな」

暗算1級の俺は素早く頭の中で計算した

1500円×3

4500円

さすがに昔とった杵柄だな

40年弱のブランクがあるのにあっという間に計算できた

俺はとりあえず適当に頼んだ

「ナラ・ミュール下さい」

奈良版モスコミュールだな

俺はウォッカが好きなのだ

ストリチナヤ

安いのがいい

冷凍庫にぶち込んでおいてとろとろになった奴をショットグラスでクイッと行くとすぐに肝臓がいかれちまう

ナラ・ミュールはどうやら生薬が入ってるらしい

少し苦味があり大人の和のカクテルだ

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からして奈良感満載だ

俺は一口飲んだ

「ピリッとした生薬の味がうまい」

久しぶりにちゃんとしたカクテルを飲んだな

15年以上ぶりだろうなぁ

しばらくBARなんかで飲んでないし

やっぱりうまいな

気取ってシングルモルトだの言わなくて正解だな

ウイスキーなんてものは家でも飲める

しかも安い

やはりBARに着たらカクテルだな

バーテンダーの人の動きは初動がやたら素早い

さっと目的の位置まで動いてそこからスローになり

再びさっと素早い動きで定位置へ戻る

やはり全ての動きが見せる動きとなっている

俺も昔はトムクルーズの映画「カクテル」を見てからのボトルをくるくる回す練習をしたもんだ

そして一人BARではカクテルを作るのを見てるだけで時間を暇を潰せるのだ

俺はちびちびと飲んだ

バーテンダーの人も店が暇なので話し相手になってくれる

俺は二杯目を頼んだ

メニューはすでに下げられている

さて何にするかな?

俺は通ぶってメニューを見ずに注文した

「奈良の柿を使ったカクテルありますか?」

あるはずなのだ

「できますよ」

「じゃぁお任せで」

「すでに日本酒も飲まれてることなので軽いのにしときましょうか?」

「それでお願いします」

もう一人の店員さんが柿を取り出しサクサク切り出した

ジューサーが出てきたりやたらと手間がかかってるな

ベースはジン

サントリーが作る日本のジンだ

「ROKU」

日本ならではの6種のボタニカル(桜花、桜葉、煎茶、玉露、山椒、柚子)を使用しているから「ロク」と言う名前なんだな

ボトルを見せてくれた

面白いな

初めて飲む酒だ

しかもいかにも日本だ

そして俺は植物がとても好きなのだ

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名前はない

俺が注文した柿とジンベースのオリジナルカクテル

入ってるものを説明してくれたが全て忘れた

飲んでみた

ややどろっとした飲み口がいかにも柿だ

そしてうまい!!

これは美味い!!

もうここまでくると良い意味でジュースだな

もう無茶苦茶飲みやすい

お酒の苦手な女性にもってこいだな

見た目も非常に素晴らしい

コースターとしての柿の葉

緑とオレンジがまさにMA-1

しかし女性が見れば

「可愛い」と言うこと請け合いなし

 

ふと目を閉じると広大な柿畑が

俺はカクテルの中に奈良を見た

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するとカクテルに使用した柿をサービスで出してくれた

やはり上等な柿だな

とても甘さのバランスが良い

俺はふと時計を見た

すでに10時半

この店は確か11時閉店

あと一杯だな

俺はラストはお茶で閉めることにした

大和茶ジントニック

THE BARオススメのカクテルだ

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ラストは爽やかに行こう

トニックウォーターはもともとイギリス人が健康ドリンクとして飲んでいたそうだ

お茶の香りがジンを引き立てる

「最後の最後まで美味いなぁ」

あぁもっと飲んでいたい

しかし時間だ

俺の予算も尽きた

 

午後11時04分

俺は店を出た

 

ナラ・ミュール  1400円

柿のカクテル(軽めのやつ  1400円

大和茶ジントニック  1500円

 

 

ちなみに柿にはウイスキーが一番合うそうだ

今度はそれにしてみようかな

また飲みに来れるように1年間頑張って働くかな

 

俺は部屋に戻った

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この日歩いた歩数

 

23066歩

 

つづく

 

2018年 奈良冬の旅02

2018年の奈良冬の旅02

福智院で福智院、新薬師寺、白毫寺と回った俺は元興寺を目指した

この時午後3時

まだ昼飯は食べていない

完全に食べそびれたのだ

夕食は6時から奈良ホテルの日本料理の店で予約してある

今から食べるならおやつ程度に止めなくてはならない

すでにかなりの距離を歩いている

俺の体はエネルギー切れ寸前である

予定では奈良ホテルへのチェックインは4時

まぁ慌てる事はないな

俺は奈良ホテルを通過して元興寺を目指した

奈良を訪れるたびに元興寺へ行こうと思ってはいたがいつも優先順位が一番最後になるために今まで時間切れで行けなかった寺である

今日が初めての元興寺

世界遺産元興寺

元興寺南都七大寺の一つに数えられる

あの蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の本格的仏教寺院「法興寺」が前身だ

蘇我馬子

懐かしい

学校の授業で初めて彼の名前を聞いた時に「ウマ子」という名前が妙にツボにはまりゲラゲラ笑った記憶がある

他には小野妹子も同じ雰囲気を醸し出していた

すっかり女だと思ってたら実は男だった的な歴史上の人物だ

その元となった法興寺平城京遷都に伴って分裂

一つは飛鳥に残り「飛鳥寺」と名を変えた

そして飛鳥から移転して来た方が「元興寺」となったのだ

つまり飛鳥寺とは兄弟寺になる

そんな呼び方があるかどうかは知らないが

他にも、もう一つの「元興寺」が存在するようで非常にややこしい

しかもこの二つの元興寺はかつて同じ寺

俺が訪れたのは奈良市中院町の真言律宗元興寺

もう一つは

奈良市奈良市芝新屋町元興寺がありこちらは東大寺の末寺で華厳宗となってるそうだ

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まずは本堂でお参り

この建物も国宝だ

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この辺りの寺はどこそうだが、もともとはかなり大きな寺ばかり

その頃の礎石

つまり基礎となる石が残されている

この石の上にそれぞれ柱が立っていたのだ

その礎石の向こうに宝物館

中に入るとまず小さな五重の塔が目に入る

「なんだ模型か」

と思ったらなんと国宝

実は江戸末期(1859年)に焼失した元興寺五重小塔の模型で、天平時代初期に造られたと伝えられ、古代の建築技法を知る上の貴重な資料だという

しかしあまりにも保存時状態が良すぎて逆にレプリカに見えてしまうのだ

高さ5・5メートル

国宝なのに間近で見れてしまうのである

それはもう手を伸ばせば届くぐらいに

いいのかこれで?元興寺。そして日本国よ

おそらく工芸品登録ではなく建築物の国宝として登録されてるからかもしれないな

そういえばここに八幡様の神像があった

仏教との結びつきが非常に強い八幡様

少しふくよかな坊主頭のお方だ

このお方があの富岡八幡宮神罰を与えら他とは想像できないが

本来の八幡様は数多くの人間を殺してきた神様でもあるのだ

そう考えると怖く見えてくるから不思議である

そんな時は空海さんの像を見て助けを求めるのだ

でも立場的には弘法大師より八幡様の方が上か

空海が唐に行く前に八幡神に参拝してるしな

あとは奈良だと聖徳太子もいたるところで祀られている

俺は「明日は法隆寺に行きますんでよろしくお願いします」と幼少時代の姿をした聖徳太子像に挨拶をしておいた

あと見所は智光曼荼羅だな

今はとても小さなお寺となってしまったが見所満載の元興寺

ここも俺の巡回スポットに登録だな

場所もならまち界隈だし

散歩がてらちょうどいい

俺は御朱印をもらい

陶器のかえるの置物を購入した

福かえる1000円

 

さて4時になった

とりあえず奈良ホテルへのチェックインだ

一旦奈良ホテルへ戻るとするが多分もう今日は出歩かないだろうな

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この辺りの写真はインスタで公開済みだが

チェックインした俺はホテルのお姉さんが丁寧にフリーWi-Fiの説明をしてくれたこともあり早速接続してインスタに写真を投稿したのだ

しかし喉が渇いてることに気づく

水を買うのを忘れた

おそらく奈良ホテルには自販機はない

冷蔵庫を開けてみた

水から酒まで揃っている

伝票を見てみた

水なら500ミリで150円と比較的良心的な値段だ

これなら冷蔵庫の利用もいいかもな

でもとりあえずは無料のお茶を飲む事にした

宇治茶と梅茶

ふとテーーブルを見るとカップのコーヒーが

コーヒー飲みたいなと思ったら

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300円・・・

有料だった

我慢だな

おそらく一般的な奈良ホテルの客層なら300円などなんでもない値段であろうが

背伸びして宿泊している俺にとっては御朱印一つ分である

ここは洗面の水で我慢だ

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窓からは庭が見える

なかなかいいな

新館はロビーが5階となる

俺の部屋は1階だ

庭を眺めながらぼっとするのもいいがいかんせん寒い

しばらく休憩して5時半に俺はホテル散策に出た

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ロビーには鳥居がありその向こうは鏡と偽物の暖炉

もうなんでもありな世界観

土産物屋を物色して俺は予約してある日本料理の「花菊」へと向かった

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これが俺が予約しておいた白鳳会席 約1万円

プラス二千五百円でアワビから伊勢海老になるみたいだが俺はアワビの方が好きだ

味も見た目もいやらしくて好きだ

早速俺は店の中に入った

「予約してある〇〇です」

案内された席は窓際

大きなガラス窓からはそれほどキレイではない奈良の夜景が俺を迎えてくれた

田舎だしな

まずは酒を注文

もちろん奈良の地酒

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俺は値段と睨めっこ

純米好きな俺だが純米吟醸の無上杯に決めた

この上ない酒だしな

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お酌をしてもらいまず一口

うまい!

なんて飲みやすい酒なんだ

安い割にはかなりうまいぞこれ

俺はウキウキとなった

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すぐに先付けが運ばれてきた

「新竹の子木の芽和え エビ、木の芽」

見た目も鮮やかな緑色に竹の子とエビが木の芽ソースで和えられている

竹の子は素材の良さがわかるいい竹の子だ

エビも小さいくせにプリップリじゃないか

うまいなぁ

酒がススム君で非常に危険な先付けだ

抑えなくては

俺はまだこの後バーで飲まなければならないのだ

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二品目もすぐに来た

この辺りは作り置きだろう

正月なのでおせちをイメージしてある前菜3種

「虹鱒ゆず風味のマリネ イクラ セルフィユ

「数の子と昆布 木の芽」

「黒豆田舎煮 針生姜」

俺は黒豆から食べた

正月に散々食べた黒豆だ

「う、うまいぞこれ!」

その黒豆は俺の中の黒豆の観念をぶち壊すような美味さだった

まさか黒豆がここまでうまいとは・・・

素材の良さももちろんだが、やはり工場でレシピに従い大量生産された黒豆とはもはや同じ名前で呼ぶのも失礼なものに仕上がっている

ダメだこんなうまいものを食べてしまっては

俺はもう2度と普通の黒豆が食べられなくなるではないか

次に数の子だ

これもまた正月に食べた

しかし俺は数の子は嫌いではないのだがそれほど美味いとも思わない

しかしこの数の子は違った

やはりこれも美味い

俺が今まで食べてきた数の子とは似て非なる食感と味の深みを出している

昆布も美味いなぁ

これが数の子本来の味なんだなろうな

寿司屋で食べる数の子もただ単にコリコリしてるだけでここまでの旨味はない

俺は酒をちびちび飲んだ

ラストは虹鱒にイクラだ

セルフィユってなんだ?

まぁいい食べてみるか

「これもまた臭みが全くない虹鱒ではないか」

虹鱒うめえ

もちろん

イクラも美味い

ノリスケさんタイコさんごめんなさいって感じだ

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三品目はお吸い物

正月なので雑煮だ

しかし普通の雑煮ではない

「清汁仕立 ふぐ真薯(しんじょ)焼餅 大根 人参 茄子 水菜 ゆず」

もうむっちゃくちゃ手の込んだお雑煮だな

お雑煮も散々正月に食べた

でもこれは全く別もの

このお椀の中に日本料理の真髄が入ってると言っても過言ではない

だしが最高なのはもちろんだが、ふぐ真薯から溢れ出るふぐの旨味がすごい

「これふぐだよ、紛れもないふぐだよ」

全くふぐの形はしていないがふぐである

上に添えられた薄切りの大根に人参、ゆず、水菜

ただ単に彩のために集められたエキストラでは決してない

こんなわずかな物でもちゃんと素材の良さが感じられる

ちゃんとエースをアシストしているのだ

日本の料理人ってやっぱりすごいな

そして何と言っても茄子

もちの下に隠れている

かなり煮込まれたのか形は完全に崩壊しているが

これがまた・・・茄子なのだ

極上の茄子なのだ

俺はここまで美味い茄子を食べたことがない

なんなんだ一体

感動覚めやらぬうちに次の一品が

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お造り3種盛り

織部焼の器に入れらている

ちなみに俺は織部が大好きである

「カンパチ、鯛、マグロ」

さてどれから行くかな

俺はわさびをカンパチに乗せて醤油をちょんとつける

そして口の中に優しく放り込んだ

「3年B組!カンパチ先生」

俺の頭の中で長髪のカンパチが泳いでいる

あそこにいるのは加藤と松浦

なんだこのカンパチは

脂まみれなのに

口の中に入れた瞬間にとても心地いい食感が俺を満足させる

そして次の瞬間に脂が

カンパチの脂がふわっと溶けていくのだ

そしてその脂の美味いこと

俺は正直カンパチは好きではない

カンパチだけでなく大トロなど脂が乗りすぎた刺身は苦手である

まさか奈良でこれほどのカンパチが食べられるとは

瀬戸内の島で食べたカンパチが俺の中でベストであったが

世界ランキング入れ替わりだな

次は鯛

これもまたコリコリとした食感の後でもちもちとした食感が追いかけてきて

口の中に鯛の旨味が広がっていく

これはいい鯛だ

京都の料亭で食べる鯛に勝るとも劣らないな

熟成が抜群なんだろうな

まぁ予約してあったし

それに合わせて逆算してあるんだろうな

ラストはマグロ

これも期待を裏切らないが

カンパチ、鯛ほどの感動はなかった

美味いマグロではあるが

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ここで酒が切れたので追加注文

やっぱり純米が飲みたいな

しかも雑味があるやつ

おっ!あるじゃないか酸味と雑味

燗がおすすめらしいが冷やで飲んでしまえ

「篠峯 遊々」

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ちゃんと純米酒だな

米の旨味に雑味が混ざり合う

俺はこういう酒が好きだな

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次は焼物

「あわびフォアグラ風味のクリーム焼き 金柑 はじかみ」

はじかみって何だ?

調べてみたらあの細長い生姜のことだったんだな

あわびのソースはウニかと思ったがフォアグラ

俺はフォアグラを食べるのは人生初なんでこれがフォアグラの味なのかは定かではない

ただ気になるのが「フォアグラ風味」と書かれていること

もしかして俺が今食べてるのはフォアグラではないのか?

ん〜よくわからんな

聞くのも恥ずかしいし

でも美味いのには間違いない

あわびのコリコリ感にフォアグラ風味のソースが絡んで俺を最高な気分にさせてくれる

周りに人がいなければ食べ終わった後の殻までペロペロ舐めまわしたいぐらいだ

あわびだけに

横に添えられたとても可愛らしい金柑

甘く味付けされ酸味と相まって素晴らしい脇役を演じてくれている

それははじかみにも言えることであるが

彼ら無くしてこの料理は完成しない

次は蒸物

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高山寺といえば鳥獣戯画

そんな器を開けると真ん中に黄金に輝く小さな饅頭が一つ鎮座していた

上にはとき山椒が添えられて見た目的には柑橘系?

否、奈良だけに柿だな

「百合根饅頭 うに 銀餡 とき山椒」

そうかウニが黄金感を出してるんだな

百合根か

随分と久しぶりだな

海の幸山の幸そろい踏みだな

百合根

たんぱく質が豊富で滋養効果もあるらしい

疲れた体に染み渡る暖かさだな

これで明日もまた元気に奈良散策ができる

でもこれもまたホクホクしていて

ウニの旨味も出てるし

贅沢な饅頭だよなぁ

銀餡も最後の最後までぺろぺろしてしまった

パンがあれば拭って食べたいぐらいだ

次は小鉢

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これまた彩り鮮やかな一品だ

黄色と緑

これはそれぞれマイヨジョーヌとマイヨベールを表してるんだな

そして白と赤

これでマイヨブランとマイヨアポワルージュ

ツール・ド・フランス

そんな訳ないな

まぁいい

「紅白膾 小鯛 色三つ葉 ゆず」

小鯛と膾

小鯛が美味いのは想像つくが、この膾がまた普段食べてる膾とは別物だな

一流の料理が作るとこんなに美味くなるんだな

濃い目の味付けが続いた後の口直しにもってこいの爽やかな一品だった

次は強肴

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鮮やかな器のふたを開けると

「来たぞ来たぞ、俺の大好物の金沢の郷土料理治部煮ではないか!」

何故奈良で治部煮?

まぁそんなことはどうでもいい

要するに素材が奈良なんだな

「大和肉鶏の治部煮 慈姑 人参 青味 とき山椒」

今度の黄色は慈姑

これも懐かしいな

昔々食べたことある

これもホクホクしてて美味いんだよなぁ

そして実際に美味い

そうか慈姑も本来はおせちに欠かせない食材なんだな

出世祈願の意味合いがあるそうだ

まぁ今のおせちはおせちでなくなっちゃったしな

本来こうでないといかんのだろうな

これで俺も出世しまくりだな

まぁ一応既に経営者ではあるが

しかし親父から受け継いだだけに大きな声で言うのは憚れる

 しかも俺一人だし

ただのバカ息子でしか無いからな

そして主役の大和肉鶏

弾力の中に旨味が凝縮されて最高じゃ無いかこれ

丼ぶり飯に大量に乗せて治部煮丼にして食べたいぞ

そしてこの鶏は俺が食べた中で一番美味いかもしれない

もっと食べたいなぁ

奈良に来てよかった

次は酢の物

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これも綺麗だな

「蟹金紙砧 蛤酒蒸し 蓮根 胡瓜 塩麹風味酢」

とても手の込んだ一品だ

まるで宝石箱のようである

この後は止め椀だ

ラストを飾る一品

今宵の宴を終わらせるための一品である

最後はあっさりと酢の物でしめる

酢だけにな

でも脇役の胡瓜までいちいち美味いんだよなぁ

本当贅沢だなぁ

最後まで全く手の抜きどころが無い

しかしこれが本当の終わりでは無い

もう一曲バラードを

シンプルに

だが真髄を見せるのだ

和食の底力を

 

 

 

留碗

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漬物の梅干しに見える赤いやつは実は赤こんにゃく

滋賀県の名産品だ

奈良ホテルめなかなかシャレが効く

あの皿に入れたら梅干しにしか見えないでは無いか

しかしこの赤こんにゃくが相当美味い

俺は赤こんにゃくも正直今まで美味いと思ったことはなかった

この日初めて俺は赤こんにゃくが美味いと思った

これが俺の赤こんにゃく記念日である

ご飯は奈良県産のひのひかり

香の物はおそらく自家製だろう

この漬物もまた相当に美味いのだ

ご飯もちゃんとお米が立っている

一体どうやって米を炊けばこんなに美味いご飯になるのか?

このご飯、ツヤツヤでかなり甘い

これに合わせるのは

ただただ味噌汁と漬物だけでいい

もう何もいらない

これが真の留碗である

最後の一粒までしっかりと噛み締め俺は終わらせた

この素晴らしい夕餉を

ありがとうござます

そして

ごちそうさま

 

 

さぁアンコールでデザートだ

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舞台は和から洋へ切り替わる

パテシエ腕の見せ所

デザート

 

いちごとメロンと小さなムースケーキ

俺はイチゴを食べた

子供の頃のイチゴのイメージは女の子のパンツの柄であった

そしてメロンを食べた

もう君にメロンメロン

最後はケーキで締める

あぁ 美味いなぁ

「なんつうのかな 最高よ 最高」

矢沢思うんだけどね

ここでコーヒーが来たらもう完璧じゃない?

でもさ緑茶なんだよ緑茶

これがさロックンロールなんだよ

だからアイラブユーOK

そしてA DAYな訳

 

Oh my  sweet いつまでも

月に抱かれて

 

 

これが本当の終わり

 

俺は会計を済ませて店を出た

 

つづく

 

2018年 奈良冬の旅01

2018年

今回は奈良の旅である

奈良も久しぶりである

行きたいと思いつつも京都経由なためについつい京都で降りてしまうのだ

しかし今回は衝動的に奈良ホテルを予約してしまった

俺の横浜での定宿はニューグランドホテルであるが

今回人生2つ目のクラシックホテルである

いつかは制覇したいクラシックホテル巡り

とりあえず蒲郡ならいつでも行けるのだが

確か細雪にも出てきた

そんな話は置いといて

1月4日

俺は東海道線に飛び乗った

いつものように新幹線代をけちるために在来線で行くことにした

やはり混んでいる

椅子に座ってのんびりと亀井勝一郎を読むという俺の夢はついえた

米原で乗り換える

やはり座れない

立ってる俺にどんどん詰めてくる乗客

やがて俺の前には女子大生風軍団、他の乗客に押されて俺の体にどんどん迫ってくる

そして密着

これはまずい状況である

仏は奈良に行く俺に試練を与えられた

全く身動きが取れない

動こうものなら彼女たちの体のどこかに触れてしまう

そして少しでも俺の体のある一部が反応するものなら俺の人生はこの瞬間に終わってしまう可能性がある

俺は耐えた

ひたすら心の中で般若心経を唱えながら耐えた

南無大師遍照金剛とも唱えた

全ては弘法大師にお任せするしかないと

無事、京都に到着

解放

俺は奈良線へと向かった

奈良線伏見稲荷までは外人だらけである

そのあとは椅子に座れる

安心感から眠ってしまう

やがて電車は無事に俺を奈良駅まで届けてくれた

さぁ奈良旅の始まりである

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奈良駅に到着

やはり旧奈良駅は風情があるな

「とりあえず飯だ」

朝飯は米原での乗り換え時間の隙にサンドウイッチを胃の中に押し込んだ

まだそれほど腹は減っていないがこの辺りで食べておかないと食べそびれてしまう

俺は予定していたお好み焼き屋へ向かった

「だめだ・・並んでいる・・・」

俺は2軒目のお好み焼き屋へ向かった

「休みだ・・」

3軒目のお好み焼き屋へ

「ここもかよ・・・」

ここでグダグダしてると今日の予定がこなせなくなる

とりあえず俺は奈良ホテルへ荷物を預けに行くことにした

すると4軒目のお好み焼き屋発見

なにやら外人向けのガイド本に紹介されてるらしい

そして強気な価格設定

俺は断念した

たかが小麦粉にこの金額は出せない

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近道発見

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裏口から階段を登ると高台の上に奈良ホテルはあった

威風堂々と時間が止まったかのような佇まいでそこに存在していた

俺は早速ロビーへと侵入

フロントにいた綺麗なお姉さんに荷物を預けた

さて奈良散策だ

身軽になった俺はホテル近くの福智院へ向かった

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福智院に到着

真言律宗 清冷山 福智院

「釈迦はすぎ、弥勒はいまだ出ぬ間の、かゝる憂き世に、目あかしめ地蔵」

ここは地蔵菩薩をご本尊とする真言律宗のお寺だ

真言律宗西大寺を総本山とする宗派

真言密教律宗フュージョンした感じだろうか?

そしてここのご本尊は非常に珍しい「地蔵大仏なのだ」

お地蔵さんの名前で親しまれる地蔵菩薩

ほとんどの人は街角にある石で作られた小さな石仏がお地蔵さんだと思っている

実際は石仏というだけで不動明王大日如来や各観音様など様々な石仏が存在している

お地蔵さんの正式名称は「地蔵菩薩」であり石仏全般のことをお地蔵さんと呼ぶわけではないのである

そのために木で作られたお地蔵さんや銅製のお地蔵さん、塑像と言って粘土のお地蔵さん他様々な素材で作られたお地蔵さんが存在する

そしてほとんどのお地蔵さんは立像、つまり立ったお姿なのだ

ここ福智院のお地蔵さんは坐像である

いわゆる座ってられるお姿だ

しかし見た瞬間に驚く

「でけぇ」

座っているにもかかわらず大きいのだ

さすが地蔵大仏と名乗るだけのことはある

かなりのインパクトだ

背中には大きな光背が

その光背には小さな仏様がびっしり彫り込まれている

化仏と言うのだがその数560体

その周りに6体の仏が

これが「六地蔵」を表しているという

六地蔵」この辺りの説明までしてると長くなるので割愛するが

これで566体の仏

これにご本尊のお地蔵様本体を合わせて567

この567という数字でピンと来た人はかなりの弥勒おたく

お釈迦様入滅後、56億7千万年後の世界に我々を救いに来てくだされる未来の仏様が「弥勒菩薩」なのである

そしてなぜその弥勒菩薩を表す「567」なのかは

お釈迦様の入滅後にニューヒーロー弥勒菩薩が登場するまでこの世は誰が守るのか?誰が救ってくれるのか?

それがこの地蔵菩薩なのだ

そのための背負った566体の化仏なのである

この福智院のお地蔵さんの強い意思の表れであろうか

お地蔵さんで化仏を背負う姿はここ福智院だけだと言う

そしてお地蔵さんは我々が死んだ後で大変お世話になる方でもある

死んだ後で六道の世界のどこに行くのかは裁判によって決まる

その裁判官が閻魔様を代表とする十王様たちなのだ

その裁判の時に我々の弁護をしてくれるのがお地蔵さんでもあるのだ

この辺りの話は後ほど書くとするが

そういうことなのでなるべく街角でお地蔵さんを見つけたらお参りしといた方がいいのである

ここ福智院

場所は、ならまち近くで看板も案内もあるにも関わらず訪れる人は少ない

しかしここのお地蔵さんは一見の価値あり

俺の奈良巡回スポットにも登録された

これでますます東大寺興福寺春日大社などメジャーな観光地から遠ざかりそうだ

一体奈良はどれだけ俺をワクワクさせれば気がすむのか?

この他にもまだ見ぬアフロ様が控えているというのに

 

俺は次なる巡回スポット新薬師寺へ向かった

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奈良は結構高低差がある

どんどん登っていく

小雪ちらつく天気なのに俺は汗だくである

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ところどころにこういった小さな道標が立っているので道に迷わなくて済む

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ここを右に曲がれば新薬師寺の入り口だが、その前に腹ごしらえと思ったら・・・なんと店がない!

以前ここにはサイクルロードレース解説でおなじみの栗村修氏の知り合いの方が経営されてるカレー屋さんがあったのだ

店先には自転車用のラックが置かれて自転車乗りが集まるスポットだった

「まだ俺、飯食えないのかよ・・・」

まぁいい、とりあえず十二神将

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ここが新薬師寺の入り口

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本堂である

ここは華厳宗

つまり東大寺の末寺である

簡単に言うと東大寺傘下のお寺だ

本堂まで真ん中に走る道

その手前にそびえ立つ灯篭

まさに東大寺である

この本堂自体が奈良時代の建物であり国宝でもある

正面の扉は普段は閉ざされていて我々参拝客は向かって左手へと回ることになる

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ここが本堂への入り口だ

中には円形の土壇があり中央にご本尊の薬師如来

奈良時代でこの方も国宝だ

その周りに円を描くように十二神将が置かれている

「俺たちがお薬師様を守るんだ!」そんな強い意志が感じられる十二神将である

しかもこの十二神将は塑像なのだ

塑像とは先ほども書いたが粘土で作られた仏像

年代は奈良時代

そんなものが現代まで残っているなんてまさに奇跡である

当然のことながら国宝

しかも中にはどうやってバランスとってんだ?と思うようなお方もいる

今はすっかり白くなられたが元々はカラフルな極彩色だった

この辺りのことはビデオで見られるようになっている

下の方に何やら書いてある

「国宝である仏像にお賽銭を投げないでください」

鳥居やしめ縄にお賽銭差し込むとか仏像にお賽銭投げつけるとか

本当に何やってくれんだって感じだな

こんなことが続いたらいずれ全て金網で覆われてしまうだろう

そして新薬師寺のご本尊の薬師如来はとても手が大きく優しい顔をされてるのが特徴だ

こんな素晴らしい徳のある人だからこそ十二神将も命をかけて守ろうとするのだろう

「おんころころせんだりまとうぎそわか」

薬師如来真言

薬師寺の裏にはこんな看板が

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どうやらお寺の裏手は憩いの場として解放されるらしい

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塀から覗いてみた

ここで近所の子供達が遊ぶんだな

お薬師さんに見守られながら

 

 

さて次は白毫寺だ

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ここ新薬師寺からさらに登り基調な道が続く

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ここを左に入るとカフェがある

しかし少々お高くて断念

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途中にはお地蔵さんが集まってる場所が

俺はいつもここでお参りしてから白毫寺を目指す

そして最後は石段が待ち受けるのだ

ちなみにこの白毫寺も真言律宗

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花の寺と閻魔様で有名なお寺だ

ここからもうひと頑張り

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途中で山門が見えるが先はまだ続く

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ようやく到着

頑張っただけに境内からの眺めは最高だ

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奈良市内が見渡せるがあいにくの天候

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この中に閻魔様がおられる

俺は中に入った

すぐに飛び込んでくる怖い顔した閻魔様

眼光鋭く口はカッと開いている

まさに憤怒

俺は立って拝観することができずに思わず土下座してしまう

そしておもむろにお賽銭を取り出し奉納した

閻魔様の両隣には裁判を書き留める書記の方々が

多分今、俺が生前に犯した罪状が書留られている

いついつどこでアリを踏みつぶしたとか

ゴキブリを殺したとか

数え切れない罪が書き込まれていく

ふと正面の閻魔様を見ると

「お前は何やってきたんだ!!!」と激怒

再び俺は深々と頭を垂れることとなる

そして唯一の心の支えは俺の隣に立っておられる地蔵菩薩

ここでは俺の弁護をしてくれることになっている

「この人は散々悪いこともしてきましたが、こんな良い事もしてきたのです」と閻魔様に伝えてくれる

このお地蔵さんの弁護により多少は罪が軽くなるのだ

ついさっきも福智院でお参りしてきたしな

と、こんな風に地獄の裁判体験ができるのが白毫寺なのだ

これも参拝客が少ないからであるが

この時、参拝客は俺一人だけであった

しかし白毫寺は花の寺として有名だ

季節ごとに様々な花を咲かせて楽しませてくれる

そのために花のシーズンの時はカメラを持った人でごった返すそうだ

この時も咲いてる花がちらほら

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子福桜が咲いていた

秋から冬にかけて咲くそうだ

俺は御朱印をもらい

閻魔様手ぬぐいと閻魔様お守りを購入してお寺を後にした

奈良で俺が一番好きな寺かもしれないな

そして白毫寺の閻魔様手ぬぐい

包まれている紙に書かれたイラスト見ただけで欲しくなる事間違いなし

これテレビで紹介されたらかなり人気出そうなんだがな

今、俺の部屋では閻魔様手ぬぐいが俺を監視している

来た道を戻る事にする

次は元興寺を目指す

途中に行きに参拝したお地蔵さんが

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そういえば志賀直哉の家がこの辺りだったな

寄り道していくかな

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到着志賀直哉旧邸

人力車観光してる若いお嬢さん方が記念撮影

果たして彼女たちは志賀直哉の本を読んだ事があるのだろうか?

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隣のカフェの入り口から志賀直哉の家を眺める

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何やら外人がカメラを向けていたので覗いてみると鹿の親子が水を飲みに来ていた

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鹿 「誰だ?このおっさん?」「鹿せんべい持ってんの?」

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これがこの日の鹿ベストショット

この日はとにかく鹿が少なかった

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今日俺が泊まる奈良ホテルを眺めつつ元興寺

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本各地の神社が間違った参拝方法で迷惑しているらしい

新年あけて普段は神社も神様も興味のない人たちが年に1回だけ初詣として神社に行く

元々は鉄道会社の集客のために始められたイベントではあるが今ではすっかり定着して神社でも一番の稼ぎどきである

中にはお寺と神社の違いするらわかってない人もいる

神社の敷地内に犬を連れて入る人も毎年のように見かける

神道において畜生も穢れになる

そんな無法地帯となっている最近の神社であるが

広島の世界遺産でもある厳島神社

なんと「大鳥居にお賽銭をさせば願いが叶う」なんてデマが広がっているそうだ

そのために大鳥居に無数の賽銭が埋め込まれているという

「なんて罰当たりな・・・」考えただけでも恐ろしい

「知らなかった・・・」では神様に通用しない

まぁどっちにしろお賽銭箱にちゃんと静かに投げ入れて住所氏名を神様に伝えたとしても願い事は叶わないだろうが

初詣の神社では日頃の感謝を伝えるだけでいい

「いつもお守り下さりましてありがとうございます」「今年もよろしくお願いします」と参拝するだけである

鳥居の話に戻るが賽銭を差し込まれたことにより老朽化の原因になっているそうだ

そもそも鳥居とは我々人間が住む俗世と神様の住む神域との境界に建てられた門である

その神域の門に対して傷をつける行為

その理由が自分の願い事を叶えて欲しいという身勝手な思い

神様からしたら「おいおい、お前ら何すんねん」「そんなとこ傷つけたらあかんがな」

「あんたら1年に一回だけ神社に来て何やらお願い事してくけど、わしあんたがどこの誰かも知らんし願い事叶えたる義理もないわ」って感じかもしれない

これはに厳島神社に限ったことでもない

鳥居だけでなく御神木にも差し込まれているのはよく見かける

神社でもお寺でも

誰かがやっちゃうと真似する人が続出

意味をわかってないから後利益があると勘違い

やがてそれが噂となって広まり正当化される

そんなところだろう

神様も神社側も迷惑でしかない行為をして参拝客は満足して帰っていく

神様を怒らせたことも知らないで

そして出雲大社では長さ13mもの大注連縄が被害を受けている

こちらは『注連縄にお賽銭が刺さると縁起がいい』という噂が流れてしまったそうだ

しめ縄も神様を鎮めるために神域に対して結界を作るものである

その神聖なものに対してお賽銭を投げて刺そうとする人たちがいるという

ちょっと考えれば分かりそうな気もするが

お札やしめ縄など不要となった時に一般ゴミとして捨てるのではなく

大切に扱い左義長の日に燃やす

子供の頃から毎年行ってきたことだ

だからこそ神聖なものであるということぐらい子供でも知ってるだろうに

 

アメリカのニュースで数日以内に北朝鮮弾道ミサイルを発射するのでは?との報道がされた

どうやらこないだのICBM発射の時と同じ動きが北朝鮮国内で見られるという

俺、明日から奈良に行くのに

噂されてたけど新年早々かなわんな

すっかり旅モード

昨日から書き初めがてら奈良の関することをさらさらと書道アプリで書いている

その一部を公開しよう

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やっぱり毛筆は誤魔化しが効くな

適当に書くだけでそれなりに見えてしまう

なんか「俺、書道家になれるんじゃね?」なんて勘違いしてしまいそうだ

見るべき人が見たらダメ出しされまくるのだろうが

インスタでは世界進出を目指して1文字の習字を上げている

外人は漢字大好きだしな

でもインスタってとりあえずでも見てもらうことが非常に難しいSNS

国内の写真投稿サイトやブログの場合はなんとかなるのだが

明日、明後日はブログも休みだな

久しぶりにデジ一眼のバッテリーを充電した

今日は予想しないウイルスをもらわないように自宅から外へ出ていない

風邪でも引いたらせっかくの奈良ホテルの料理の味がわからなくなるしな

明日に備えて自宅待機なのだ

御朱印はどうするかなぁ

お堂一つルールを適用しないとまた御朱印地獄だよなぁ

法隆寺とかかなりの数があるみたいだしな

あとは奈良駅を出たらフリーWi-Fiを登録しないと

ピタッとプランが大変なことになる

まずは飯食ってホテルで荷物預けて地蔵大仏だな

そのあとで新薬師寺十二神将、白毫寺の閻魔様

戻ってきて元興寺

時間あればお土産物色

初日はこんなところか

電車混んでないといいがちょうど通勤時間に当たるんだよなぁ

まだ休みの人が多ければ幸いだ

 

 

それでは明日明後日はブログお休みです

無事生きて帰ってこれたら再開予定

大丈夫だろうな

そのまま閻魔様に地獄送りにされるようなことは無いと思うが・・・

そのためにもまず最初に福智院の地蔵大仏様を参拝してから白毫寺の閻魔様に会いに行く予定にしたんだしな

まぁなるようになれだ

東大寺が値上げ

2018年も2日目である

早くもUターンラッシュが始まっている

そんな中で昨日から東大寺が値上げをしていたのだ

俺は明後日から奈良へ旅をする

多分今回は東大寺にはいかないがやはり東大寺は奈良観光の外せないスポットである

東大寺の値上げは17年ぶり

文化財の保存や防犯対策などの費用に充てるという理由らしいが

確かに必要な経費ではある

でも儲かってるような気がするんだがなぁ

気のせいなのかなぁ

総本山とはいえ檀家が無いのは事実だが

観光収入など相当な稼ぎがあると思うが

境内の茶店の甘酒もびっくりするぐらいの値段だったと記憶している

東大寺はそれぞれのお堂ごとに拝観料がかかるシステム

今回の値上げの対象は大仏殿、戒壇堂、法華堂と東大寺ミュージアム

それぞれ大人料金が500円から600円になるという

ただし小学生は300円据え置き

これはいいことだな

しかし小学生が東大寺に行ったところで「大仏でけぇ」と思うだけである

実にもったい無い

東大寺は大仏殿以外の方が面白い

大仏殿、戒壇堂、法華堂、二月堂に東大寺ミュージアム、時間があれば四月堂も回りたちなみに法華堂は三月堂とも呼ばれる

ちなみに二月堂、四月堂は無料

眺めのいいスポットなのでここも回りたい

これら全部回ろうとすると600円かける4で2400円

確か大仏殿と東大寺ミュージアムはセットの券があるのでもう少し安くなるかな

それでも家族で行くと相当な金額になる

しかも御朱印集めしてる人がいたりすると大変だ

各お堂ごとに数種類の御朱印が存在する

やはり全部コンプリートしたくなるのが御朱印コレクターである

で、疲れたから「甘酒飲みたいな」となるとまた痛い出費となる

なので大仏殿しか見ない観光客は多いと思われる

せめて大仏殿と東大寺ミュージアムぐらいは据え置きにして欲しかったな

結構痛いよな

東大寺に行く途中には興福寺があるわけだし

そうなると「阿修羅見たいな」「加藤登紀子みたいな仏頭も見たいな」となるし

奈良国立博物館まで存在してるし

その他でも五劫思惟に白毫寺の閻魔様、新薬師寺薬師如来の十二人の愉快な仲間たち

京都もそうだけど奈良も家族で行くにはお父さん辛すぎるだろうな

でも500円なのが600円って

キリがいいのとおつり対策で100円単位で値上げするんだろうが

値上げ幅がすごいな

いきなり2割だもんな

これが他のお堂でも適用される

一気に売り上げ出ちゃうな

値上げできるって羨ましいな

俺の仕事なんか30年据え置きなのに

 

 

俺の体重が増え続けている

大晦日から毎日1キロづつ増えている

これは異常な数値である

アイフォンXを購入してからアプリに入力して摂取カロリーと消費カロリーと栄養のアドバイスを受けている

昨日も「もっと食べてもいいですよ」と健康管理アプリは俺にアドバイスをくれた

そして「たんぱく質が足らないですね」とも言っていた

それなのに昨日より1キロ増えている

多分腹にたまったウンコだと思うのだが

「おせちもいいけど食物繊維もね」ってとこか

 

 

昨日からインスタを始めた

まだ投稿数は少ないが

徐々に増やしていきたい

正直、インスタ映えする写真は難しい

俺は孤独だし、充実した生活もしていない

そのためにインスタ映えしない生活感みなぎる写真を投稿していきたいと思っている

とは言っても数枚はインスタぽい写真を撮影しておいた

今俺のアイフォンXの待ち受け画面になっているが、とてもいい感じである

今日は一月二日なので衝動的に書道アプリを購入してしまった

おかげでブラタモリそっちのけで書き初めに没頭した

スタイラスペンでの入力は力のコントロールが難しい

力を入れるところの抜くところがうまくいかない

それでも昔とった杵柄

俺は人生のうちで5年間だけ書道を習っていた

小学1年生から小学5年生まで

その間に獲得した賞は数え切れない

金賞に銀賞、最低でも入選は当たり前

小学生の頃の俺は入選というのは参加賞みたいに誰でももらえる賞だと思っていた

そして俺は4段まで昇格

しかし元々無理矢理やらされていた書道だけに途中で辞めてしまったのだ

そんな俺が40年の時を経て再び筆を取った

とは言っても携帯アプリでの話だが

筆をクロスのスタイラスペンに変えて俺は書きまくった

そして1枚

インスタにあげた

ぼちぼちと「いいね」がついている

そして俺は気付いた

今日の正直さんぽに出てた滝沢カレンじゃない方のお姉ちゃんが可愛くておっぱい大きくて気になって

誰だろう?と思って調べて

インスタに「いいね」してから俺のインスタにも「いいね」が増え始めた

リンクされてそこからやってくるのだろう

そして手当たり次第に「いいね」をすることでみんな自分へのアクセスを増やそうとしているのだろう

本音の「いいね」と営業活動の「いいね」

見分けるのは不可能である

 

 

ちなみに俺のインスタのアドレス

 

https://www.instagram.com/sababou47026715

 

2018年元旦

昨日は予定どおり夜9時に寝た

当然のことながら朝4時に目が覚めた

寒い中、布団の中に潜り込んでタブレットでネットをする

魔がさしたのかインスタグラムを始めてしまった

植物の観察記や外食記に旅の記録

ブログと並行して気が向いたときにやって行くかな

正直今までインスタってよく知らなかったが基本的には写真投稿がメインなんだな

まだ使い方は理解できていない

ストーリー?

よくわからんな

朝テレビをつけてみる

富士山からの初日の出の生中継

わざとらしい音楽をBGMに太陽が姿を表す

俺は今年も初日の出は見なかった

窓を開けてベランダに出るのさえめんどくさい元旦の朝

太陽を見たところで昨日となんら変わりは無い

昨日から体重を絞り始めた

アイフォンXの健康アプリにも体重や体脂肪にBMIなど入力している

とは言ってもまだ2日目であるが

昨日より僅かに体重が増えている

まぁ出すものの量によって1キロ2キロの増減はある

体脂肪も測るたびにコロコロ変わる

タニタさんも正確な数字は出せないみたいだ

裸足で乗るだけで体脂肪とか計れる仕組みもよくわからんしな

案外適当なのかもしれないな

北朝鮮金正恩が新年の辞

ICBMの実戦配備を高らかに宣言して

「米本土は核打撃圏にある」

「核のボタンは私の事務室の机の上にある」と新年早々脅しをかけてくる

しかし日本は正月ムード全開

おせちを食べて初詣へ行く

俺もロードバイクを引っ張り出してきて氏神様まで初詣

相変わらず参拝客はいない

天気がよく気持ちがいいので、そのまま走りに出る

車もほとんど走っていない

とても静かで気持ちがいい

信号待ちでふと前輪のタイヤがかなりひび割れてることを発見

後ろと違って前はずいぶん長いこと使ってるしな

予備のタイヤ一式は揃ってるが

この寒さの中で作業する気にはなかなか慣れない

まだいけるかな?

まだいけるかな?

そうやって自分に言い聞かせては明日もまた走る

それにしても普段は近所の子供達が奇声を発しているが

昨日から完全に沈黙している

みんな帰省してるのだろうか?

近所でありながら名前も顔も知らない人たち

お笑い番組でお盆で股間を隠す芸の人が失敗したそうだ

それにしても最近の年末年始の番組はつまらない

テレビ局もやる気が無いのか?

これが限界なのか?

クレームが多すぎて守りに入っちゃってるんだろうな

確かにネット配信のお笑い番組は見てる側がドン引きするようなことばかりやっている

全裸になりエロ本見て勃起

全裸になり放尿

全裸になり肛門に空気を入れて放屁

某アマゾンのオリジナル番組だが

森三中の人がお尻の穴を出そうとしたときには流石に全裸芸人たちも引き止めた

今日の夜は何するか?

多分また早く寝ちゃうんだろうな

今ヤフーで番組表を見ている

相棒SPだけ録画だな

明日2日は朝からブラタモリ一挙再放送

これやられると外に出られなくなる

その裏では正直さんぽで城崎温泉

これも外せない

そのあとで昼の12時から映画「人生フルーツ」

あんな暮らしをしてみたいもんだ

その裏で30分番組の

やまと尼寺 精進日記「師走 ゆずの香りで冬がくる」 

これも気になる

夜への繋ぎで

名古屋行き最終列車2017 スペシャル完全版

夜は当然

ブラタモリ×鶴瓶の家族に乾杯 初夢スペシャル「富士山・三保松原」

あとは「都庁爆破」なんて安っぽそうな新春ドラマスペシャルがあるんだな

予告映像だけでストーリーがわかってしまう

見所は吉川晃司のハイキック

2日まではこんなところか

 

すでに2日から帰省ラッシュが始まるって言ってるし

のんびりテレビも見てられないんだろうな

日本人は

 

2017年大晦日

ついにやってきた大晦日

今年最後の日である

今年は仕事が忙しく夏から何にもしないまま大晦日になった

ほとんど自転車にも乗れていない

その影響で俺の体は脂肪がたっぷりとついてしまった

血液検査の結果も芳しく無い

食べるな、飲むな

医者はそういうが、正月休みぐらい楽しみたい

酒はかなりの量がストックしてある

日本酒にウイスキーにビールに梅酒

でも今は我慢我慢

来るべき奈良旅に備えて

なんせ奈良ホテルが俺を待っているのだ

この時だけは解禁する

そのために正月だろうが1合で我慢我慢である

今日はブルートゥースイヤホンを購入した

JVCの一番安いやつだが

スマホやアマゾンのタブレット用に欲しかったのだ

でもパーカーのフードにコードが触ってガサガサするな

まぁ概ね満足だ

今年の年末年始の予算は昨年より増えてるそうだ

飲食、旅行、買い物代の予算は平均で7万2千円

これは昨年より2000円も多いという

しかも年齢が高くなればなるほど予算の増加が大きく

70代ではなんと1万3千円も上がる予定だ

ジジババも緩みまくりだな

俺の予算も今年はアップする

今年は頑張ったしな

奈良旅で仏像三昧するのだ

久しぶりの奈良、楽しみだ

予算は6万円ほど

ホテルと交通費と飲食で35000円から40000円ってとこか

残りの2万で拝観料と御朱印とお土産代だな

多分これでいけるだろう

飲食は奈良ホテル以外では贅沢しない

なんせ1月4日5日

おせちに飽きてジャンクなものが食べたくなる頃合いだ

お好み焼きにするかカレーにするか迷ってる

奈良のお土産は難しいな

迷ったら布巾なんだが、今ではどこでも買えちゃうんだよな

あの布巾

まぁいくつあっても困らないものではあるが

それか経由地の京都で買っちゃうのもアリかもな

2日目は法隆寺周辺散策だが

初日は時間との戦いになるかもしれない

検討していた唐招提寺薬師寺は捨てた

やはり俺が見たいのは白毫寺であり新薬師寺なのだ

何回も訪れてるとはいえ見たいものは見たい

それに加えてホテル近くの元興寺と福智院を回る

順番では元興寺、福智院からの白毫寺、新薬師寺

それで時間があれば東大寺や奈良博のミュージアムショップ巡り

多分時間がなく無理

せっかくなので奈良ホテル散策もしたいしな

あとは天気が心配だ

それにしても2日からUターンラッシュが始まるらしいが

毎年のことながら日本人は慌ただしいな

どうせなら成人の日が終わるまで休んじゃえばいいのに

俺は休むつもりだ

どうせそれ以降も仕事は暇だ

と、ブログを書きながらやり残したことが無いか考えてみる

神棚、仏壇関係さえ押さえておけば問題ない

あとは奈良旅の予定作成

Macのメモで作るか

下調べはほとんどしていない

ガイドブックも奈良は京都に比べるとろくなものが無い

女子に媚びたやつか老人向けになってしまう

仏像好きな孤独なおっさんに特化したガイドブックがあっても良さそうなのにな

結局一番優れた奈良本は亀井勝一郎の大和古寺風物詩

あれを超える奈良本はちょっと無いかもしれない

法隆寺は楽しみだ

前回は予算の都合で断念したしな

小学校の修学旅行以来だがあの時の記憶はほとんど無い

小学生の時の俺は完全に寺にも仏像にも興味はなかった

法隆寺といえば西岡棟梁

その西岡棟梁の弟子である小川棟梁の本も読み返しておきたいな

そうなるとついでに薬師寺にもってなってしまうが、さすがにそこまでの時間は無い

否、時間はあるが金が無いが正解か

せめて二泊できれば

まぁいい今回の最大の目標は初日は福智院で2日目は法隆寺

あとは時間が許す限り回るつもりだ

ただ素晴らしい仏像を前にすると俺は離れられなくなってしまう

今の時期は五劫院の五劫思惟が見れないのが幸いではあるが

あれを見たら帰れないだろうな

まるでアース・ウィンド・アンド・ファイアーマンUフェライニ

とてつもなく長い時間、考え続けた阿弥陀様の姿である

一度見ておかないとな

そうなると今回はまぁいいか

のんびりと行こう

 

明日は早朝から氏神様へ初詣

天気が良ければそのままサイクリングだな

新年走り初め

やはり自転車は楽しいしな

ただ浮かれた初詣客の車に跳ね飛ばされそうになるんだよな

大型連休の時って

明日のことは明日考えよう

今年も最後だ

スマホで除夜の鐘でも鳴らすかな

群馬県で昼間に除夜の鐘をつくお寺が増えてるらしい

大晦日の風物詩

除夜の鐘

俺も子供の頃は近所のお寺へ突きに行ったし今でも鐘の音は聞こえてくる

そんな除夜の鐘について調べてみた

除夜とは除日の夜ということ

「除」という言葉には古いものを捨て新しいものを迎えると言う意味があるそうだ

つまり今年が終わり新年を迎えるために突く鐘である

突く回数は108回

これは人間の煩悩の数だと言われているが俺の煩悩はとても108個では収まりきらない

煩悩の数だけ鐘をつき煩悩を追い払うという意味らしい

この煩悩の数については諸説あるみたいなのだが

まぁとにかく大晦日には108回の鐘をつく風習が仏教国の日本にはあるのだ

除夜の鐘といえば真っ先に思い浮かぶのが、ゆく年くる年

しかし俺はもう長い間ゆく年くる年を見ていない

そんな時間はとっくに寝ているからである

去年だっただろうか?

確かブログに除夜の鐘がうるさいという苦情が来るとか書いた記憶がある

そんな中、群馬県では半日前倒しで昼間から除夜の鐘を突くお寺が増えているという

もうなんでもありだな

もはや除夜の鐘の意味が無いような気がするが

これも時代の流れなんだろう

お坊さんへの不信感に今年からは神主に対しても疑心の目で見るようになってしまった

もともと神道も仏教もよく知らないのに神仏をありがたがる現代人

都合のいい時だけ適当に参拝する

そんな世の中だからこそ昼間に除夜の鐘を突いてしまうのだろう

理由としては

深夜の外出が難しい子どもやお年寄りにも伝統行事の鐘を体験して楽しんでもらうのが狙いだというが

最近の子供は深夜でも平気である

そもそも俺たちの時代でも大晦日だけは夜更かしが許されて友達同士で除夜の鐘をつき神社で初詣すると言う神仏習合なんでもありを行ってきたのだ

老人は寝ちゃう人も多いだろうが小さな神社の氏子なんかも高齢化してるので結構大変だろうな

深夜に火を焚いて番をしてないといけないのだ

うちの町内は高齢化で解散してしまった

若い者が何もやらないのでお年寄りがブチギレたのだ

70代と30代

怒鳴りあい罵り合う

そんな時代である

そんな高齢化の波は住職にもやってきている

もはや高齢で深夜に長時間の鐘突きの対応をするのは体力的に厳しいという

そんなことから昼に除夜の鐘となったみたいである

時間帯は午後1時から2時半まで

住職さんは「昼間にすることで小さな子どもも参加しやすくなる」と長所を強調す流そうだが、そこに仏教的な意味はあるのか?

最近では葬式の直後に初七日もやっちゃうしな

どうでもいいんだろうな

死んだ人の身になったら「おいおい俺、死んだ直後でまだ裁判が始まってないのにもう初七日かよ!!」って感じだろうな

「どうすんだよ・・・早すぎるよ」「まだ三途の川も渡ってないし」「奪衣婆どこにいるんだよ」「六文銭無いぞ」「ここ深え」「うわぁ流された」「助けてくれぇ」

こんなことになるのかもしれない

また昼と夜の2部制のお寺まであるという

108回の鐘を分けて、第一部が午後1時から54回、第2部が午後11時から54回鳴らすというのだ

まだこっちの方がマシかもな

一応年はまたぐはずだがタイミング次第では今年中に鳴らし終えてしまう可能性もあるな通常の半分だし

正式には107回を今年中に付き最後の1回を新年明けてから突くのが除夜の鐘みたいだが、うちの近所は多分108回以上突いてるな

数えてるところ見たこと無いし

まぁ煩悩いっぱいだしな

「昼間の除夜の鐘」は、2015年に群馬県の宝徳寺が始めたそうである

それが今では全国的にも広がりを見せはじめ静岡、三重、京都でも行われているという

元祖昼間の除夜の鐘の宝徳寺では都内からの団体客が訪れるなど人気が高騰

なんと今年は開始を午前10時に繰り上げる予定だという

煩悩とか関係なく単なんるイベント化しちゃったな

結局、人間の煩悩は罪深過ぎて除夜の鐘だけでは取り除けなかったんだな

多分地方の小さな寺院には広がりそうだな

若いお坊さんも昼間に仕事終わらせて夜は酒飲みたいだろうしな

そのうちスピーカーで鐘の音だけ鳴らすとか

スマホのアプリで除夜の鐘とか

そんな時代になるのかもしれない

と思ったらすでに除夜の鐘アプリあるみたいだ

昨日購入したアイフォンXに入れてみた

俺は今、除夜の鐘を鳴らしている

俺の煩悩が一つまた一つと消えていくようだ

でも残りは明日だな

そんな俺もやっぱり夜は眠たいので昼間にスマホで除夜の鐘を突くのだろうな