鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

山岳王バルギル

2017年ツール・ド・フランス第18ステージ

アルプス2日目

最終山岳ステージの登りゴール

決戦の地はイゾアール峠だ

最後の山岳ステージとあってこの日も逃げたい選手は多い

総合とは別に逃げ切りステージ争いになる可能性も高いからだ

すでにポイント賞も山岳賞もほぼ確定状態

争いはステージと総合系に絞られる

レースがスタートする

この日も果敢にアタックを仕掛ける新城幸也新城幸也

しかし簡単には逃がしてはもらえない

小集団で抜け出してもプロントンの動きが止まらない

とにかくチームとしてステージ一勝を狙いたい

そんな総合とは関係のないチームと前待ち作戦の総合系チーム

入り乱れてのアタック合戦だ

やがてスタートから14キロ地点で54人の巨大逃げ集団が形成される

その中にアスタナは3人送り込むことに成功

アル最後の攻撃のための前待ち要員だ

その他のチームも複数名逃げ集団に入る

体調が良ければ十分ステージが狙える選手も多数入った

そして逃げメンバーの中で1番総合タイムがいいのがフォルトゥネオのフェイユで33分遅れだ

最悪30分先行させてもスカイ的には全く問題はない

メイン集団はスカイがコントロール

逃げとの差は少しづつ開いていくが常にコントロール下に抑える

コロンビア人が3人並んで談笑しながら走る

パンタノ、キンタナ、ウラン先輩だ

今日はコロンビア連合もあるのかもしれないな

先頭の逃げ集団からは3級山岳に入りカルメジャーヌとデヘントがアタックする

山頂をデヘントが1位通過で山岳賞最後の抵抗を見せる

逃げ集団の中で細かな動きはあるものの決定的なものとはならずに大集団のままスプリントポイントへ

ライバル不在のコロブレッリがポイントゲット

ポイント賞では3位につける

あとはマシューズとグライペルがリタイアとなれば緑ジャージが転がり込んでくる

今年は呪われてるかのようなポイント賞ジャージ

まだまだ油断はできない

1級山岳に入るとシカールがアタック

すかさずアスタナのルツェンコがチェックに入る

そこにギャロパン、アタプマが合流して4人の先頭集団を作る

54人の逃げ集団はここで崩壊する

力無き者は脱落していく

この1級山岳をルツェンコが1位通過したことでバルギルの山岳賞は確定した

あとはパリまで走るだけだが

下りに入ると後方からパラパラと追いつく選手も

10人ほどで逃げるがうまく回らない

ギャロパンがブチ切れる

この時に3名が逃げ集団から抜け出した

先頭はアスタナのルツェンコ、フォルトゥネオのアルディ、コフィディスのエデだ

一方メイン集団はこれ以上差を広げたくないと

この日のバルデがステージをとってボーナスタイム10秒が欲しいAG2Rがスカイの前に出て集団を引き始める

逃げグループからゴティエが合流

これにより逃げとの差はどんどん縮まっていくがAG2Rはアシストを削っていく

そしてレースは最後の超級山岳イゾアール峠へと入っていく

先頭ではルツェンコが単独で抜け出す

追走にはUAEコフィディスが2名づつ、あとはギャロパンだ

メイン集団とのタイム差は4分15秒

十分に射程圏内だ

追走からエデが脱落

メイン集団では逃げから落ちてきたデヘントがメイン集団へと合流

デヘントはバルギルと握手を交わし、共に山岳賞を争ったライバルとして勝者バルギルを祝福する

先頭は残り8キロ地点でアタプマが追走集団から単独で飛び出し先頭のルツェンコを追う。そしてこの日はコロンビアの独立記念日である

やがて先頭のルツェンコを捉えて単独先頭に

メイン集団からはAG2Rのハイペースな引きでアルが何もすることなく遅れ始める

なんとか踏ん張っては再び遅れて追いつく

かなりのハイペースで引き続けたAG2Rがついにアシストを使い切る

そして再びスカイがレースをコントロール

フルームは別にステージはいらない

しかしどうしてもステージが欲しいバルデたち

すると既に山岳賞を確定させたバルギルだがステージ優勝目指して飛び出す

これに反応したのがコンタドール

やがて前からモレンマが降りてきてコンタドールに合流して2両編成の急行となる

先頭はアタプマ2位ルツェンコで3位にバルギルが上がってくる

スカイはまだアシスト3人を残している

Dマーティンが攻撃を仕掛けるがスカイに潰される

キンタナが脱落、そしてアルも力尽きた

クウィアトコウスキーが仕事を終える

まさにオールアウト、完全停止だ

残り5キロ

バルギルがコンタドールをぶち抜く

残り1・5キロ

先頭のアタプマに追いつき一騎打ちに

そして残り1キロフラムルージュ

バルギルが加速する

ついにバルギルが単独で先頭へ

快調に登りをこなすバルギル

アタプマを引き離し独走に入る

そしてこのイゾアールの山頂を両手で天を指差してゴール

ツール2勝目

そしてステージ勝利での山岳賞確定

やはり登りゴールの山頂をトップで登ってくる水玉ジャージは絵になる

 

フルームがランダに何か話している

行けランダ!

突然ランダがメイン集団から飛び出した

フルームマークで動けないバルデたち

ランダは単独でどんどん登っていく

一方メイン集団は牽制状態が続く

誰も動かないのか?動けないのか?

すると今度はバルデがアタックだ!

動くならここしかない

すかさずフルームとウランがチェックする

すると逃げから落ちてきた同じフランス人のギャロパンがバルデをアシストし始める

まさかのフランス人連合

最後の力を振り絞りチームを超えて同国のライバルであり友人でもあるバルデをアシストするギャロパン

しかし残り2キロ

短い下りに入る手前でフルームがアタック

下りを利用してどんどん差を広げるが捕まる

そこに先行していたランダが再び合流

ランダが引く

フルーム、バルデ、ウラン残り1キロを通過

残り400メートル

ここで再びバルデがアタック

最後の力を振り絞った全開のアタックだ

最後の総合系スプリント勝負

しかしフルーム、ウランを引き離せずタイム差なしのゴール

先頭のバルギルから20秒遅れでゴールした

 

優勝 バルギル

2位 アタプマ

3位 バルデ

4位 フルーム

5位 ウラン

 

バルギルは結果的に総合9位にまでジャンプアップ

将来はマイヨジョーヌを狙いたい宣言

ジロ制覇のデュムラン

ツール、ポイント賞のマシューズに山岳のバルギル

今後サンウェブは嬉しい悩みを抱えそうだ

 

今日は3級山岳が3つあるも基本的には平坦ステージ

なんとかステージが欲しいスプリンターチームだが

逃げ屋にとっても最後のステージ

スカイもサンウェブも明日は逃げ切られても問題はない

レースはカチューシャ、コフディス、ロットソウダル、ロットNLユンボ、ディメンションデータあたりが牽引することに

しかしアシストも疲労困憊で逃げとの差は縮まらない

そこで最後のチャンス

今日の予想は

逃げ切り新城幸也

2位は総合敢闘賞へ向けてデヘント

3位にヴォクレール

完全に希望的予想だな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

K点越えログリッチェ

2017年ツール・ド・フランス第17ステージ

いよいよアルプスに突入だ

逃げ切り可能なステージも残りわずか

総合エースのための前待ち作戦要因とともに、この日も多くの選手が逃げに乗りたいところだ

183キロの山岳ステージ

最初に2級登ってスプリントポイント、超級1級超級下ってゴール

特に最後の1級のテレグラフ峠を超えると超級ガリビエ峠はすぐにやってくる

長い長い2段階峠みたいな感じだ

スタート開始直後から激しいアタック合戦が始まる

新城もチャレンジするが決まらない

逃げが決まらないままレースはハイスピードで進んでいく

スタートから20キロ地点

かなり大きな落車が発生

端にいたカミングスなどはかなり遠くまで自転車ごと飛ばされた

幸いに柔らかい草むらに転がり大きな怪我はなさそうだ

テレビ画面に緑のジャージと赤白の水玉ジャージが映る

ポイント賞のキッテルと山岳賞のバルギルが落車に巻き込まれた

おそらく1番逃げに乗りたかったバルギル

バイクはフロントフォークが破損したが体は大丈夫な模様

スペアのバイクですぐに走り出した

問題なのはキッテルだ

かなりジャージが破れていて手足から出血もしている

そしてかなり痛そうだ

今日はマイケルマシューズとの中間スプリントポイント争いのためになんとしてでも2級山岳を集団内で越えたかっただろう

そのキッテルが落車、負傷した

これでこの日のポイン獲得は絶望的

痛みをこらえながらバイクにまたがり走り出すもシューズのクリートが壊れていてペダルにはまらない

かなりのタイムロスで再出発、その後メディカルカーで治療を受けて走り続けるも

途中リタイアとなってしまった

サガンカヴェンディッシュ、デマールに続いてキッテルまで

スプリント激戦時代の主役たちがまた一人、シャンゼリゼを目前にしてツールを去った

マイヨヴェールを着たままで

落車の発生と同じくして巨大な逃げ集団が形成される

サンウェブがマシューズのためのペースアップからだろうか

マシューズ、デヘント、モレンマ、ニコラス・ロッシュ、アタプマ、パウエルスなど有力メンバーが逃げに乗る

2級山岳山頂でマシューズがスプリント

デヘントを交わして一位通過

この日遅れたバルギルのためのアシストだがデヘントから笑いながらもネチネチ言われるマシューズ

しかしこの後は仲良く二人で先頭グループを作った

追走の巨大逃げ集団との差は1分以上メイン集団までは5分付いている

スカイの名アシスト、キリエンカ

常に無表情で淡々と集団を引き続ける彼だが、どうやらマッサージの時は冗談ばかり言ってるとの情報がスカイの宮嶋マッサーを通して中野さんから入る

この時点でどんなギャグなのか気になって半分レースに集中できなくなる

気がつくと中間スプリントポイント

逆襲のデヘントにも期待したがマシューズが定石通りにスプリントポイントゲット

この後でキッテルはリタイアすることとなるが、マシューズがポイント賞の首位となる

スプリントポイントを通過しても逃げをやめないマシューズ

デヘントとともに先頭を逃げ続ける

そしてそのまま最初の超級山岳へと突入した

後ろからはコフィディスのナバーロが合流

さすがにマシューズはここまで

勾配のきつい区間で脱落した

メイン集団からはキンタナがアタック

そして吸収

しかしこれにより動きが出て今度はコンタドールがアタック

風邪を引いた時のパブロン同様早め早めのコンタドール

これがあるからコンタドールは面白い

キンタナも再びアタックして二人仲良く追走集団を追うべくメイン集団から飛び出した

超級山岳はデヘントが一位通過

追走するコンタドールに逃げグループから降りてきたゴグルとパンタノが合流

3両編成だがトレック列車の完成だ

このままでは終わらない

最後になるかもしれないツールでステージ取って全世界へ向けてバキューンだ

グングン加速するトレック列車、車掌はコンタドール

やがて長い長い下り区間コンタドール特急は逃げ集団に追いつく

先頭の二人も吸収されて24名の先頭集団へと姿を変えた

一方メイン集団も50人ほどに人数を減らしている

その差3分だ

レースはついに1級のテレグラフ峠へと突入する

メイン集団から3分40秒のアドバンテージを持って1級の山頂を超えて下りに入る

この時、逃げ集団は12人に絞られた

いよいよ最後の超級山岳ガリビエ峠

ゲスト解説の土井選手のTシャツにもガリビエと入っている

一体どこで買えるのだろうか?

すると先頭集団からロットNLユンボのログリッチェが飛び出す

スキージャンプで頂点を極めた選手だ

突然現れた選手だがTTが早いのは知っている

果たしてこのツールの山岳ステージをこなせるのだろうか?

このログリッチェの動きにコンタドールとパウエルスが反応

すかさずナバーロ、アタプマ、マティアス・フランクが付いていく

この動きで先頭は6人に

山頂まで残り6キロ

グリッチェが再びアタックを仕掛ける

これには誰も付いていけずに、そのまま独走態勢に入る

メイン集団までは2分40秒

脱落していくキンタナ

スカイはアシストを3人残して万全の態勢だ

山頂まで3キロ地点でバルデ、Dマーティンの複合攻撃

遅れるアル

必死に追いつくアル

再び遅れるアル

メイン集団には落車したバルギルも追いついてきている

なんとか少しでも上の順位でガリビエを超えたい

メイン集団からは新人賞のサイモン・イェーツが脱落

どこか死角があれば双子のアダムと交代しても誰も気づかないのに

ガリビエの山頂はログリッチェ、アタプマ、バルギルの順番で通過

なんとか超級3位通過でほっと胸を撫で下ろすバルギル

後は下るだけだ

そしてコンタドールは山頂付近で吸収された

下りに入るとアタプマが遅れる

メイン集団は仲良くローテーションしながら下っていく

危険な下りだ

一つのミスで崖下へと転落する

アルが遅れてるだけに少しでもアルとの差を広げたいメイン集団だが

先頭のログリッチェとの差が縮まらない

結局下りを終えたところで先頭との差は1分15秒

残り10キロだ

ペースが落ちることなく独走するログリッチ

さすがにTTスペシャリスト

逃げ切り確定

余裕の独走勝利で恋人と家族が待つゴールへと飛び込んだ

まさかこのアルプスの山岳ステージで彼が勝つなんて誰が予想できただろう

見事な逃げ切り勝利であった

そしてスロベニア人初のツールステージ勝利

去年のジロでもステージ優勝

ロード選手になってまだ5年である

 

一方メイン集団はログリッチェから1分13秒遅れてゴールへやってきた

この日も見られる総合エース同士のスプリント勝負

やはりパンチ力ではウランが一枚上か

そんな顔をしている

ウラン、フルーム、バルデの順番でゴール

ボーナスタイム6秒でウランが2位に浮上

しかし3位のバルデもウランも同じく、フルームとの差は27秒だ

 

コンタドールは2回目の敢闘賞を獲得

しかし今回も悔しそうなコンタドール

他の選手にあげればいいのになと思うが、ツイッターでの投票も含まれる今年の敢闘賞

コンタドールの人気は相変わらず高いのかもしれない

今年は後半型に調整してきたフルーム

今日はいよいよイゾアールの登りゴール

TTを覗くと最後の総合争いのステージ

ここで勝負をかけないとバルデ、ウラン、アルのマイヨジョーヌは絶望的だ

しかしここにきっちりコンディションを合わせてきたフルーム

最後の早め早めのコンタドールが再び見られるのか?

3級超えてスプリントポイント

ここでは意地のマシューズが確実に取りに来る

その後1級山岳、ここでバルギルが動く

下ったら最後の超級イゾアール

大きな逃げ集団ができたとしてもこの峠で吸収されるだろう

疲労困憊の中で唯一自由に動けて登れる選手はバルギルぐらい

しかし確実に総合の戦いが勃発するステージ

アルは早めに仕掛けて自滅する

Dマーティン、バルデ、ウランとフルームに対して総攻撃を仕掛ける

しかし彼らがまず倒さなければならないのはラスボスフルームではなくランダである

総合上位勢の前にたち塞がるランダ

そして残り2キロでフルームアタック!

誰もついていけない

 

18ステージ予想は

優勝 フルーム

2位 バルデ

3位 ウラン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

横風マシューズ

2017年ツール・ド・フランス第16ステージ

休息日明けのスプリントステージ

休息日でリフレッシュした選手も多いが

体調を崩した選手も

ジルベールジョージベネットといったエース級の選手が、パリまで辿り着くことなくリタイアとなった

この日のコースは165キロ短い

最初に3級4級山岳を超えて後半は平坦になる

風が吹かなければ何も起こらないステージ

そしてこの日の主役候補の一人キッテルが山を越えることができれば何も起こらないステージ

しかしツールはそれほど甘くはない

スプリントステージとはいえ獲得標高は2000メートル

総合に関わる山岳ステージなら休息日明けは平穏にと言う空気も流れたりするグランツール、この日はスプリントと逃げのステージ

普段アシストをしてる選手たちがチャンスをつかむステージでもある

風は南から強風が吹き荒れている

何かが起こる予感

スタート直後からアタック合戦勃発

なかなか決まらずに集団は3級山岳へ突入

そこからまたアタック合戦の結果

デヘントにシャバネル、新旧逃げ屋を含む5名の逃げができる

そしてこの中にはワンティのデハントも

デヘント、デハント間違えやすいので注意が必要だ

集団はサンウェブがコントロール

今回のツールでサンウェブが狙うのはバルギルの山岳賞とマシューズのポイント賞だ

そしてこの日はマシューズのポイント賞に向けてチームは仕事をすることになる

おそらくはスタートからゴールまで

とりあえずは中間スプリントポイントを1位通過を目指す

そしてキッテルよりもなるべく前で取りたい

そのためにスプリントポイントまでに逃げを追いかけて吸収しなくてはならない

今年は意外なほど山が登れている進化系キッテル

この日も何とかこなすのでは?と予想してたが

サンウェブのペースにキッテルが遅れ始める

これを知るとサンウェブは全開で山を登り集団を引き続けた

どんどん遅れるキッテルを含んだグループ

その中にはブアニも含まれていた

まだ追いかけたい意思のある選手が残っている

必死にローテーションしながらメイン集団を追いかけるも差はどんどん広がっていく

先頭はシャバネルの単独逃げになるがメイン集団もキッテルを潰すいいチャンス

レースはハイペースで進み44キロ地点で、ベテラン逃げ屋シャバネルも吸収

ハイペースなためにその後も抜け出す選手は出てこない

このまま逃げのいない状態でレースは進んだ

相変わらずサンウェブがレースをコントロール

こういった場面を見るとつくづくチーム競技なんだと思う

しかし記録に残るのは勝った選手個人

今サンウェブのアシスト達が全力で仕事してることは我々の記憶にしか残らない

そんな自己犠牲によりエースは勝利をつかむのだ

追走のキッテルグループからは痺れを切らせたブアニ軍団が抜け出す

先頭との差は3分だ

今いかなければ最後の勝負には絡めない

覚悟を決めたブアニがアシストを引き連れて先頭を追い始める

途中でアシストが前から降りてきてジョイント

無謀かと思われたブアニ軍団だが見事に残り56キロ地点でメイン集団への復帰を果たした

中間スプリントポイントがやってきた

グライペル、マシューズ、コロブレッリの争いだが

先頭マシューズで通過

キッテルに対して20ポイントを詰めた

他のスプリンターにはポイント賞獲得のチャンスは、ほぼゼロ

そのためかマシューズにとらせるかのような中間スプリントだ

残り44キロ

キッテルとの差は約6分

ここまできたらキッテルの集団復帰は無い

ゴールが近づくにつれた強風が襲いかかる

時には向かい風

そして時には横風に

突然トレックが仕掛ける

コンタドールのアタックだが全く差をつけることすらできずに不発に終わる

残り20キロ

強烈な向かい風から横風に変わった

するとスカイが先頭に出る

横風分断作戦

ひまわり畑のひまわりが激しく風に揺られている

すごい光景だ

スカイは少しでも総合のライバルを落としてしまいたい

横風の中、ガンガンペースをあげるチームスカ

やがて集団は分断

さらにバラバラになっていく

その中にはDマーティン、マインティーズ、クリストフ、グライペル、ブアニが取り残されてしまう

その差18秒

そしてあっという間に30秒開いていく

そしてさらにその後ろにはコンタドールの姿が・・・

さらに先頭は加速する

風は追い風に変わっている

こうなったら追走はまず追いつけない

逃げ有利な展開だ

残されたスプリンターはマシューズ、ヴァンアーベルマート、デゲンコルブにボアッソンハーゲン

残り2キロ

ここでかつての名スプリンター、モビスタのベンナーティがロングスパートだ

ベテランになり晩年は横風職人として平坦スペシャリストにスタイルを変えたイケメンのベンナーティ

一か八かの作戦だ

しかしこのゴールのためにスタートから仕事してきたサンウェブ

ここで彼を逃すわけにはいかない

残り1キロフラムルージュを通過

アシストと共にマシューズが先頭に立つ

残り400メートルのコーナーでヴァンアーベルマートが先頭を奪還

そのままスプリントを開始する

残り200メートル

ヴァンアーベルマートの番手についたマシューズ

そのマシューズの番手はデゲンコルブだ

マシューズが先頭に出る

大外からボアッソンハーゲンがグングン迫り来る

横一線でゴールラインを通過

手を挙げた選手はデゲンコルブだが、その手は抗議の手

誰が勝ったのか?

選手たちもわかっていない

カメラがマシューズに集まる

写真判定の結果が出た

勝ったのはマシューズだ

この日1番仕事したサンウェブ

見事にマシューズのツール2勝目を勝ち取った

そしてこの日スプリントポイントを合計50ポイント荒稼ぎ

しかもライバルのキッテルはノーポイント

これによりキッテルとマシューズの差は29ポイントに

マシューズ奇跡の逆転ポイント賞に向けてまだまだサンウェブの戦いは続く

 

キッテル介護のためにアシストがいなかったDマーティンは総合を7位に落とし

パンタノ落車のコンタドールは11位に後退した

あれだけ警戒していた横風だが、スカイの攻撃の前に成す術がなかった

街路樹を見てるとかなりの暴風

俺なら半べそかきながら「早くお家に帰りたい・・・」となるところだ

おそらくハンドルを取られる恐怖に自転車から降りてしまうかもしれない

そんなとてつもない強風が勝負を決めた

 

 

今日は総合争いのステージ

2級超級1級超級、下ってゴール

183キロのステージだ

まずは中間スプリントポイントまではマシューズが逃げる

逃げに乗れなければサンウェブが全力で追いかけてスプリントポイントから再びアタック合戦

スプリンターたちは最初の2級山岳で脱落

総合は2つ目の超級山岳で攻撃開始

この日、調子のいい選手が差を広げる

そして逆に脱落する可能性も

バルギルは山岳賞確定のために逃げるかもしれない

バルギルが逃げたらそのまま逃げ切りもある

翌日が登りゴールなために逃げのステージでもあるがかなり登れないと逃げ切れない

総合エースのお供をしなくていいクライマー

総合争いとは関係ないエース

そんな選手が勝つだろう

あとは前待作戦でそのまま言ってしまえ系

スカイなど一人逃げに送り込む可能性もある

調子の悪そうなモントーヤが復活を遂げるステージになる気もするが

優勝は逃げ切りバルギル

2位ティボ・ピノ

3位ウリッシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

名駅ゲートタワー「なかめのてっぺん」あじフライ膳950円

とある木曜日のことである

俺は急な予定変更により呆然と名駅に立ち尽くしていた

まだ10時である

さてどうする?

せっかく街まで出てきたんだから昼飯でも食べて帰るか

そう思った俺はゲートタワーへと向かった

今日こそはゲートタワーでランチを食べてやろうという考えだ

下調べはしていない

果たしてどんな店が軒を連ねているのか?

俺はひとまず本屋へと向かった

巨大な三省堂である

さすがに平日だとほとんど人はいない

俺はこの巨大な本屋を独り占めした気分で本を物色した

これだけの品揃え

欲しい本もありすぎて困るぐらいだ

しかし俺には金がない

万感の思いで諦めて行く本たち

静かな場所でのんびりと全部読むことができたらどんなに幸せだろうか

今は7月

とりあえずはツールが終わって仕事がひと段落する10月まで読書はお預けである

そうやって考えると人生長いようで短い

あっという間に1年が過ぎていく

時は10時半

俺は上へ上へと登った

ビックカメラユニクロと通り過ぎていく

それにしても日本全国どこへ行こうが同じ店ばかりである

俺は12階にたどり着いた

お隣の高島屋と合体して巨大なレストラン街を形成している

フロアは12階13階

まずは一通りランチメニューをチェックすることにした

予算は1000円以下

4つ足禁止

これが俺のランチに課せられたルールである

しかし予算に関して数百円オーバーは要相談で増額される場合も多々ある

そして相談相手は俺の中のもう一人の俺である

それにしても早くも行列ができている店がある

ミート矢澤、たいめいけん

並んでいるのは女性ばかり

観光客なのか?昨日の残り物をつめた愛のない愛妻弁当を夫に食べさせて自分たちは豪華ランチを楽しもうというのだろうか?

俺が注目していた野菜料理の店も既に女性のみの行列ができている

さすがにこの列におっさんが紛れ込んだら変質者として通報されかねない

一応メニューを見てみた

かなり強気な価格設定

ダメだな

やはりここはある程度裕福な人たちのための店のようだ

俺のような貧乏人にはとてもじゃないが手が出せない価格設定の店が多い

確か店で働く人も時給がかなり良かったんだよな

結局1000円以下で食べれる物はほとんどない

4つ足禁止となると魚、鶏、野菜となる

鶏でも1200円オーバーとかになってくる

野菜料理になると無農薬だとか言い張ってぼったくり価格になる

しかし俺には既に目をつけておいた店があった

海鮮炉端系の居酒屋だ

屋号は「なかめのてっぺん」

店の前にはランチメニューの立て看板

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一番人気はぜいたく丼1580円

とてもぜいたくだ

俺には無理

鯛茶漬けはリーズナブルな価格

そして何と言ってもその隣に書いてある1000円以下のメニューが非常に魅力的なのだ

あじフライ

あこう鯛の西京焼き

金華沖鯖干物

チキン南蛮

三河豚肩ロース味噌焼き

三河豚は4つ足で1000円オーバーとなるので却下だが

俺は迷った

そして決断した

先週に引き続いてあじフライだと

なんと言っても境港と書いてある

非常に魅力的である

しかもこれらには全てに小鉢、茶碗蒸し、味噌汁、ご飯、漬物がつく

そしてご飯はおかわり自由だ

店の前には椅子が置いてある

どうやらこの椅子に座って待ちやがれってことみたいだ

そしてどうやら俺が一番乗りみたいだ

店員さんがメニューを渡してきた

これ見て先に決めとけよハゲってことらしい

見るまでもなく俺の心は決まっているのだが俺は一応迷うフリをした

次第に人が増えてくる

「これうまそうじゃね?」「ここでいいじゃん」

そんな会話が聞こえてくる

とてもイライラする話し方だ、我慢我慢

店員さんがメニューを引き取りに来た

「あじフライ膳と生ビールで」

早速カウンターへと案内された

手持ち無沙汰な俺はスマホをいじくりまわした

なかめのてっぺん検索検索

あっという間に俺のスマホは情報を調べて画面に表示させた

芸能人とか出てくるがこれなんだろう?

調べてみた

どうやら東京の中目黒の本店は芸能人と遭遇する確率が高いことで有名な店だそうだ

その店が名古屋に進出

そして今の段階では他の店より空いている

やはり名古屋では魚系は弱い

みんな4つ足に夢中だ

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机に上には様々な調味料がある

古式梅蜜

2段仕込み醤油

すだちポン酢

生梅

中濃ソース

七味唐辛子

これは迷うな

俺はあじフライに何をかけるか想像を巡らせた

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生ビールが運ばれてきた

確かキリンのはずだ

そしてこの店はビールの注ぎ方にも気を使ってるらしい

俺は早速一口飲んだ

ちょうどいい冷え具合

一番ビールを引き立たせる温度である

よくありがちなのは冷やしすぎた生ビール

あれはダメだ

炎天下の中でキンキンに冷えたものを最初だけ飲むならまだいいのだが

エアコン完備の店内でキンキン生ビールは最悪である

そんなビールを出す店は料理もイマイチな場合が多い

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そしてついに登場

境港のあじフライ膳 950円

大きなあじフライが2匹網の上に鎮座している

そして肉厚だ

小鉢に茶碗蒸し

かなりコスパは良さそうだ

なかなかこの辺りでこの値段でこれだけのあじフライには出会えない

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あじフライの脇を固めるのは名アシストのキャベツにレモン

そしてマヨとからしと言うスペシャリストたち

タルタルがないのが残念だが

まぁいい

豊富な調味料たちが俺を待っている

あじフライ

王道は醤油とソースのWエースである

キンタナとバルベルデ

アルとフグルサング

フルームとゲラントトーマス

そしていつも俺たちを悩ませるのである

魚には醤油がよく似合う

しかしフライにはソースもよく似合う

マヨなんて飛び技もいい感じだが

俺はまず王道の醤油を選択した

2段仕込み醤油を半分たらしたのだ

まずは一口

サクッ!

「おおお、こ、これは!!」

なんという肉厚なあじフライだろうか

そしてちゃんとアジの味が感じられる

これも肉厚だからこそなせる技

安い価格帯のアジフライだとただ単にサクサクフライで

これなら白身魚でも同じだなと思わせるようなものも少なくはない

しかしこれは境港のアジである

さすがとしか言いようがないアジフライだ

次に俺はレモンを絞った

そして俺がチョイスしたのは生梅

これは梅が香る醤油なのだ

ほんのり爽やかな梅の酸味とレモンの酸味

夏にはとてもよく似合う組み合わせである

俺は一口食べて

油を忘れさせるかのような爽やかな瀬戸内と紀州の風が俺の口の中を吹き抜けていく

幸せだなぁ

ただそれだけである

ここでキャベツをもりもり

とても胃に優しい

次に俺はマヨを少しつけて醤油マヨ

そして醤油マヨwithからしなど試してみた

どれも一口で抑えるには惜しい組み合わせ

さらに七味トッピングなんてものもある

一体アジフライはどれだけ俺たちを悩ませればいいのか

最低4匹は必要だな

すだちポン酢は次回に回して

次はもう一つの王道ソースを選択することにした

この店に置いてあるのは中濃ソースだ

俺は残りの1匹のアジフライに中濃ソースをかけた

「し、しまったかけすぎた・・・」

悔やんでもソースは除去できない

とりあえず食べてみよう

「うっ!」

とても濃厚な中濃ソース

ソースが甘すぎて肝心のアジの味が壊滅的状況に追いやられてしまった

これはソースが濃すぎる

そしてかけすぎた

これは失敗だ

ソースはソースでもウスターとコーミソースを揃えてほしい

この二つを揃えた上での中濃だ

いいアクセントになるはず

そしてそれらのソースを調合するための小皿も用意してほしい

俺は気を取り直してマヨやからしをつけた

さらに悪化した

こうなってはもう手遅れである

名古屋の味噌カツや味噌串カツも同じだが

中濃ソースには他のものを受け付けない強い個性がある

いきなり個性を受け入れるのは非常に難しい

この辺り店は検討の余地が必要だな

 

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これが小鉢

なかなかいい味付けで満足の一品

油の後の口直しには最適である

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そして茶碗蒸し

サイズはとても小さい

しかしその大きさからは想像もできないぐらい具沢山

食べ応え抜群である

そして卵の素材の良さが感じられる

しかしそれだけに出汁の旨味が薄い

俺が関西の茶碗蒸しに慣れすぎたのか?こんなものなのか?

俺には茶碗蒸しというよりも甘くないたまごプリンというイメージであった

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赤だしはシジミ汁である

これは嬉しい

俺は早速飲んでみた

「ん?」しじみの出汁がほとんど出ていない

俺はがっかりした

やはりコスト的に家で作るようにはいかないのかな

まぁ赤味噌系の味噌汁は難しい

俺はほとんど満足のいくものを飲んだことがない

味噌汁自体大変に奥の深い料理であることを俺は京都の志る幸で学んだ

しかしランチの味噌汁としては十分に合格点である

名古屋で味噌汁がうまいと思ったのは中村孝明の店かな

出汁と味噌のバランスが絶妙で

あそこの味噌汁は美味かった

 

今回のアジフライ膳

トータルでは非常に満足

できればタルタルと普通のソースを揃えてくれれば完璧だ

タルタルはチキン南蛮のがあるはずだしな

名古屋でアジフライを食べるのならここにしておけってぐらい気に入った

今度は鯖かな?あこう鯛かな?

でも一度はぜいたく丼も行ってみたい

当店ナンバーワン

しかし指名料は無料だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独走モレンマ

2017年ツール・ド・フランス第15ステージ

中央山塊を走る中級山岳

そして明日は2回目の休息日である

日本人にとっても海の日だ

スタートして直ぐにやってくる1級山岳

連続して3級もこなしてからスプリントポイント

しばらく下り基調を走り1級4級と連続で登って下ってゴール

今年のツール絶好の逃げ切りステージだ

同時に山岳を決めたいバルギル

キッテルとのポイント争いにおいて僅かでも可能性がある限り諦めないで出来る限りのことをやりたいマシューズ

当然逃げてステージ勝利したい選手

そして総合争いと新人賞争い同時に5つの争いが繰り広げられる

レースが始まると一斉に逃げたい選手が飛び出していく

その中にはトニーマルティンやバルギルの姿も

しかし直ぐに1級山岳がやってくるためにまだ逃げ切りメンバーは確定されない状態

マルティンが逃げグループをガンガン引く

カチューシャは2名逃げに送り込んでいる

後方からはトレックがガンガン引いて迫ってくる

コンタドールは再び攻撃を仕掛けるのだろうか?

先頭は10人ほどで最初の1級山岳に突入

差は1分30秒

バルギルの無茶なペースについていけない選手たちが遅れる

先はまだまだ長い今は自分たちのペースで登ればいい

そのバルギルの異常なハイペースに付いていったのは

バルギル、セルジュ・パウエルス(ベルギー、ディメンションデータ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)

ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)

スガブ・グルメイ(エチオピアバーレーンメリダ)の5人

まず先頭で逃げグループを形成する

とにかく最低限のノルマとして最初の1級山岳だけでもトップ通過したいバルギル

かなりのハイペースで登っていき山頂を一位通過した

この一級山岳で後方のメイン集団からアタックが始まる

バウケ・モレンマ(オランダ、トレック・セガフレード

ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール)

ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)

ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)

マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)など23名が追走グループを形成

やはり中間スプリントポイントそして最後まで逃げ切りたいマシューズがこの日も逃げに入った

追走の23人は60キロ地点で先頭と合流

28人の巨大な逃げ集団となる

メイン集団はスカイがコントロール

メイン集団は意図的に少しづつ逃げとの差を広げていく

逃げのメンバーで1番総合順位が上なのはBMCのカルーゾ、フルームから11分26秒遅れの14位だ

そのために10分程度なら逃しても問題はない

たとえカルーゾがマイヨジョーヌを獲得しても今後フルームの敵になる可能性は低い

そしてBMCは逃げにデマルキ、ロッシュ、モワナールと4人の選手を送り込むことに成功している

切るカードがありすぎてチームにしては嬉しい悩みだ

中間スプリントではマシューズが予定通り一位通過

キッテルとの差を20ポイント詰めていく

サンウェブもバルギル、マシューズ、ゲシュケと3人逃げメンバーに送り込んでいる

タイム差は7分残り66キロ

ここで隙をついてスルスルっと、ごく自然にトニー・マルティンが逃げメンバーから抜け出す

一瞬「ん?」といった感じの逃げメンバー

気がついたときにはすでに遅い

現タイムトライアル世界チャンピオン

決して逃してはいけない男である

とにかく単独で走らせたら世界一の選手だ

慌ててBMCが捕まえようとするもどんどん差を広げるマルティンであった

TTポジションを取り淡々と重いギアを踏み続けるトニーマルティン

こうなったらいくら人数を揃えようが平坦で彼を捕まえるのは難しい

追走集団から1分30秒差をつけて独走する

そしてメイン集団からのタイム差は9分30秒だ

すっかり独走するマルティンに釘付けである

2つ目の一級山岳に突入

残り40キロあたり

画面がメイン集団に切り替わる

「ん?」

先頭をAG2Rがガンガン引き倒している

いつの間にスカイの前に出た?

「ん?」

黄色い男が遅れている

間違いなくフルームだ

一体何が起きた?

どうやらフルームはメカトラみたいだ

道幅が狭いためにチームカーが上がってこれない

仕方がなくアシストからホイールを貰い再スタート

しかしAG2Rはまだガンガン引いている

詳細がよくわからなない

どうやら先にAG2Rがペースアップした後でタイミング悪くフルームにメカトラが発生したみたいだ

スポーク切れだと言うが

新品のデュラエースだろうに、怖いな

だがこれならライバルたちは別にフルームを待つ必要はない

絶体絶命なフルーム、40秒まで離される

だが律儀にもバルデやアルなどのライバルは攻撃を仕掛けない

なんとか追いつくフルームだが

アシストを失った

残るアシストはランダのみだ

そしてこのハイペースな展開にキンタナが遅れる

やはり調子もまだ日替わりみたいだ

 

先頭のマルティン

さすがに1級山岳にはいるとペースを落として追走集団に吸収される

HTC時代の総合もいけるかのような登りを期待してたが厳しかったみたいだ

先頭にはバルギルとパウエルスが出る

そしてバルギルが今日2つ目の1級山岳山頂を一位通過

これで山岳賞はほぼ確定させる

あとはできる事ならもう一回ステージも欲しい

ペースアップをしたメイン集団は7分差で追いかける

地元のバルデがアタックを仕掛けるが決まらない

沿道にはバルデの応援団がフルームへ向けてブーイングの嵐

やはりブイーングは不快になるが俺も子供の頃はナゴヤ球場でしきりに巨人の江川に向けて野次を飛ばしていた

結局メイン集団は何事もなく、みんなで仲良く山頂を通過する

 

逃げの先頭は相変わらずバルギルとパウエルスだ

ここからのバルギルは必死に先頭を走る必要はない

後続を待ってみんなでローテションした方が得策だ

2人に追走集団が追いついて再び合流

 

同じ目的を持つ仲間たち

ここまではチームを超えて協力してきたがそろそろ最後の勝負に向けての騙し合い、静かな戦いが始まる

残り29キロ

モレンマが下りを使ってアタック

そのまま最後の4級山岳を単独で登り独走態勢に入る

追走との差は18秒

まだまだ勝負はわからない

追走メンバーはバルギル、ログリッチェ、ウリッシ、ギャロパン

エース級の選手が揃っている

追いつかれたらウリッシ、ギャロパンに持って行かれる可能性が高い

とにかく逃げるしかない

しかしなかなかうまく回らない追走集団

徐々に追走の中でも牽制が始まる

スプリントで不利なバルギルなどローテーションを飛ばし始める

少しでも最後の勝負のために足を残しておきたいからだ

結果的に先頭のモレンマとの差は縮まらなくなる

残り10キロ、タイム差20秒

コースはアップダウンが続く向かい風

だがモレンマは力強く走り続ける

そのまま19秒の差をキープしたモレンマが余裕の独走勝利

かつてツール総合の表彰台も期待されてた男が

ツール・ド・フランス初ステージ優勝となった

ゴール後彼は「単独で走り続ける時間は永遠に感じたよ」と感慨深げに語った

 

残るはキンタナ以外の総合系勢揃いのメイン集団

4級山岳でサイモン・イェーツが仕掛けるが決まらない

そして総合6位のDマーティンがあったくを仕掛ける

これは見事に成功して独走態勢に入る

すると前方で逃げていたメンバーとDマーティンが合流

チームもみんなバラバラだが幸いにも総合争いをしているチームの選手は含まれていない

通常ならDマーティンの後ろを金魚の糞のようにくっついていく場面だが

なんとみんなDマーティンの協力をして先頭を引いてくれるのだ

違うチームの選手たちに助けられたDマーティンはライバルたちから13秒リードでゴールした

その他の総合系は仲良くゴールへと向かう

最後にフルームが意地の全力スプリント

6分25秒差の同タイムゴールで勝負はアルプスへと持ち越されることになった

 

総合4位までのタイム差が29秒

かなり接戦な今年のツール

今日は体調を崩しやすい休息日

果たしてどうなるアルプス最終決戦

 

 

休息日明けの第16ステージ

距離は165キロと比較的短い

前半に3級4級があって後半はほぼ平坦

おそらくスプリント勝負

今年はいつもより登れるキッテルが遅れるようなステージでもない

やっぱり優勝はキッテル

でもマシューズが勝った方が今後のマイヨヴェール争いは面白くなる

でもやっぱりキッテルには叶わない

優勝キッテル

2位マシューズ

3位ボアッソンハーゲン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狙い撃ちマシューズ

2017年ツール・ド・フランス第14ステージ

ピレネーを終えて中央山塊へ入る

この辺りはエキップ浅田の本拠地で新城にとって地元みたいな街だ

前半は比較的平坦なコースで後半はアップダウンが現れる

2年前にヴァンアーベルマートサガンに勝ったコースだそうで

そう言われればなんとなく思い出してきた

最後にパンチャーが活躍しそうな坂が控えているコースだ

この日も新城を含めて逃げたい選手は多いかと思われたが始まってみたらスタートアタックから

トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)

ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)の4人だけ

少し遅れてからカチューシャのレト・ホレンシュタインがメイン集団から飛び出した

無謀な一人アタックかと思われたが無事先頭の4人に合流した

この日もあっさりと逃げが決まってしまった

途中でスプリントポイントがある

そこで一旦吸収して再びアタックが始めればいいなぁと思っていたが逃げとの差はどんどん開いていく

結局2分差ほどで先頭をスプリントポイントで捉えることなく泳がした

どうやら新城はチームのエースコロブレッリが今日の勝負に絡みたいそうでチームから自由は与えられなかったみたいである

ただし逃げ切りが決まりそうな大集団逃げなら行くつもりだったそうだ

集団は今日のステージが欲しいチームが牽引する

マシューズのサンウェブとヴァンアーベルマートのBMCにバーレンメリダ

スプリントポイントではキッテルが一位通過でマシューズが2位

先頭の逃げは5人のままレースは2分差で淡々と進んでいく

この日のゲスト解説は弱虫ペダルの人

今年も相変わらず「漫画では難しいですね」

個人的にはキャプテン翼風にしなくてもリアリティのある漫画で面白いと思うのだがそれでは世間一般には受けないんだろうな

レース後半になると細かなアップダウンが繰り返される

横風警戒などと相まって集団も次第に緊張感が高まってくる

3級山岳でキッテルが遅れる

それを知ってかサンウェブ、BMCがペースアップ

その後の下りでキッテル合流するもすぐに訪れた3級山岳でテンダムが引き始めると再びキッテルは遅れた

そして逃げの5人からも脱落者が出る

デヘントとヴォクレールの二人に絞られた

残り32キロ地点

ヴォクレールが先頭を引かなくなったのでデヘントがアタック

ヴォクレールはついて行かずに集団へ戻ることを選択する

毎度おなじみのひとり旅の始まりだ

残り20キロでタイム差は1分

やはり逃げ切りは厳しい

残り13キロでデヘントは集団に吸収された

すると今度は集団からカウンターでカチューシャの選手が飛び出す

決して逃がしてはいけない男

現TT世界チャンピオンのトニー・マルティン

今年からは赤いジャージの赤マルティン

さすがにサンウェブが反応してマルティンを捕まえる

すると今度は同じくカチューシャのマウリス・ラメルティンクが飛び出した

なかなか勝てないカチューシャ

今年からはアルペシンがスポンサーについている

スポンサーからもチクリと言われたのだろうか?この日はカチューシャが積極的に動いている

そのカチューシャの新スポンサーアルペシンが去年までスポンサードしていたサンウェブがすかさずチェックに入る

BMCもサンウェブに続いてラメルティンクをチェック

すると集団からはもう一人フォルトゥネオのペリションがアタックして先頭は4人となる

しかし4人のうち2人はこの日のステージ優勝を狙いたいエースを抱えているチーム

要するに逃げたいカチューシャとフォルトゥネオを妨害したい2人なのだ

半分が妨害に入るので当然ローテーションもうまく回らずペースが上がらない先頭集団

結局はチームスカイによってコントロールされたメイン集団に吸収された

その後同じくステージが欲しいディメンションデータやクイックステップなどが先頭を引き始めて集団がかなりハイペースになる

あっという間に残り1キロフラムルージュを通過

クイックステップ、サンウェブ、BMC、ディメンションデータ、FDJが入り乱れてる中でブアニらしき姿が見え隠れする

残り600メートル

ベルギーチャンピオンのナーゼンが出る

しかしすぐに失速

すると今度はクイックステップジルベール

だが最後の坂で苦戦するジルベール

残り200メートル

ついにBMC、ヴァンアーベルマートがスプリント開始

前回この坂を制した男がここで動いた

そして先頭に出る

しかしその番手にはサンウェブのマイケルマシューズが

ヴァンアーベルマートを使い加速して先頭に出た

そのままグイグイ加速するマシューズ

後ろを何回も確認

そして勝利を確信

余裕を持ってのゴールパフォーマンスとなった

 

前回ここを走った時のマシューズは落車の怪我で満身創痍

思うように実力を出せなかった

そして再び同じ場所を走るチャンスが

最初から狙っていたこのステージで見事にチーム一丸となって勝利をつかんだ

 

先頭から1秒遅れでフルームがゴールしてもアルの姿が見えない

アルが来ないアルが来ない

25秒遅れてようやくアルがゴールした

どうやらゴール前のペースアップで遅れたそうだ

その姿を仕事を終えたクウィアトコウスキーに発見されてしまい

すかさず無線で「アルが遅れたアルが遅れた行け行けフルーム」

その結果見事にフルームがアルからマイジョーヌの奪還に成功した

総合は動かないかと思われたステージだったが終わってみれば

アルに18秒差つけてフルームが総合トップの返り咲き

アル18秒

バルデ23秒

ウラン29秒となっている

 

今日のステージはフルーム曰く「戦争」

アップダウンが続いて最後は1級4級こなして下りゴール

そして翌日は休息日だ

おそらく逃げが決まるステージ

デヘントは今日逃げた

再びチーム一丸で逃げに乗るディレクトネナジー

あとは総合争いに関係のないチームの登れる逃げ屋たち

デヘントが動けないならギャロパンかな

そしてワンティ、フォルトゥネオ

ディメンションデータもカミングス再チャレンジに再び山岳での逃げ切りボアッソンハーゲンも面白い

逃げ切りの予想は難しい

どうしても勝ちたいカチューシャも動いてくるかも

マシャドに逃げマルティンも見てみたい

ただやはり今日も期待を込めて

新城幸也の逃げ切り勝利

2位にはボアッソンハーゲン

3位にマルティン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度こそバルギル

2017年ツール・ド・フランス第13ステージ

ピレネー山脈の2日目

距離は101キロと通常の半分と非常に短いコース

しかし短いから楽ができるのではなく最初から最後まで激しい高速バトルで勝負に絡む選手には非常に厳しいコースだ

今回のコースはどうやら浅田監督率いるエキップ浅田のトレーニングコースだそうで

もちろん教え子の新城選手にとっても地元みたいなコースである

それだけに今日は逃げたいところ

しかし他にも逃げたい選手は多い

そしてこの日はフランス革命記念日

フランス人にとっては大切な日である

日本人の場合は愛国心がありすぎるとそれはそれで少々厄介なことになるからな

建国記念日とかも曖昧だし

前日はアルがマイヨジョーヌを獲得

果たしてスカイはどう出るのか?

正直このままの差で20ステージのTTまで行ってしまえばフルームの総合優勝はほぼ確定である

よほどのことが起こらない限りは

その他の総合争いは1秒でもフルームから差を広げておきたい

アル、バルデ、ウラン

しかしアシストがあまり機能していないだけに勝負どころまではコバンザメ戦法でいくしかないだろう

そしてアスタナの貴重なアシストでありエースでもあるフグルサングがパーレードランからおかしい

両手を離して走るフグルサングに余裕は全くない

どうやら相当骨折した手が痛いみたいだ

おそらく痛みでハンドルに手を置けない状態

そしてフグルサングは痛みをこらえて走るもレース途中でリタイアとなった

この日のコースは1級山岳を3つ登ってから下って平坦走ってゴール

最後の1級山岳を終えてからも先は長い

どこで誰が仕掛けるのか?

それとも仲良く総合系集団でゴールするのか?

レースが始まった

早速ヴォクレールがアタック

そしてバルギルもアタックをかける

ヴォクレールは引退前にもう一花咲かせたいベロベロアタック

バルギルはもちろん山岳賞アタックだ

しかし逃げたい選手は他にも多い

次から次へとアタックがかかる

やがてシャバネル、ジルベール、デマルキの3人逃げに

しかしこれも決まららない

新城も積極的にアタックを繰り返すが決まらない

そうこうしてるうちにスプリントポイントが迫ってきた

これでしばしアタック合戦は休戦

とりあえずはスプリンターの争いだ

マシューズ、キッテルの順番で通過

少しだけマシューズがキッテルとの差を詰めた

スプリントポイントを過ぎると再びアタック合戦

新城が入る10名ほどの逃げグループができるも決定的なものとはならない

そのまま1級山岳へ突入

デマルキが抜け出して最初の1級山岳を通過する

スタートから激しい超高速バトル

すでに残り70キロ地点

メイン集団からコンタドールがアタック

この日のコンタドールはかつての輝きを取り戻しつつあるかのようなキレがある

そこになんとスカイのランダがついていく

コンタとランダ

スペイン人連合で仲良くローテーション

メイン集団から20秒ほど差をつけて山頂を越えた

そして先行するデマルキも交わして先頭へ出る

まさかのコンタランダの逃げ

早め早めのコンタの仕掛けは予想通りだが決まるとは思わなかった

しかしコンタドールが元気だとツールは面白くなる

たとえ総合上位は難しくとも

ランダの逃げは全く予想していなかった

前日に監督ともめたことが関係してるのだろうか?

本当のことはスカイの中の人にしか分からない

スカイはいつも通りに集団をコントロールしてフルームを発射させたほうがいいような気もするが、とにかくランダは逃げた

次の1級山岳に入ると

メイン集団からはキンタナが飛び出す

これに反応してバルギルとクウィアトコウスキーがアタック

3人で追走グループを結成する

かなり豪華な逃げメンバー

メイン集団はタイム差2分半ほどでコントロールする

先頭のコンタランダと追走のキンタナたちとの差は30秒

2つ目の一級山岳を越えた

そしてすぐに最後の1級山岳がやってくる

全く談笑する暇もないこの日のステージ

ランダは仕切りにコンタドールを励ましながら走る

最大勾配18パーセントの壁が迫る

追走のキンタナ、バルギルもぐんぐん追い上げてくる

山頂付近でコンタランダにキンタナたちが合流

山岳ポイント目指してバルギルがアタックしてポイントゲット

これでこの日の目標の半分以上は達成した

あとはできることならステージ優勝

今度こそ勝ってガッツポーズをしたい

クウィアトコウスキーはどうやらチームからフルーム介護のために呼び戻された模様

メイン集団に合流して総合争いのメイン集団は8人となる

アル、フルーム、バルデ、ウラン、イェーツ、マーティン、マインティーズ、クウィアトコウスキー

メイン集団は先頭から1分43秒遅れで18パーセントの壁を越えていく

先頭の4名は仲良くローテーションして下りをこなしてゴールの街へ入る

メイン集団との差は再び2分まで開く

勝負はスプリント勝負に持ち込まれる

コーナーの多い街中を走り抜けていく

スプリント力はほぼ互角だろう

最初にコンタドールがアタック

キレのいいコンタのスプリント

しかしバルギルが反応してコンタを交わす

そしてそのままゴール

フランス革命記念日にフランス人バルギルが今度こそ本当にステージ優勝を遂げた

しかし今日は泣かないバルギル

でも嬉しいバルギルであった

 

残すは総合争い

最後の下りは勾配が緩く結構踏みこめる下りだ

そのために集団での牽制アタックが続く

フルームにバルデにウラン

だが決まらない

さすがに完全マークから抜け出せない

そこで比較的マークのゆるいDマーティンとサイモン・イェーツが飛び出す

この二人なら多少は先行させてもOKだ

結局二人はバルギルから1分39秒差でゴール

フルーム集団も特に争いもなく同タイムのゴールとなった

先頭との差1分48秒

総合上位の順位は変動なしだ

そしてランダが総合5位まで上がった

再び生まれるのかスカイの中の確執

ただTTが残ってるだけにランダがフルームを交わすのはかなり厳しい

 

敢闘賞はコンタドール

真の敢闘賞はバルギルだろうが「頑張ったで賞」的な敢闘賞に、あまり嬉しそうでないコンタドール

やはり彼が欲しかったのはステージ優勝

そして我々が見たかったのは久しぶりのバキューンである

そんなコンタドールが子供の頃からの憧れだったバルギル

憧れの選手を力でねじ伏せてのステージ勝利となった

総合は無理だが山岳賞は独走中だ

今後はフランス人マイヨジョーヌ獲得のためにチームを超えてアシストしたいとも語った

次なる勝負はアルプスである

 

今日は一癖ある平坦ステージ

細かなアップダウンもあるそうで一筋縄にはいかないステージみたいだ

そしてここはエキップ浅田の本拠地

これはもう新城の逃げを期待するしかない

おそらくキッテルはスプリントには絡めない

スプリント勝負ならマイケルマシューズだろうが

期待を込めて優勝は新城の逃げ切りで

 2位はヴォクレール3位ゴティエと同僚対決で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝バルデ黄アル

2017年ツール・ド・フランス第12ステージ

いよいよピレネー山脈に突入

クイーンステージに次ぐ勝負どころ

前半は平坦だが残り半分は山だらけ

2級1級超級1級2級

特に最後の2級山岳は距離は短いが急勾配だという情報だ

そしてその場所は小型機の滑走路らしい

全く想像がつかないな

急勾配な滑走路って

レースが始まると予想された通りにアタック合戦が始まる

その中には新城も含まれたが、なかなか逃げが決まらない

山岳賞狙いのバルギルも必死にアタックするが逃げには乗れず

プランBで途中から逃げる作戦に変更だ

なんせ長丁場、総合が動けば逃げは簡単に吸収されて次の動きが始まる

逃がしてもらえるかどうかは全てスカイ次第だろう

気がつくと12名の逃げが決まる

その中には緑男キッテルとマイケルマシューズが

彼らは中間スプリント狙い

キッテルにとっては

初めてのおつかいならぬ初めての逃げだ

お父さんお母さんも心配だろうが

ちゃんとカメラが見守ってくれる

それも国際映像で

その他の逃げメンバーにはディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ

今日も逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

今年も逃げるスティーブ・クミングス(イギリス、ディメンションデータ)

彼らは最初の1時間を時速48・5キロで逃げた結果

メイン集団とのタイム差は最大で6分半まで広がった

逃げが決まると直ぐにフルームは、おトイレタイム

奇しくも黄色い花満開のひまわり畑の前で黄色いジャージの男がトイレ休憩となった

レースはそのまま進みスプリントポイントに差し掛かる

キッテルとマシューズの一騎打ちだ

僅差でマシューズが中間を制して20ポイントゲット

しかしキッテルが2位に入ってるために17ポイントゲットでその差3ポイントしか縮められなかった

まさかキッテルがついて来るとはマシューズも予想外だっただろう

しかしかなり登れるスプリンターのマシューズにはもう一つのお仕事が残っている

同僚で山岳賞を狙うバルギルのための山岳ポイント潰しだ

逃げメンバーの中で今後バルギルの山岳賞のライバルになり得る可能性のあるデヘントのポイントをを潰すためである

4級2級山岳はデヘントが1位通過したが1級山岳では見事にマシューズが1位通過を果たしてこの日のバルギルの山岳賞キープを確定させた

それにしてもスプリンターが一級山岳山頂でスプリントして制する場面なんて初めて見たな

新城がヴォクレール引き連れて登った時も驚いたが

キッテルは1級山岳で予想通り逃げ切り終了

しかし初めての逃げはある意味成功

中間スプリントポイントで被害を最小限に抑えたからだ

キッテルパパママも一安心だろう

あとは無事にゴールするだけだ

BMCのキュングが走りながらのおトイレタイム

カメラは前方から映している

「あっ!」と思った時は遅かった

そのあともしばらく映し出されるジャンボ魚肉ソーセージ

スイッチングが気づいていなかったのかもしれないな

彼のアレは世界中に生中継された

逃げは11名になった

一方メイン集団はスカイが通常通りコントロール

その差は4分20秒で超級山岳へ突入した

まず一つ目の動きが期待される超級山岳だが、逃げグループでは生き残り争いとなる

超級山岳に入ると逃げのメンバーも力の差と体調の差が出てくる

さすがに超級ではごまかしきれない

まずはデヘントが抜け出してカミングスが後から合流して先頭は二人になる

その後からゴチエが単独で追いかける展開だ

超級の山岳ポイントを目指してデヘントが仕掛けるがカミングスに交わされて1位通過ならず

そのままカミングスの一人逃げが始まる

追走のメイン集団は順調にタイム差を縮めていく

しかしアスタナのフグルサングは落車骨折の影響で遅れ始める

また一人主役が怪我で脱落した

フォルトゥネオからブエとフェイユが二人でアタック

スカイは無反応

行かせても問題のない選手とチーム

無事に通行手形は発行された

しかし結局は力及ばず再びメイン集団へと吸収される

義兄弟

どうやらフェイユがブエのお姉ちゃんと結婚してるそうだ

親戚一同かなり盛り上がったことであろう

そのあとでバルギルが山岳賞アタック

それに乗っかろうとコンタドールが「俺を忘れるなアタック」

しかしスカイは無反応

かつての絶対的王者のアタックだがちょっと寂しい気がする

一つの時代が終わりを迎えようとしている

そしてバルギルとコンタドールも淡々と引き続けるスカイに吸収された

一人逃げのカミングスは超級山岳を通過

メイン集団との差は2分

逃げ切りは厳しい

下るに入る

特に攻めてる分けではないがスカイがオーバーランその中にはフルームも含まれる

それに巻き込まれてアルもオーバーランで二人とも停車を余儀なくされる

落車がなかっただけマシだ

二人のトラブルはトラブルではくミスなのでライバルたちは待つ義理はないのだが何故か律儀に二人が復帰するまでペースを落とすメイン集団

まぁスカイのアシストに最後までお仕事をして欲しかったのかもしれないな

フルームとアルを置き去りにするには、まだまだ早いってことだろう

それだけみんないっぱいいっぱい

一級山岳に入る

この日もこの男がガンガン集団を引き続ける、クウィアトコウスキー

給料上げてやってほしいな

相変わらずスゴイ仕事量だ

そして今度はキンタナがついていけずに脱落

やはりジロのダメージは相当大きい

残り8キロカミングス吸収

12名で1級山岳は争いなく通過する

やはり勝負は最後の急勾配の2級山岳だ

アルとバルデの表情がいい

フルームはいつものように分からない

スカイの引きはニエベに交代

残すアシストはニエベとランダ

この時点で二人もアシストを残すスカイ

やはり圧倒的なチーム力だ

一週目はこの二人の仕事は少なかったがそれも計算してのことだろうか?

短い下りを終えるといよいよ滑走路へと突入

残り2・4キロだが最大勾配20パーセントだ

最後の最後でこの勾配はさすがにこのレベルの選手でもキツイ

スカイは最後のアシスト、ランダを投入した

ランダがかなり調子よさそうだ

太い眉毛でグイグイ牽引

ここで同じく眉毛の太いコンタドールが遅れた

ハイペースで誰も動けない

残り1・5キロ

まだ動けない

残り1キロフラムルージュを通過

まだランダが引いている

そして誰も動かない

残り800メートルでジョージベネットがアタック

しかしランダが冷静にコントロールして吸収

残り500メートル

ウランが前方に上がりスプリントに備える

そこでアルがアタック

イタリアントリコロールに身を包んだ顔の長い男

自転車を大きく左右に振りながらガシガシ

アルのアタックには全員が反応

こうなったらあとは力勝負だ

そしてやってくる最大勾配

フルームが遅れた!!

アルにウランとバルデが迫る

まさに力勝負

エース同士のガチバトル

勾配がかなりキツイ

なかなか進まないスプリント

そして確実に遅れていくフルーム

ランダは前方でスプリントに参加

最初に仕掛けたアルは力尽きバルデに交わされる

フランス期待の星に迫り来るコロンビアの野獣

この激しい戦いを制したのは

フランス人、バルデだった

 

ウラン、アルは2秒差でゴール

そしてマイヨジョーヌのフルームは22秒差となった

ボーナスタイムが加算されて

マイヨジョーヌはアルの手に

2位のフルームとは6秒差

3位のバルデが25秒差

4位のウランが55秒差となった

 

バルデはこの最後のコースを試走していたそうだ

そして勝負どころまで我慢してたんだな

結果的にスカイのアシストがバルデのアシストでもあったのかもしれない

盤石かと追われたフルームだが

ここにきてまさかのマイヨジョーヌを手放すことに

今日も厳しい山岳ステージ

距離は短いが、短いだけにハイペースなレースになる可能性が高い

スカイの復讐

マイヨジョーヌ奪還のためにスカイが全力を出すのかもしれないな

ピザ野郎には渡さない

やはりフィッシュアンドチップス

しかしフルームの調子が分からない

たまたまバッドディだったのか?

それとも落ち始めてるのか?

どっちにしろこれで俄然と面白くなった今年のツールだ

 

そこで今日の予想

距離は101キロと短い

そのために凝縮された高速バトルが最初から最後まで続く

最後は1級を下ってゴール

ここでフルームのスーパーダウンヒル

しかしなんか嫌な予感がする

何も起こらねければいいが

総合上位で仲良く下りきればフルームだろうが

そしてこの日はフランス革命記念日

当然勝ちたいフランス人

こんな日に狙うのはディレクトエナジー

最初からチーム一丸でアタック合戦

ヴォクレールとシャバネルにケムヌールそしてカルメジャーヌ

映画ならヴォクレールのベロベロで逃げ切りだろうが

さすがに今の彼では難しい

カルメジェーヌの2回目の逃げ切りも厳しいかな

バルギルも逃げたいけど調子が落ちてきてるような気がする

やっぱりスカイが意地の攻撃仕掛けてきそうだしな

最後は総合上位のスプリントで

優勝ウラン

2位Dマーティン

3位アル

 

そのあとでバルデ

少し遅れてフルームだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5勝目キッテル

2017年ツール・ド・フランス第11ステージ

ピレネー山脈の入り口の街ポーへゴールする平坦ステージだ

距離は203キロ

ほぼ平坦だが4級山岳が一個だけある

特別この僅かな山岳ポイントを欲しがるものは今年のツールにはいない

レースがスタートすると一斉に3人が飛び出す

マルコ・マルカート(イタリア、UAEチームエミレーツ

マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

フレデリック・バカールト(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)

そしてこの日もこの3人の後に続く者はいなかった

メイン集団も5分差程度で抑えて走る

この日も集団を引くのはクイックステップとロットソウダルとカチューシャ

それぞれキッテル、グライペル、クリストフのためだ

クリストフは水面下でアスタナとの交渉が進んでるらしいが、アル、フグルサングと総合系を抱えるチームだけに大丈夫なんだろうか?

少なくともツールでは満足なトレイン要因は用意してもらえないだろう

この日は向かい風

それでも平均44キロほどで走る逃げ集団

メイン集団も途中からやる気を出して2分半までタイム差を縮めて維持する

コースは直線の平坦

集中を欠く選手も多いだろう

そんな中、補給ポイントで落車が発生した

アスタナのカタルドが手を痛めてリタイア

同じくアスタナのエース、フグルサングも手を痛めたもようだが再スタートした

あとは総合優勝を狙うバルデも落車

怪我の具合は軽いみたいだが、本当のことはわからない

途中から集団が横風を警戒してピリピリし始める

そのために自然とペースアップ

残り30キロ地点では逃げとの差が30秒に

もういつでも捕まえられるタイム差だ

すると逃げの3人の中からボドナールが単独アタック

他の二人をぐんぐん引き離す

さすがに独走力のあるボドナール

去年のツールではサガンやフルームと一緒に逃げ切っている

あと30秒が縮まらなくなる

そしてメイン集団はこの日も激しく位置取り合戦を繰り返す

全チームが横風を警戒している

すると残り22キロ地点でまたまたコンタドールが落車

すでに総合争いからは大きく離されているが、アシストに助けられてなんとか集団復帰を果たした

それにしても引退が近い選手は本当によく転ぶ

逃げのボドナールとの差は一向に縮まらない

残り10キロ地点では40秒

コースも逃げ有利なコースが続く

逃げ切りか?

少しづつだか差を縮めながら残り1キロのフラムルージュを通過

まだ捕まえられない

各チームはスプリントに備えての位置取り

残り250メートルでようやくボドナールが吸収される

あと250メートル

200キロ以上逃げてきて残り250メートル

しかしその250メートルは200キロよりも遥かに遠い

そして集団はそのままスプリントに入る

キッテッルが強すぎるためにまともなスプリントでは勝てない

ボアッソンハーゲンが雪辱を晴らすロングスプリント開始

続いてマイケルマシューズ

キッテルはこの日もかなり後方からのスプリント開始

その番手をフルーネウェーヘンが取る

グングン加速するキッテル

ついにボアッソンハーゲンも捉えて先頭に立つ

フルーネウェーヘンはキッテルに並びかけるも交わすまではいかない

この日も最後まで踏み込まずに勝利を確信してのガッポーズとなった

 

それにしても強すぎるキッテル

 

まともにやりあってはまず勝てない

とりあえずレースはピレネーに入る

スプリンターはしばらくおやすみ

今日は逃げが決まる可能性が大きい

総合も動くが逃げは逃げで逃がしてもらえそうな予感

ウランが総合上位でなければローランとか面白かったが

さすがに自由はもらえないかな

あとはコンタドールの介護をしなくてもいいのならパンタノも狙えそうだ

UAEのウリッシ

BMCはロッシュ

でもやっぱり山岳賞狙いで確実に逃げるバルギルだな

 

優勝逃げ切りバルギル

2位ヴィエルモーズ

3位フルーム

 

 

 

 

 

 

 

余裕4勝キッテル

2017年ツール・ド・フランス第10ステージ

休息日明けの平坦ステージだ

9ステージ時の落車の影響でマイカもリタイア

9ステージはスカイのクウィアトコウスキーに助けられながらもなんとかゴールしたが痛みがひどくて10ステージにてリタイアとなった

これでボーラはスプリントと総合のエースを失った

一週目で主役たちが姿を消していく中で始まった2周目

ピレネーを目指す平坦ステージ2連戦

4級山岳が2つあるが、それだけである

今年は1円貯金争いすら起こらないツールの山岳争い

何かが変わり始めてる気がする

レースが始まる

最初にアタックを仕掛けたのはワンティのオフルド

グイグイと踏み込んで後続を突き放す

そして後ろを振り向く

誰もついてきていない

思わず頭を左右に降るオフルドであった

この日も誰も逃げたがらない

オフルドのバイクのトップチューブには愛する家族の写真が貼ってある

「今日はパパ頑張るからな」と家族に伝えたかもしれない

しかし無情にもプロトンは無反応

それに見かねたのか同じワイルドカードでの出場のフォルトゥネオのジェスベールが来てくれた

3キロ地点でめでたく合流

この日は二人の逃げが決まった

メイン集団はクイックステップとロツトソウダルが牽引

いつものヴェルモトだ

ロットソウダルのバクと交代しながら集団を引いた

逃げとのタイム差は5分半まで開く

選手たちはフランスの観光地でもある今日のステージをおやつを食べては談笑して走りに抜けていく

周りにはこの日も広大なひまわり畑が広がり古城もたくさんある

しばしレースのことは忘れて風景に見入ってしまう

4級山岳はジェスベールがゲット

中間スプリントはオフルドと仲良く分け合う

メイン集団では中間スプリントポイント争いが軽く勃発

みんなそれほど踏み込むことなくライバルの後ろで通過してなるべくポイントが開かないようにする

ワンデーなら途中で動きもあるようなコースだがステージレースでは誰も動かない

この日もただひたすら逃げを泳がしながらゴール前まで進んでいく

残り距離が少なくなるに連れて集団内での位置取りが激しくなる

スプリンター系、総合系入り乱れてトレインを組む

残り7キロで予定通り逃げは吸収

若いジャスベールが敢闘賞をゲットした

逃げを吸収してより一層激しくなる位置取り争い

ロットソウダルとカチューシャの争いだ

残り5キロを切るとコーナーが続く

仕事を終えたアシストがバラバラと集団から離脱

残り1キロのフラムルージュはロットソウダルとカチューシャが先頭で通過

カオスな状況の中で全体のペースがやや落ちる

誰が行く誰が行く?

今年のツールは最初にサガンが押し出されることが多かったがサガンはすでにいない

次第にトレインも崩壊

エース単独や発射台のみとなる

残り300メートルでまずはクリストフが発射

それを合図に各スプリンターもスプリント開始

後方からフォルトゥネオの選手が迫り来る

そしてその番手には緑男キッテルだ

この日も後方からのスプリントを開始したキッテル

フォルトゥネオフォルトゥネオの選手をうまく発射台として使い加速する

残り200メートルだ

この時点でキッテルの勝利は確定

デゲンコルブやブアニにフルーネウェーヘン

みんな軽くぶっちぎり

最後は足を止めて余裕の両手を広げてからのガッツポーズでゴール

2017年のツール4勝目を決めた

 

今の状況を見てるとキッテルVSその他

そしてキッテルが頭3つ分以上抜けている

まるでパワーが違う

一体どうすれば彼に勝てるのか?

クイックステップ以外のチームが団結して横に並んで手をつないで道を塞ぐしかないな

まずは早めにエースを前に出しておいてアシスト陣がキッテルの前で道を塞ぐ

そして前に出ていた残りのエーススプリンターたちがフラムルージュをスタート地点として勝負をする

これだな

 

今日も平坦ステージ

しかもピレネー

また誰も逃げたがらない

おそらくワンティでも「おまえが行けよ、いえいえあなたがどうぞ」状態かもしれない

そしてやっぱり勝つのはキッテル

優勝キッテル

2位クリストフ

3位ブアニ