鯖棒亭日乗(下)

日常の記録写真と駄文  sababoutei@gmail.com

名駅ゲートタワー「なかめのてっぺん」あじフライ膳950円

とある木曜日のことである

俺は急な予定変更により呆然と名駅に立ち尽くしていた

まだ10時である

さてどうする?

せっかく街まで出てきたんだから昼飯でも食べて帰るか

そう思った俺はゲートタワーへと向かった

今日こそはゲートタワーでランチを食べてやろうという考えだ

下調べはしていない

果たしてどんな店が軒を連ねているのか?

俺はひとまず本屋へと向かった

巨大な三省堂である

さすがに平日だとほとんど人はいない

俺はこの巨大な本屋を独り占めした気分で本を物色した

これだけの品揃え

欲しい本もありすぎて困るぐらいだ

しかし俺には金がない

万感の思いで諦めて行く本たち

静かな場所でのんびりと全部読むことができたらどんなに幸せだろうか

今は7月

とりあえずはツールが終わって仕事がひと段落する10月まで読書はお預けである

そうやって考えると人生長いようで短い

あっという間に1年が過ぎていく

時は10時半

俺は上へ上へと登った

ビックカメラユニクロと通り過ぎていく

それにしても日本全国どこへ行こうが同じ店ばかりである

俺は12階にたどり着いた

お隣の高島屋と合体して巨大なレストラン街を形成している

フロアは12階13階

まずは一通りランチメニューをチェックすることにした

予算は1000円以下

4つ足禁止

これが俺のランチに課せられたルールである

しかし予算に関して数百円オーバーは要相談で増額される場合も多々ある

そして相談相手は俺の中のもう一人の俺である

それにしても早くも行列ができている店がある

ミート矢澤、たいめいけん

並んでいるのは女性ばかり

観光客なのか?昨日の残り物をつめた愛のない愛妻弁当を夫に食べさせて自分たちは豪華ランチを楽しもうというのだろうか?

俺が注目していた野菜料理の店も既に女性のみの行列ができている

さすがにこの列におっさんが紛れ込んだら変質者として通報されかねない

一応メニューを見てみた

かなり強気な価格設定

ダメだな

やはりここはある程度裕福な人たちのための店のようだ

俺のような貧乏人にはとてもじゃないが手が出せない価格設定の店が多い

確か店で働く人も時給がかなり良かったんだよな

結局1000円以下で食べれる物はほとんどない

4つ足禁止となると魚、鶏、野菜となる

鶏でも1200円オーバーとかになってくる

野菜料理になると無農薬だとか言い張ってぼったくり価格になる

しかし俺には既に目をつけておいた店があった

海鮮炉端系の居酒屋だ

屋号は「なかめのてっぺん」

店の前にはランチメニューの立て看板

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一番人気はぜいたく丼1580円

とてもぜいたくだ

俺には無理

鯛茶漬けはリーズナブルな価格

そして何と言ってもその隣に書いてある1000円以下のメニューが非常に魅力的なのだ

あじフライ

あこう鯛の西京焼き

金華沖鯖干物

チキン南蛮

三河豚肩ロース味噌焼き

三河豚は4つ足で1000円オーバーとなるので却下だが

俺は迷った

そして決断した

先週に引き続いてあじフライだと

なんと言っても境港と書いてある

非常に魅力的である

しかもこれらには全てに小鉢、茶碗蒸し、味噌汁、ご飯、漬物がつく

そしてご飯はおかわり自由だ

店の前には椅子が置いてある

どうやらこの椅子に座って待ちやがれってことみたいだ

そしてどうやら俺が一番乗りみたいだ

店員さんがメニューを渡してきた

これ見て先に決めとけよハゲってことらしい

見るまでもなく俺の心は決まっているのだが俺は一応迷うフリをした

次第に人が増えてくる

「これうまそうじゃね?」「ここでいいじゃん」

そんな会話が聞こえてくる

とてもイライラする話し方だ、我慢我慢

店員さんがメニューを引き取りに来た

「あじフライ膳と生ビールで」

早速カウンターへと案内された

手持ち無沙汰な俺はスマホをいじくりまわした

なかめのてっぺん検索検索

あっという間に俺のスマホは情報を調べて画面に表示させた

芸能人とか出てくるがこれなんだろう?

調べてみた

どうやら東京の中目黒の本店は芸能人と遭遇する確率が高いことで有名な店だそうだ

その店が名古屋に進出

そして今の段階では他の店より空いている

やはり名古屋では魚系は弱い

みんな4つ足に夢中だ

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机に上には様々な調味料がある

古式梅蜜

2段仕込み醤油

すだちポン酢

生梅

中濃ソース

七味唐辛子

これは迷うな

俺はあじフライに何をかけるか想像を巡らせた

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生ビールが運ばれてきた

確かキリンのはずだ

そしてこの店はビールの注ぎ方にも気を使ってるらしい

俺は早速一口飲んだ

ちょうどいい冷え具合

一番ビールを引き立たせる温度である

よくありがちなのは冷やしすぎた生ビール

あれはダメだ

炎天下の中でキンキンに冷えたものを最初だけ飲むならまだいいのだが

エアコン完備の店内でキンキン生ビールは最悪である

そんなビールを出す店は料理もイマイチな場合が多い

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そしてついに登場

境港のあじフライ膳 950円

大きなあじフライが2匹網の上に鎮座している

そして肉厚だ

小鉢に茶碗蒸し

かなりコスパは良さそうだ

なかなかこの辺りでこの値段でこれだけのあじフライには出会えない

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あじフライの脇を固めるのは名アシストのキャベツにレモン

そしてマヨとからしと言うスペシャリストたち

タルタルがないのが残念だが

まぁいい

豊富な調味料たちが俺を待っている

あじフライ

王道は醤油とソースのWエースである

キンタナとバルベルデ

アルとフグルサング

フルームとゲラントトーマス

そしていつも俺たちを悩ませるのである

魚には醤油がよく似合う

しかしフライにはソースもよく似合う

マヨなんて飛び技もいい感じだが

俺はまず王道の醤油を選択した

2段仕込み醤油を半分たらしたのだ

まずは一口

サクッ!

「おおお、こ、これは!!」

なんという肉厚なあじフライだろうか

そしてちゃんとアジの味が感じられる

これも肉厚だからこそなせる技

安い価格帯のアジフライだとただ単にサクサクフライで

これなら白身魚でも同じだなと思わせるようなものも少なくはない

しかしこれは境港のアジである

さすがとしか言いようがないアジフライだ

次に俺はレモンを絞った

そして俺がチョイスしたのは生梅

これは梅が香る醤油なのだ

ほんのり爽やかな梅の酸味とレモンの酸味

夏にはとてもよく似合う組み合わせである

俺は一口食べて

油を忘れさせるかのような爽やかな瀬戸内と紀州の風が俺の口の中を吹き抜けていく

幸せだなぁ

ただそれだけである

ここでキャベツをもりもり

とても胃に優しい

次に俺はマヨを少しつけて醤油マヨ

そして醤油マヨwithからしなど試してみた

どれも一口で抑えるには惜しい組み合わせ

さらに七味トッピングなんてものもある

一体アジフライはどれだけ俺たちを悩ませればいいのか

最低4匹は必要だな

すだちポン酢は次回に回して

次はもう一つの王道ソースを選択することにした

この店に置いてあるのは中濃ソースだ

俺は残りの1匹のアジフライに中濃ソースをかけた

「し、しまったかけすぎた・・・」

悔やんでもソースは除去できない

とりあえず食べてみよう

「うっ!」

とても濃厚な中濃ソース

ソースが甘すぎて肝心のアジの味が壊滅的状況に追いやられてしまった

これはソースが濃すぎる

そしてかけすぎた

これは失敗だ

ソースはソースでもウスターとコーミソースを揃えてほしい

この二つを揃えた上での中濃だ

いいアクセントになるはず

そしてそれらのソースを調合するための小皿も用意してほしい

俺は気を取り直してマヨやからしをつけた

さらに悪化した

こうなってはもう手遅れである

名古屋の味噌カツや味噌串カツも同じだが

中濃ソースには他のものを受け付けない強い個性がある

いきなり個性を受け入れるのは非常に難しい

この辺り店は検討の余地が必要だな

 

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これが小鉢

なかなかいい味付けで満足の一品

油の後の口直しには最適である

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そして茶碗蒸し

サイズはとても小さい

しかしその大きさからは想像もできないぐらい具沢山

食べ応え抜群である

そして卵の素材の良さが感じられる

しかしそれだけに出汁の旨味が薄い

俺が関西の茶碗蒸しに慣れすぎたのか?こんなものなのか?

俺には茶碗蒸しというよりも甘くないたまごプリンというイメージであった

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赤だしはシジミ汁である

これは嬉しい

俺は早速飲んでみた

「ん?」しじみの出汁がほとんど出ていない

俺はがっかりした

やはりコスト的に家で作るようにはいかないのかな

まぁ赤味噌系の味噌汁は難しい

俺はほとんど満足のいくものを飲んだことがない

味噌汁自体大変に奥の深い料理であることを俺は京都の志る幸で学んだ

しかしランチの味噌汁としては十分に合格点である

名古屋で味噌汁がうまいと思ったのは中村孝明の店かな

出汁と味噌のバランスが絶妙で

あそこの味噌汁は美味かった

 

今回のアジフライ膳

トータルでは非常に満足

できればタルタルと普通のソースを揃えてくれれば完璧だ

タルタルはチキン南蛮のがあるはずだしな

名古屋でアジフライを食べるのならここにしておけってぐらい気に入った

今度は鯖かな?あこう鯛かな?

でも一度はぜいたく丼も行ってみたい

当店ナンバーワン

しかし指名料は無料だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

独走モレンマ

2017年ツール・ド・フランス第15ステージ

中央山塊を走る中級山岳

そして明日は2回目の休息日である

日本人にとっても海の日だ

スタートして直ぐにやってくる1級山岳

連続して3級もこなしてからスプリントポイント

しばらく下り基調を走り1級4級と連続で登って下ってゴール

今年のツール絶好の逃げ切りステージだ

同時に山岳を決めたいバルギル

キッテルとのポイント争いにおいて僅かでも可能性がある限り諦めないで出来る限りのことをやりたいマシューズ

当然逃げてステージ勝利したい選手

そして総合争いと新人賞争い同時に5つの争いが繰り広げられる

レースが始まると一斉に逃げたい選手が飛び出していく

その中にはトニーマルティンやバルギルの姿も

しかし直ぐに1級山岳がやってくるためにまだ逃げ切りメンバーは確定されない状態

マルティンが逃げグループをガンガン引く

カチューシャは2名逃げに送り込んでいる

後方からはトレックがガンガン引いて迫ってくる

コンタドールは再び攻撃を仕掛けるのだろうか?

先頭は10人ほどで最初の1級山岳に突入

差は1分30秒

バルギルの無茶なペースについていけない選手たちが遅れる

先はまだまだ長い今は自分たちのペースで登ればいい

そのバルギルの異常なハイペースに付いていったのは

バルギル、セルジュ・パウエルス(ベルギー、ディメンションデータ)

ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシング)

ディラン・ファンバーレ(オランダ、キャノンデール・ドラパック)

スガブ・グルメイ(エチオピアバーレーンメリダ)の5人

まず先頭で逃げグループを形成する

とにかく最低限のノルマとして最初の1級山岳だけでもトップ通過したいバルギル

かなりのハイペースで登っていき山頂を一位通過した

この一級山岳で後方のメイン集団からアタックが始まる

バウケ・モレンマ(オランダ、トレック・セガフレード

ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール)

ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)

ニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシング)

マイケル・マシューズ(オーストラリア、サンウェブ)など23名が追走グループを形成

やはり中間スプリントポイントそして最後まで逃げ切りたいマシューズがこの日も逃げに入った

追走の23人は60キロ地点で先頭と合流

28人の巨大な逃げ集団となる

メイン集団はスカイがコントロール

メイン集団は意図的に少しづつ逃げとの差を広げていく

逃げのメンバーで1番総合順位が上なのはBMCのカルーゾ、フルームから11分26秒遅れの14位だ

そのために10分程度なら逃しても問題はない

たとえカルーゾがマイヨジョーヌを獲得しても今後フルームの敵になる可能性は低い

そしてBMCは逃げにデマルキ、ロッシュ、モワナールと4人の選手を送り込むことに成功している

切るカードがありすぎてチームにしては嬉しい悩みだ

中間スプリントではマシューズが予定通り一位通過

キッテルとの差を20ポイント詰めていく

サンウェブもバルギル、マシューズ、ゲシュケと3人逃げメンバーに送り込んでいる

タイム差は7分残り66キロ

ここで隙をついてスルスルっと、ごく自然にトニー・マルティンが逃げメンバーから抜け出す

一瞬「ん?」といった感じの逃げメンバー

気がついたときにはすでに遅い

現タイムトライアル世界チャンピオン

決して逃してはいけない男である

とにかく単独で走らせたら世界一の選手だ

慌ててBMCが捕まえようとするもどんどん差を広げるマルティンであった

TTポジションを取り淡々と重いギアを踏み続けるトニーマルティン

こうなったらいくら人数を揃えようが平坦で彼を捕まえるのは難しい

追走集団から1分30秒差をつけて独走する

そしてメイン集団からのタイム差は9分30秒だ

すっかり独走するマルティンに釘付けである

2つ目の一級山岳に突入

残り40キロあたり

画面がメイン集団に切り替わる

「ん?」

先頭をAG2Rがガンガン引き倒している

いつの間にスカイの前に出た?

「ん?」

黄色い男が遅れている

間違いなくフルームだ

一体何が起きた?

どうやらフルームはメカトラみたいだ

道幅が狭いためにチームカーが上がってこれない

仕方がなくアシストからホイールを貰い再スタート

しかしAG2Rはまだガンガン引いている

詳細がよくわからなない

どうやら先にAG2Rがペースアップした後でタイミング悪くフルームにメカトラが発生したみたいだ

スポーク切れだと言うが

新品のデュラエースだろうに、怖いな

だがこれならライバルたちは別にフルームを待つ必要はない

絶体絶命なフルーム、40秒まで離される

だが律儀にもバルデやアルなどのライバルは攻撃を仕掛けない

なんとか追いつくフルームだが

アシストを失った

残るアシストはランダのみだ

そしてこのハイペースな展開にキンタナが遅れる

やはり調子もまだ日替わりみたいだ

 

先頭のマルティン

さすがに1級山岳にはいるとペースを落として追走集団に吸収される

HTC時代の総合もいけるかのような登りを期待してたが厳しかったみたいだ

先頭にはバルギルとパウエルスが出る

そしてバルギルが今日2つ目の1級山岳山頂を一位通過

これで山岳賞はほぼ確定させる

あとはできる事ならもう一回ステージも欲しい

ペースアップをしたメイン集団は7分差で追いかける

地元のバルデがアタックを仕掛けるが決まらない

沿道にはバルデの応援団がフルームへ向けてブーイングの嵐

やはりブイーングは不快になるが俺も子供の頃はナゴヤ球場でしきりに巨人の江川に向けて野次を飛ばしていた

結局メイン集団は何事もなく、みんなで仲良く山頂を通過する

 

逃げの先頭は相変わらずバルギルとパウエルスだ

ここからのバルギルは必死に先頭を走る必要はない

後続を待ってみんなでローテションした方が得策だ

2人に追走集団が追いついて再び合流

 

同じ目的を持つ仲間たち

ここまではチームを超えて協力してきたがそろそろ最後の勝負に向けての騙し合い、静かな戦いが始まる

残り29キロ

モレンマが下りを使ってアタック

そのまま最後の4級山岳を単独で登り独走態勢に入る

追走との差は18秒

まだまだ勝負はわからない

追走メンバーはバルギル、ログリッチェ、ウリッシ、ギャロパン

エース級の選手が揃っている

追いつかれたらウリッシ、ギャロパンに持って行かれる可能性が高い

とにかく逃げるしかない

しかしなかなかうまく回らない追走集団

徐々に追走の中でも牽制が始まる

スプリントで不利なバルギルなどローテーションを飛ばし始める

少しでも最後の勝負のために足を残しておきたいからだ

結果的に先頭のモレンマとの差は縮まらなくなる

残り10キロ、タイム差20秒

コースはアップダウンが続く向かい風

だがモレンマは力強く走り続ける

そのまま19秒の差をキープしたモレンマが余裕の独走勝利

かつてツール総合の表彰台も期待されてた男が

ツール・ド・フランス初ステージ優勝となった

ゴール後彼は「単独で走り続ける時間は永遠に感じたよ」と感慨深げに語った

 

残るはキンタナ以外の総合系勢揃いのメイン集団

4級山岳でサイモン・イェーツが仕掛けるが決まらない

そして総合6位のDマーティンがあったくを仕掛ける

これは見事に成功して独走態勢に入る

すると前方で逃げていたメンバーとDマーティンが合流

チームもみんなバラバラだが幸いにも総合争いをしているチームの選手は含まれていない

通常ならDマーティンの後ろを金魚の糞のようにくっついていく場面だが

なんとみんなDマーティンの協力をして先頭を引いてくれるのだ

違うチームの選手たちに助けられたDマーティンはライバルたちから13秒リードでゴールした

その他の総合系は仲良くゴールへと向かう

最後にフルームが意地の全力スプリント

6分25秒差の同タイムゴールで勝負はアルプスへと持ち越されることになった

 

総合4位までのタイム差が29秒

かなり接戦な今年のツール

今日は体調を崩しやすい休息日

果たしてどうなるアルプス最終決戦

 

 

休息日明けの第16ステージ

距離は165キロと比較的短い

前半に3級4級があって後半はほぼ平坦

おそらくスプリント勝負

今年はいつもより登れるキッテルが遅れるようなステージでもない

やっぱり優勝はキッテル

でもマシューズが勝った方が今後のマイヨヴェール争いは面白くなる

でもやっぱりキッテルには叶わない

優勝キッテル

2位マシューズ

3位ボアッソンハーゲン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狙い撃ちマシューズ

2017年ツール・ド・フランス第14ステージ

ピレネーを終えて中央山塊へ入る

この辺りはエキップ浅田の本拠地で新城にとって地元みたいな街だ

前半は比較的平坦なコースで後半はアップダウンが現れる

2年前にヴァンアーベルマートサガンに勝ったコースだそうで

そう言われればなんとなく思い出してきた

最後にパンチャーが活躍しそうな坂が控えているコースだ

この日も新城を含めて逃げたい選手は多いかと思われたが始まってみたらスタートアタックから

トマ・ヴォクレール(フランス、ディレクトエネルジー)

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

マキシム・ブエ(フランス、フォルトゥネオ・オスカロ)

ティモ・ルーセン(オランダ、ロットNLユンボ)の4人だけ

少し遅れてからカチューシャのレト・ホレンシュタインがメイン集団から飛び出した

無謀な一人アタックかと思われたが無事先頭の4人に合流した

この日もあっさりと逃げが決まってしまった

途中でスプリントポイントがある

そこで一旦吸収して再びアタックが始めればいいなぁと思っていたが逃げとの差はどんどん開いていく

結局2分差ほどで先頭をスプリントポイントで捉えることなく泳がした

どうやら新城はチームのエースコロブレッリが今日の勝負に絡みたいそうでチームから自由は与えられなかったみたいである

ただし逃げ切りが決まりそうな大集団逃げなら行くつもりだったそうだ

集団は今日のステージが欲しいチームが牽引する

マシューズのサンウェブとヴァンアーベルマートのBMCにバーレンメリダ

スプリントポイントではキッテルが一位通過でマシューズが2位

先頭の逃げは5人のままレースは2分差で淡々と進んでいく

この日のゲスト解説は弱虫ペダルの人

今年も相変わらず「漫画では難しいですね」

個人的にはキャプテン翼風にしなくてもリアリティのある漫画で面白いと思うのだがそれでは世間一般には受けないんだろうな

レース後半になると細かなアップダウンが繰り返される

横風警戒などと相まって集団も次第に緊張感が高まってくる

3級山岳でキッテルが遅れる

それを知ってかサンウェブ、BMCがペースアップ

その後の下りでキッテル合流するもすぐに訪れた3級山岳でテンダムが引き始めると再びキッテルは遅れた

そして逃げの5人からも脱落者が出る

デヘントとヴォクレールの二人に絞られた

残り32キロ地点

ヴォクレールが先頭を引かなくなったのでデヘントがアタック

ヴォクレールはついて行かずに集団へ戻ることを選択する

毎度おなじみのひとり旅の始まりだ

残り20キロでタイム差は1分

やはり逃げ切りは厳しい

残り13キロでデヘントは集団に吸収された

すると今度は集団からカウンターでカチューシャの選手が飛び出す

決して逃がしてはいけない男

現TT世界チャンピオンのトニー・マルティン

今年からは赤いジャージの赤マルティン

さすがにサンウェブが反応してマルティンを捕まえる

すると今度は同じくカチューシャのマウリス・ラメルティンクが飛び出した

なかなか勝てないカチューシャ

今年からはアルペシンがスポンサーについている

スポンサーからもチクリと言われたのだろうか?この日はカチューシャが積極的に動いている

そのカチューシャの新スポンサーアルペシンが去年までスポンサードしていたサンウェブがすかさずチェックに入る

BMCもサンウェブに続いてラメルティンクをチェック

すると集団からはもう一人フォルトゥネオのペリションがアタックして先頭は4人となる

しかし4人のうち2人はこの日のステージ優勝を狙いたいエースを抱えているチーム

要するに逃げたいカチューシャとフォルトゥネオを妨害したい2人なのだ

半分が妨害に入るので当然ローテーションもうまく回らずペースが上がらない先頭集団

結局はチームスカイによってコントロールされたメイン集団に吸収された

その後同じくステージが欲しいディメンションデータやクイックステップなどが先頭を引き始めて集団がかなりハイペースになる

あっという間に残り1キロフラムルージュを通過

クイックステップ、サンウェブ、BMC、ディメンションデータ、FDJが入り乱れてる中でブアニらしき姿が見え隠れする

残り600メートル

ベルギーチャンピオンのナーゼンが出る

しかしすぐに失速

すると今度はクイックステップジルベール

だが最後の坂で苦戦するジルベール

残り200メートル

ついにBMC、ヴァンアーベルマートがスプリント開始

前回この坂を制した男がここで動いた

そして先頭に出る

しかしその番手にはサンウェブのマイケルマシューズが

ヴァンアーベルマートを使い加速して先頭に出た

そのままグイグイ加速するマシューズ

後ろを何回も確認

そして勝利を確信

余裕を持ってのゴールパフォーマンスとなった

 

前回ここを走った時のマシューズは落車の怪我で満身創痍

思うように実力を出せなかった

そして再び同じ場所を走るチャンスが

最初から狙っていたこのステージで見事にチーム一丸となって勝利をつかんだ

 

先頭から1秒遅れでフルームがゴールしてもアルの姿が見えない

アルが来ないアルが来ない

25秒遅れてようやくアルがゴールした

どうやらゴール前のペースアップで遅れたそうだ

その姿を仕事を終えたクウィアトコウスキーに発見されてしまい

すかさず無線で「アルが遅れたアルが遅れた行け行けフルーム」

その結果見事にフルームがアルからマイジョーヌの奪還に成功した

総合は動かないかと思われたステージだったが終わってみれば

アルに18秒差つけてフルームが総合トップの返り咲き

アル18秒

バルデ23秒

ウラン29秒となっている

 

今日のステージはフルーム曰く「戦争」

アップダウンが続いて最後は1級4級こなして下りゴール

そして翌日は休息日だ

おそらく逃げが決まるステージ

デヘントは今日逃げた

再びチーム一丸で逃げに乗るディレクトネナジー

あとは総合争いに関係のないチームの登れる逃げ屋たち

デヘントが動けないならギャロパンかな

そしてワンティ、フォルトゥネオ

ディメンションデータもカミングス再チャレンジに再び山岳での逃げ切りボアッソンハーゲンも面白い

逃げ切りの予想は難しい

どうしても勝ちたいカチューシャも動いてくるかも

マシャドに逃げマルティンも見てみたい

ただやはり今日も期待を込めて

新城幸也の逃げ切り勝利

2位にはボアッソンハーゲン

3位にマルティン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度こそバルギル

2017年ツール・ド・フランス第13ステージ

ピレネー山脈の2日目

距離は101キロと通常の半分と非常に短いコース

しかし短いから楽ができるのではなく最初から最後まで激しい高速バトルで勝負に絡む選手には非常に厳しいコースだ

今回のコースはどうやら浅田監督率いるエキップ浅田のトレーニングコースだそうで

もちろん教え子の新城選手にとっても地元みたいなコースである

それだけに今日は逃げたいところ

しかし他にも逃げたい選手は多い

そしてこの日はフランス革命記念日

フランス人にとっては大切な日である

日本人の場合は愛国心がありすぎるとそれはそれで少々厄介なことになるからな

建国記念日とかも曖昧だし

前日はアルがマイヨジョーヌを獲得

果たしてスカイはどう出るのか?

正直このままの差で20ステージのTTまで行ってしまえばフルームの総合優勝はほぼ確定である

よほどのことが起こらない限りは

その他の総合争いは1秒でもフルームから差を広げておきたい

アル、バルデ、ウラン

しかしアシストがあまり機能していないだけに勝負どころまではコバンザメ戦法でいくしかないだろう

そしてアスタナの貴重なアシストでありエースでもあるフグルサングがパーレードランからおかしい

両手を離して走るフグルサングに余裕は全くない

どうやら相当骨折した手が痛いみたいだ

おそらく痛みでハンドルに手を置けない状態

そしてフグルサングは痛みをこらえて走るもレース途中でリタイアとなった

この日のコースは1級山岳を3つ登ってから下って平坦走ってゴール

最後の1級山岳を終えてからも先は長い

どこで誰が仕掛けるのか?

それとも仲良く総合系集団でゴールするのか?

レースが始まった

早速ヴォクレールがアタック

そしてバルギルもアタックをかける

ヴォクレールは引退前にもう一花咲かせたいベロベロアタック

バルギルはもちろん山岳賞アタックだ

しかし逃げたい選手は他にも多い

次から次へとアタックがかかる

やがてシャバネル、ジルベール、デマルキの3人逃げに

しかしこれも決まららない

新城も積極的にアタックを繰り返すが決まらない

そうこうしてるうちにスプリントポイントが迫ってきた

これでしばしアタック合戦は休戦

とりあえずはスプリンターの争いだ

マシューズ、キッテルの順番で通過

少しだけマシューズがキッテルとの差を詰めた

スプリントポイントを過ぎると再びアタック合戦

新城が入る10名ほどの逃げグループができるも決定的なものとはならない

そのまま1級山岳へ突入

デマルキが抜け出して最初の1級山岳を通過する

スタートから激しい超高速バトル

すでに残り70キロ地点

メイン集団からコンタドールがアタック

この日のコンタドールはかつての輝きを取り戻しつつあるかのようなキレがある

そこになんとスカイのランダがついていく

コンタとランダ

スペイン人連合で仲良くローテーション

メイン集団から20秒ほど差をつけて山頂を越えた

そして先行するデマルキも交わして先頭へ出る

まさかのコンタランダの逃げ

早め早めのコンタの仕掛けは予想通りだが決まるとは思わなかった

しかしコンタドールが元気だとツールは面白くなる

たとえ総合上位は難しくとも

ランダの逃げは全く予想していなかった

前日に監督ともめたことが関係してるのだろうか?

本当のことはスカイの中の人にしか分からない

スカイはいつも通りに集団をコントロールしてフルームを発射させたほうがいいような気もするが、とにかくランダは逃げた

次の1級山岳に入ると

メイン集団からはキンタナが飛び出す

これに反応してバルギルとクウィアトコウスキーがアタック

3人で追走グループを結成する

かなり豪華な逃げメンバー

メイン集団はタイム差2分半ほどでコントロールする

先頭のコンタランダと追走のキンタナたちとの差は30秒

2つ目の一級山岳を越えた

そしてすぐに最後の1級山岳がやってくる

全く談笑する暇もないこの日のステージ

ランダは仕切りにコンタドールを励ましながら走る

最大勾配18パーセントの壁が迫る

追走のキンタナ、バルギルもぐんぐん追い上げてくる

山頂付近でコンタランダにキンタナたちが合流

山岳ポイント目指してバルギルがアタックしてポイントゲット

これでこの日の目標の半分以上は達成した

あとはできることならステージ優勝

今度こそ勝ってガッツポーズをしたい

クウィアトコウスキーはどうやらチームからフルーム介護のために呼び戻された模様

メイン集団に合流して総合争いのメイン集団は8人となる

アル、フルーム、バルデ、ウラン、イェーツ、マーティン、マインティーズ、クウィアトコウスキー

メイン集団は先頭から1分43秒遅れで18パーセントの壁を越えていく

先頭の4名は仲良くローテーションして下りをこなしてゴールの街へ入る

メイン集団との差は再び2分まで開く

勝負はスプリント勝負に持ち込まれる

コーナーの多い街中を走り抜けていく

スプリント力はほぼ互角だろう

最初にコンタドールがアタック

キレのいいコンタのスプリント

しかしバルギルが反応してコンタを交わす

そしてそのままゴール

フランス革命記念日にフランス人バルギルが今度こそ本当にステージ優勝を遂げた

しかし今日は泣かないバルギル

でも嬉しいバルギルであった

 

残すは総合争い

最後の下りは勾配が緩く結構踏みこめる下りだ

そのために集団での牽制アタックが続く

フルームにバルデにウラン

だが決まらない

さすがに完全マークから抜け出せない

そこで比較的マークのゆるいDマーティンとサイモン・イェーツが飛び出す

この二人なら多少は先行させてもOKだ

結局二人はバルギルから1分39秒差でゴール

フルーム集団も特に争いもなく同タイムのゴールとなった

先頭との差1分48秒

総合上位の順位は変動なしだ

そしてランダが総合5位まで上がった

再び生まれるのかスカイの中の確執

ただTTが残ってるだけにランダがフルームを交わすのはかなり厳しい

 

敢闘賞はコンタドール

真の敢闘賞はバルギルだろうが「頑張ったで賞」的な敢闘賞に、あまり嬉しそうでないコンタドール

やはり彼が欲しかったのはステージ優勝

そして我々が見たかったのは久しぶりのバキューンである

そんなコンタドールが子供の頃からの憧れだったバルギル

憧れの選手を力でねじ伏せてのステージ勝利となった

総合は無理だが山岳賞は独走中だ

今後はフランス人マイヨジョーヌ獲得のためにチームを超えてアシストしたいとも語った

次なる勝負はアルプスである

 

今日は一癖ある平坦ステージ

細かなアップダウンもあるそうで一筋縄にはいかないステージみたいだ

そしてここはエキップ浅田の本拠地

これはもう新城の逃げを期待するしかない

おそらくキッテルはスプリントには絡めない

スプリント勝負ならマイケルマシューズだろうが

期待を込めて優勝は新城の逃げ切りで

 2位はヴォクレール3位ゴティエと同僚対決で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝バルデ黄アル

2017年ツール・ド・フランス第12ステージ

いよいよピレネー山脈に突入

クイーンステージに次ぐ勝負どころ

前半は平坦だが残り半分は山だらけ

2級1級超級1級2級

特に最後の2級山岳は距離は短いが急勾配だという情報だ

そしてその場所は小型機の滑走路らしい

全く想像がつかないな

急勾配な滑走路って

レースが始まると予想された通りにアタック合戦が始まる

その中には新城も含まれたが、なかなか逃げが決まらない

山岳賞狙いのバルギルも必死にアタックするが逃げには乗れず

プランBで途中から逃げる作戦に変更だ

なんせ長丁場、総合が動けば逃げは簡単に吸収されて次の動きが始まる

逃がしてもらえるかどうかは全てスカイ次第だろう

気がつくと12名の逃げが決まる

その中には緑男キッテルとマイケルマシューズが

彼らは中間スプリント狙い

キッテルにとっては

初めてのおつかいならぬ初めての逃げだ

お父さんお母さんも心配だろうが

ちゃんとカメラが見守ってくれる

それも国際映像で

その他の逃げメンバーにはディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ

今日も逃げるトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

今年も逃げるスティーブ・クミングス(イギリス、ディメンションデータ)

彼らは最初の1時間を時速48・5キロで逃げた結果

メイン集団とのタイム差は最大で6分半まで広がった

逃げが決まると直ぐにフルームは、おトイレタイム

奇しくも黄色い花満開のひまわり畑の前で黄色いジャージの男がトイレ休憩となった

レースはそのまま進みスプリントポイントに差し掛かる

キッテルとマシューズの一騎打ちだ

僅差でマシューズが中間を制して20ポイントゲット

しかしキッテルが2位に入ってるために17ポイントゲットでその差3ポイントしか縮められなかった

まさかキッテルがついて来るとはマシューズも予想外だっただろう

しかしかなり登れるスプリンターのマシューズにはもう一つのお仕事が残っている

同僚で山岳賞を狙うバルギルのための山岳ポイント潰しだ

逃げメンバーの中で今後バルギルの山岳賞のライバルになり得る可能性のあるデヘントのポイントをを潰すためである

4級2級山岳はデヘントが1位通過したが1級山岳では見事にマシューズが1位通過を果たしてこの日のバルギルの山岳賞キープを確定させた

それにしてもスプリンターが一級山岳山頂でスプリントして制する場面なんて初めて見たな

新城がヴォクレール引き連れて登った時も驚いたが

キッテルは1級山岳で予想通り逃げ切り終了

しかし初めての逃げはある意味成功

中間スプリントポイントで被害を最小限に抑えたからだ

キッテルパパママも一安心だろう

あとは無事にゴールするだけだ

BMCのキュングが走りながらのおトイレタイム

カメラは前方から映している

「あっ!」と思った時は遅かった

そのあともしばらく映し出されるジャンボ魚肉ソーセージ

スイッチングが気づいていなかったのかもしれないな

彼のアレは世界中に生中継された

逃げは11名になった

一方メイン集団はスカイが通常通りコントロール

その差は4分20秒で超級山岳へ突入した

まず一つ目の動きが期待される超級山岳だが、逃げグループでは生き残り争いとなる

超級山岳に入ると逃げのメンバーも力の差と体調の差が出てくる

さすがに超級ではごまかしきれない

まずはデヘントが抜け出してカミングスが後から合流して先頭は二人になる

その後からゴチエが単独で追いかける展開だ

超級の山岳ポイントを目指してデヘントが仕掛けるがカミングスに交わされて1位通過ならず

そのままカミングスの一人逃げが始まる

追走のメイン集団は順調にタイム差を縮めていく

しかしアスタナのフグルサングは落車骨折の影響で遅れ始める

また一人主役が怪我で脱落した

フォルトゥネオからブエとフェイユが二人でアタック

スカイは無反応

行かせても問題のない選手とチーム

無事に通行手形は発行された

しかし結局は力及ばず再びメイン集団へと吸収される

義兄弟

どうやらフェイユがブエのお姉ちゃんと結婚してるそうだ

親戚一同かなり盛り上がったことであろう

そのあとでバルギルが山岳賞アタック

それに乗っかろうとコンタドールが「俺を忘れるなアタック」

しかしスカイは無反応

かつての絶対的王者のアタックだがちょっと寂しい気がする

一つの時代が終わりを迎えようとしている

そしてバルギルとコンタドールも淡々と引き続けるスカイに吸収された

一人逃げのカミングスは超級山岳を通過

メイン集団との差は2分

逃げ切りは厳しい

下るに入る

特に攻めてる分けではないがスカイがオーバーランその中にはフルームも含まれる

それに巻き込まれてアルもオーバーランで二人とも停車を余儀なくされる

落車がなかっただけマシだ

二人のトラブルはトラブルではくミスなのでライバルたちは待つ義理はないのだが何故か律儀に二人が復帰するまでペースを落とすメイン集団

まぁスカイのアシストに最後までお仕事をして欲しかったのかもしれないな

フルームとアルを置き去りにするには、まだまだ早いってことだろう

それだけみんないっぱいいっぱい

一級山岳に入る

この日もこの男がガンガン集団を引き続ける、クウィアトコウスキー

給料上げてやってほしいな

相変わらずスゴイ仕事量だ

そして今度はキンタナがついていけずに脱落

やはりジロのダメージは相当大きい

残り8キロカミングス吸収

12名で1級山岳は争いなく通過する

やはり勝負は最後の急勾配の2級山岳だ

アルとバルデの表情がいい

フルームはいつものように分からない

スカイの引きはニエベに交代

残すアシストはニエベとランダ

この時点で二人もアシストを残すスカイ

やはり圧倒的なチーム力だ

一週目はこの二人の仕事は少なかったがそれも計算してのことだろうか?

短い下りを終えるといよいよ滑走路へと突入

残り2・4キロだが最大勾配20パーセントだ

最後の最後でこの勾配はさすがにこのレベルの選手でもキツイ

スカイは最後のアシスト、ランダを投入した

ランダがかなり調子よさそうだ

太い眉毛でグイグイ牽引

ここで同じく眉毛の太いコンタドールが遅れた

ハイペースで誰も動けない

残り1・5キロ

まだ動けない

残り1キロフラムルージュを通過

まだランダが引いている

そして誰も動かない

残り800メートルでジョージベネットがアタック

しかしランダが冷静にコントロールして吸収

残り500メートル

ウランが前方に上がりスプリントに備える

そこでアルがアタック

イタリアントリコロールに身を包んだ顔の長い男

自転車を大きく左右に振りながらガシガシ

アルのアタックには全員が反応

こうなったらあとは力勝負だ

そしてやってくる最大勾配

フルームが遅れた!!

アルにウランとバルデが迫る

まさに力勝負

エース同士のガチバトル

勾配がかなりキツイ

なかなか進まないスプリント

そして確実に遅れていくフルーム

ランダは前方でスプリントに参加

最初に仕掛けたアルは力尽きバルデに交わされる

フランス期待の星に迫り来るコロンビアの野獣

この激しい戦いを制したのは

フランス人、バルデだった

 

ウラン、アルは2秒差でゴール

そしてマイヨジョーヌのフルームは22秒差となった

ボーナスタイムが加算されて

マイヨジョーヌはアルの手に

2位のフルームとは6秒差

3位のバルデが25秒差

4位のウランが55秒差となった

 

バルデはこの最後のコースを試走していたそうだ

そして勝負どころまで我慢してたんだな

結果的にスカイのアシストがバルデのアシストでもあったのかもしれない

盤石かと追われたフルームだが

ここにきてまさかのマイヨジョーヌを手放すことに

今日も厳しい山岳ステージ

距離は短いが、短いだけにハイペースなレースになる可能性が高い

スカイの復讐

マイヨジョーヌ奪還のためにスカイが全力を出すのかもしれないな

ピザ野郎には渡さない

やはりフィッシュアンドチップス

しかしフルームの調子が分からない

たまたまバッドディだったのか?

それとも落ち始めてるのか?

どっちにしろこれで俄然と面白くなった今年のツールだ

 

そこで今日の予想

距離は101キロと短い

そのために凝縮された高速バトルが最初から最後まで続く

最後は1級を下ってゴール

ここでフルームのスーパーダウンヒル

しかしなんか嫌な予感がする

何も起こらねければいいが

総合上位で仲良く下りきればフルームだろうが

そしてこの日はフランス革命記念日

当然勝ちたいフランス人

こんな日に狙うのはディレクトエナジー

最初からチーム一丸でアタック合戦

ヴォクレールとシャバネルにケムヌールそしてカルメジャーヌ

映画ならヴォクレールのベロベロで逃げ切りだろうが

さすがに今の彼では難しい

カルメジェーヌの2回目の逃げ切りも厳しいかな

バルギルも逃げたいけど調子が落ちてきてるような気がする

やっぱりスカイが意地の攻撃仕掛けてきそうだしな

最後は総合上位のスプリントで

優勝ウラン

2位Dマーティン

3位アル

 

そのあとでバルデ

少し遅れてフルームだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5勝目キッテル

2017年ツール・ド・フランス第11ステージ

ピレネー山脈の入り口の街ポーへゴールする平坦ステージだ

距離は203キロ

ほぼ平坦だが4級山岳が一個だけある

特別この僅かな山岳ポイントを欲しがるものは今年のツールにはいない

レースがスタートすると一斉に3人が飛び出す

マルコ・マルカート(イタリア、UAEチームエミレーツ

マチェイ・ボドナール(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)

フレデリック・バカールト(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)

そしてこの日もこの3人の後に続く者はいなかった

メイン集団も5分差程度で抑えて走る

この日も集団を引くのはクイックステップとロットソウダルとカチューシャ

それぞれキッテル、グライペル、クリストフのためだ

クリストフは水面下でアスタナとの交渉が進んでるらしいが、アル、フグルサングと総合系を抱えるチームだけに大丈夫なんだろうか?

少なくともツールでは満足なトレイン要因は用意してもらえないだろう

この日は向かい風

それでも平均44キロほどで走る逃げ集団

メイン集団も途中からやる気を出して2分半までタイム差を縮めて維持する

コースは直線の平坦

集中を欠く選手も多いだろう

そんな中、補給ポイントで落車が発生した

アスタナのカタルドが手を痛めてリタイア

同じくアスタナのエース、フグルサングも手を痛めたもようだが再スタートした

あとは総合優勝を狙うバルデも落車

怪我の具合は軽いみたいだが、本当のことはわからない

途中から集団が横風を警戒してピリピリし始める

そのために自然とペースアップ

残り30キロ地点では逃げとの差が30秒に

もういつでも捕まえられるタイム差だ

すると逃げの3人の中からボドナールが単独アタック

他の二人をぐんぐん引き離す

さすがに独走力のあるボドナール

去年のツールではサガンやフルームと一緒に逃げ切っている

あと30秒が縮まらなくなる

そしてメイン集団はこの日も激しく位置取り合戦を繰り返す

全チームが横風を警戒している

すると残り22キロ地点でまたまたコンタドールが落車

すでに総合争いからは大きく離されているが、アシストに助けられてなんとか集団復帰を果たした

それにしても引退が近い選手は本当によく転ぶ

逃げのボドナールとの差は一向に縮まらない

残り10キロ地点では40秒

コースも逃げ有利なコースが続く

逃げ切りか?

少しづつだか差を縮めながら残り1キロのフラムルージュを通過

まだ捕まえられない

各チームはスプリントに備えての位置取り

残り250メートルでようやくボドナールが吸収される

あと250メートル

200キロ以上逃げてきて残り250メートル

しかしその250メートルは200キロよりも遥かに遠い

そして集団はそのままスプリントに入る

キッテッルが強すぎるためにまともなスプリントでは勝てない

ボアッソンハーゲンが雪辱を晴らすロングスプリント開始

続いてマイケルマシューズ

キッテルはこの日もかなり後方からのスプリント開始

その番手をフルーネウェーヘンが取る

グングン加速するキッテル

ついにボアッソンハーゲンも捉えて先頭に立つ

フルーネウェーヘンはキッテルに並びかけるも交わすまではいかない

この日も最後まで踏み込まずに勝利を確信してのガッポーズとなった

 

それにしても強すぎるキッテル

 

まともにやりあってはまず勝てない

とりあえずレースはピレネーに入る

スプリンターはしばらくおやすみ

今日は逃げが決まる可能性が大きい

総合も動くが逃げは逃げで逃がしてもらえそうな予感

ウランが総合上位でなければローランとか面白かったが

さすがに自由はもらえないかな

あとはコンタドールの介護をしなくてもいいのならパンタノも狙えそうだ

UAEのウリッシ

BMCはロッシュ

でもやっぱり山岳賞狙いで確実に逃げるバルギルだな

 

優勝逃げ切りバルギル

2位ヴィエルモーズ

3位フルーム

 

 

 

 

 

 

 

余裕4勝キッテル

2017年ツール・ド・フランス第10ステージ

休息日明けの平坦ステージだ

9ステージ時の落車の影響でマイカもリタイア

9ステージはスカイのクウィアトコウスキーに助けられながらもなんとかゴールしたが痛みがひどくて10ステージにてリタイアとなった

これでボーラはスプリントと総合のエースを失った

一週目で主役たちが姿を消していく中で始まった2周目

ピレネーを目指す平坦ステージ2連戦

4級山岳が2つあるが、それだけである

今年は1円貯金争いすら起こらないツールの山岳争い

何かが変わり始めてる気がする

レースが始まる

最初にアタックを仕掛けたのはワンティのオフルド

グイグイと踏み込んで後続を突き放す

そして後ろを振り向く

誰もついてきていない

思わず頭を左右に降るオフルドであった

この日も誰も逃げたがらない

オフルドのバイクのトップチューブには愛する家族の写真が貼ってある

「今日はパパ頑張るからな」と家族に伝えたかもしれない

しかし無情にもプロトンは無反応

それに見かねたのか同じワイルドカードでの出場のフォルトゥネオのジェスベールが来てくれた

3キロ地点でめでたく合流

この日は二人の逃げが決まった

メイン集団はクイックステップとロツトソウダルが牽引

いつものヴェルモトだ

ロットソウダルのバクと交代しながら集団を引いた

逃げとのタイム差は5分半まで開く

選手たちはフランスの観光地でもある今日のステージをおやつを食べては談笑して走りに抜けていく

周りにはこの日も広大なひまわり畑が広がり古城もたくさんある

しばしレースのことは忘れて風景に見入ってしまう

4級山岳はジェスベールがゲット

中間スプリントはオフルドと仲良く分け合う

メイン集団では中間スプリントポイント争いが軽く勃発

みんなそれほど踏み込むことなくライバルの後ろで通過してなるべくポイントが開かないようにする

ワンデーなら途中で動きもあるようなコースだがステージレースでは誰も動かない

この日もただひたすら逃げを泳がしながらゴール前まで進んでいく

残り距離が少なくなるに連れて集団内での位置取りが激しくなる

スプリンター系、総合系入り乱れてトレインを組む

残り7キロで予定通り逃げは吸収

若いジャスベールが敢闘賞をゲットした

逃げを吸収してより一層激しくなる位置取り争い

ロットソウダルとカチューシャの争いだ

残り5キロを切るとコーナーが続く

仕事を終えたアシストがバラバラと集団から離脱

残り1キロのフラムルージュはロットソウダルとカチューシャが先頭で通過

カオスな状況の中で全体のペースがやや落ちる

誰が行く誰が行く?

今年のツールは最初にサガンが押し出されることが多かったがサガンはすでにいない

次第にトレインも崩壊

エース単独や発射台のみとなる

残り300メートルでまずはクリストフが発射

それを合図に各スプリンターもスプリント開始

後方からフォルトゥネオの選手が迫り来る

そしてその番手には緑男キッテルだ

この日も後方からのスプリントを開始したキッテル

フォルトゥネオフォルトゥネオの選手をうまく発射台として使い加速する

残り200メートルだ

この時点でキッテルの勝利は確定

デゲンコルブやブアニにフルーネウェーヘン

みんな軽くぶっちぎり

最後は足を止めて余裕の両手を広げてからのガッツポーズでゴール

2017年のツール4勝目を決めた

 

今の状況を見てるとキッテルVSその他

そしてキッテルが頭3つ分以上抜けている

まるでパワーが違う

一体どうすれば彼に勝てるのか?

クイックステップ以外のチームが団結して横に並んで手をつないで道を塞ぐしかないな

まずは早めにエースを前に出しておいてアシスト陣がキッテルの前で道を塞ぐ

そして前に出ていた残りのエーススプリンターたちがフラムルージュをスタート地点として勝負をする

これだな

 

今日も平坦ステージ

しかもピレネー

また誰も逃げたがらない

おそらくワンティでも「おまえが行けよ、いえいえあなたがどうぞ」状態かもしれない

そしてやっぱり勝つのはキッテル

優勝キッテル

2位クリストフ

3位ブアニ

 

 

 

 

 

 

あじフライを大曽根駅で

とある平日の日

俺は名古屋市大曽根という場所にいた

ある用事を済ませるためだが

予定の時間が2時間半ほど空いたので時間を潰すことにした

どこか公園みたいな場所で読書でもしようと思い

近くに徳川園があることを思い出したのだ

徳川美術館も併設されている徳川園

いわゆる昔の大名屋敷である

1695年に造営された尾張藩2代藩主徳川光友の隠居所の大曽根御屋敷跡

大名屋敷らしく池泉回遊式庭園が今も残されている

街中に今でも残る静かな緑溢れる庭園

入場料は300円だ

ドトールで粘るよりは徳川園の方が有意義な時間を過ごせる

我ながらなかなか良いアイデアである

ただ残念なことにこの庭は空襲で丸焼けになっている

その後、昭和によくありがちな古いものを大切にしない風潮により

ただの公園として整備された

そして平成17年再び大名庭園として再整備されたのだ

そのためにどこか新しさも感じる大名庭園となっている

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庭園には巨大な池「龍仙湖」がある

その周りをのんびりと散策

平日とはいえ人はほとんどいない

おじいさんが一人ベンチに腰掛けているだけだ

その後5〜6人の老人の団体客が訪れた

俺が滞在した1時間に限ればそれだけであった

俺は紅葉や松などの剪定を見ながら池泉回遊した

ブクブクと太った色取り取りの鯉たちが仕切りに口をパクパクさせている

今度生まれ変わるのならここの鯉になりたいな

と、俺は思った

個人所有の小さな池でなく、この巨大な池で餌も毎日ちゃんと貰えて天敵もいない

好き勝手に泳ぎまわり人間を見つけては口をパクパクさせればいいのだ

しかしこの大きな庭

維持費ってすごいんだろうな

隠居屋敷か

やはり徳川の力は相当なものだったみたいだ

こんなに大きな隠居屋敷はいらないが、静かな場所に俺もこじんまりとした平屋の建物と茶室と小さな庭を完備した隠居屋敷が欲しいものである

仮にこれだけの敷地があったら日本庭園ではなく雑木ガーデンにしてMTBのコースを作りたいな

ちょうどいい具合に高低差もある

そんなことを妄想しながら俺は徳川園で一番涼しい場所、大曽根の滝へと向かった

どうやらこの大曽根の滝とやらは木曽山脈をイメージして作られたそうだ

そんな説明を聞かされても俺にはさっぱり木曽山脈には見えない

そしてここから流れる渓流が木曽三川だそうだ

やがて木曽三川は伊勢湾へ流れ込む

そんなリアル自然をリスペクトして再現した徳川園なのだ

俺は腰掛けた

大曽根の滝の前に設置してあるベンチに

そして、しばし読書に勤しんだ

マイナスイオンが俺を優しく包み込む

俺は時間が経つのも忘れて平松洋子さんのエッセイを読んだ

「あじフライを有楽町で」

時は11時だ

朝から何も食べていなかった俺は腹ペコであった

昼からの予定の前に腹ごしらえでもするかな?

俺は徳川園を後にした

併設の土産売り場でしばし足止め

ここは面白いものがいっぱいあって目移りしてしまう

しかし俺には余計な出費をする予算などない

俺は店を物色しつつ大曽根駅へと向かった

やはり11時半オープンの店が多い

結局俺は大曽根駅まで歩いてきてしまった

まぁいい

このあと予定を考えると駅にいた方が何かと都合がいい

俺は駅舎に併設されている飲食店を回った

ここもまだ開店前の店が多い

スガキヤは以前ヒドイ目に合ったからパスだな

そんな俺の目に飛び込んできたのが「かどや大曽根

どうやら名鉄が運営している居酒屋みたいだ

そして名古屋にしては珍しく昼から飲める貴重な店

食事系はラーメン、うどん、きしめんがメインとなるが

これに揚げ物を合わせた麺定食が620円で提供される

名古屋にしてはかなりリーズナブルな値段設定である

その他、おでんや串カツに土手など一品ものも昼からOK

俺は迷うことなく暖簾をくぐった

最初は麺定にする予定だった

俺は一応店内のおすすめメニューを見た「あじフライ200円」

即決だ

まずはあじフライで一杯だな

そしてそのあとで麺

ラーメンも捨てがたいが

ここは「山形だしうどん」これでいこう

よくわからんが山形を感じるいいチャンスだ

俺は単品としてあじフライ、山形だしうどん、生ビールを注文した

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早速ビールが運ばれてきた

このあとの予定まで残り45分

俺は歩き疲れた体に午後からの活力を与えるためにビールを飲んだ

やはりこれである

ここから俺の1日は始まる

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庭を見て読書して生ビール

先ほど読んでいて食べたくて仕方がなかったあじフライ

なんという黄金コース

まるでツールのクイーンステージではないか

俺は平日の昼間に揚げたて熱々のあじフライで生ビールを飲むという至福な時間を堪能した

もっとゆっくり飲みたいが、いかんせんこのあとの予定が詰まっている

俺はハフハフしながらソースをたっぷりと染み込ませたあじフライを堪能した

揚げたて熱々でサックサクだ

俺は急ぎ早に生ビールを飲み干した

厨房ではうどんが茹でられている

先ほどから「とろろ」との声が聞こえてくる

俺の想像では、さぞかし出汁を効かせたうどんと言うイメージで注文した

山形だしうどん

しかし出てきたのは冷やしとろろうどんであった

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「山形だしうどんね」と渡されたそのうどんは明らかに、冷やしとろろうどん

山形ではとろろのことを「だし」と言うのだろうか?

この上に乗ってる緑はなんだろう?

俺はとにかく混ぜ混ぜしてうどんを食べた

かなりコシのあるうどん

麺は讃岐系だ

実は俺はコシのありすぎるうどんは、あまり好きではない

最近では博多うどんがマイブーム

そして京都で食べる柔らかめなうどんが好きなのだ

でもこれはこれでうまいな

何よりも600円だしな

俺はちゅるちゅると冷やしとろろうどんを食べた

汁もあっさり系で一滴残さず飲み干した

ごちそうさま

合計1280円

名古屋としては安いな

カロリー的にもちょうどいい組み合わせ

俺は比較的満足して店を後にした

値段が値段だけに特別うまいというワケではない

しかし毎日のように立ち寄っては一杯飲みたくなるような

そんな店だった

また来よう

時間をチェック

次の予定は12時20分

急がねば

 

午後からの用事を済ませた俺は電車の中でスマホをいじくりまわした

山形で言う「だし」

調べてみた

どうやらあの緑が「だし」みたいだ

だし汁のことではなく、茄子・きゅうり・茗荷・紫蘇・オクラなどの夏野菜や香味野菜を生のまま細かく(5mm程度)刻んで醤油を絡めて冷やし、ごはんにかけて食べたりそのままお茶請けにしたりする山形の郷土料理

これが「だし」である

俺は全てを理解した

これは俺が好きなやつじゃないか

また一つ勉強になった

讃岐でなく稲庭あたりで作ったらうまそうだな

そしてその時には「だし」はたっぷりと欲しい

とろろはあってもいいが少なめだな

あくまで夏野菜を楽しみたい

酸っぱい梅干しのトッピングもありだな

それか大原の酸っぱいしば漬けを刻んだやつとか

どこかで食べれないかな?

やはり自分で作るしかないか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あゝバルギル、されどウラン

2017年ツール・ド・フランス第9ステージ

翌日には待望の休息日を控えたクイーンステージ

クイーンステージと言っても髭面のおっさんが全身タイツで歌うわけではない

今年のツールで1番きつく、1番の勝負どころになるステージ

それが今回の第9ステージなのだ

フランス、ジュラ山脈

なにやら恐竜の足跡が発見されたとか

先日知ったのだが福井県の恐竜博物館は世界3大恐竜博物館の一つであるらしい

この日も逃げたいメンバーは多い

しかし超難関なサバイバルステージ

逃げ切れる可能性はスカイ次第である

ジュラ山脈から7つもの峠が登場

総獲得標高4600メートル

超級山岳は3つも登場

超級山岳ビシュ峠(全長10.5km/平均9%)

超級山岳グランコロンビエール(全長8.5km/平均9.9%)

超級山岳モン=デュ=シャ(全長8.7km/平均10.3%)

特に2番目の超級山岳はフランス最強の峠と言われてるそうで

峠マニアなんかテンダムよりも先によだれを垂らしてることであろう

スタート直後から2級山岳が始まる

いきなりの登りほど嫌なものはない

それだけに入念なウォーミングアップも必要だろう

体が温まってなければ登れない

前日からの体調不良が続くデマールはアシスト二人に守られながら最後尾でゆっくりと登る

一方集団は山岳賞狙いを含む逃げ合戦が勃発

まずはティボピノーが2級3級山岳ポイントをゲット

そしてこの日も逃げるバルギルにデヘントも山岳賞狙いだと思われる

この辺り酒をちびちび飲みながら観戦してるとカメラをあっちこっちスイッチングで誰がどこの位置なのか分からなくなる

ちなみにこの日のつまみはデパ地下、美濃吉の鯖の煮魚メインの惣菜セットだ

鯖がうまいなぁとしみじみ感傷に浸っていると

途端に逃げメンバーの構成などが変わっていく

やがてこの日も40人ほどの巨大な逃げ集団が誕生した

スカイは4分差まで差を容認

十分に逃げを捕まえられるタイム差である

40人の巨大逃げ集団とはいえこの日の山岳コースではサバイバルレースになる

さすがに相当登れる選手でないと生き残れない

案の定、最初の超級山岳に入るとバラバラと脱落する選手が

天候はあまり良くなくて路面も濡れている

下りが怖いなぁと思ってると

総合2位のゲラント・トーマスが落車

鎖骨骨折でリタイアとなった

そのあとで今度は

ヘスス・エラダ(スペイン、モビスター)

アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ)

ロベルト・ヘーシンク(オランダ、ロットNLユンボ

マヌエーレ・モーリ(イタリア、UAEチームエミレーツ)の4人が落車

地面に倒れて「アァアアアあゝ、アァアアアあああ」と叫びっぱなしのモーリ

相当痛いみたいだ

この落車でモーリと前日2位と復活の兆しを見せはじめていたヘーシンクがリタイア

先頭から脱落するのではなく、本当の意味でのサバイバルレースとなっていく

ビシュ峠を下り切ると今度は

アレクシ・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール)

ヤルリンソン・パンタノ(コロンビア、トレック・セガフレード

ティエシー・ブノート(ベルギー、ロット・ソウダル)

ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)の4人が逃げグループを形成する

ヴィエルモーズやパンタノはステージ狙いと各エースのための前待ち作戦だろうか

バルギルは昨日に続き調子が良さそうだ

そして次の超級山岳グランコロンビエールが始まる

ここで先頭はバルギルとブノートの二人に絞られて山頂はバルギルが1位で通過した

この時、追走のスカイにコントロールされたメイン集団からは6分差のリード

まだまだ安全圏ではない

そして下りに入る

後続から追走選手たちが追いついて再び12名の逃げ集団を結成

増えたり減ったり、少しトイレなどで目を離すと入れ替わっていて分けがわからない

ここからはしばらく平坦が続くために先頭の少人数で逃げるよりは一人でも多いほうが助かる

そしてこの平坦には今回も嫌がらせなのかサガンのためなのか中間スプリントポイントが設定されている

既にほとんどのスプリンターはテレビにすら映らないぐらい遅れている

その中で唯一残っているのがサンウェブのマイケル・マシューズだ

サガンがいなければこの男しかいない

かつてTOJの富士山ステージで日本のトップクライマーの誰もがこの男に敵わなかった

かなり登れるスプリンター、マイケル・マシューズだ

この中間スプリントを取るためにキツイ山岳を超えてきた

ロットソウダルなど他チームと話し合うもまだまだ半信半疑で人を信じられないマシューズ

スプリントポイントでも最大限の警戒をしながら無事に20ポイントゲット

これで一安心

あとはバルギルのために最後の一仕事だ

先頭は最後の超級山岳モン=デュ=シャへと突入

逃げグループからバークランツとギャロパンが抜け出す

かつて自転車選手であり表彰台のお姉さんだった現嫁をナンパしたギャロパン

愛のために彼は彼女と同じロットソウダルへと移籍した

そこに追いついたバルギルが先頭に立つ

彼の力なら十分ステージも狙えるが、とりあえずは山岳ポイントだろう

頂上まで残り6キロで単独になるバルギル

最後の超級山岳も1位で通過してトータル53ポイントゲット

山岳賞と敢闘賞を確定させた

一方メイン集団は2分半差で最後の超級山岳へと突入

スカイがハイペースで引き続けて集団は人数を減らしていく

突然フルームが手を挙げる

メカトラだ!

それを見たアルがこれまた突然アタックを仕掛ける

それに反応したのはキンタナ

焦るフルーム

しかしチームカーはこない、アルたちはどんどん先へ行く

去年の再現か?

レース後「あの時はマジでムカついた」と穏やかなフルームもご立腹だった

アルはアルで「フルームのトラブルのことは知らなかったんだよ。あとでチームから無線を聞かされて知ったんだ」

と語ってはいるが明らかにアルは知っていた

フルームのトラブルを確認してアタックをした

速達によりヴィノクロフから「構わず行け」とお手紙が届いたのかもしれないが

結局、リッチーなどがペースを落とすように言ってフルームたちは再びメイン集団に追いつき無線で怒られたアル達もまた集団へと戻ってきた

今度はアスタナのWエースの一人フグルサングが集団から飛び出す

ちなみに今カザフスタンのアスタナでは万博が開催中である

長い長いサバイバルレースでサイモン・イェーツ、マインティーズそしてコンタドールが力尽き集団から遅れ始める

やはりコンタドールの衰えは酷いみたいだ

落車もあったが結局何一つ攻撃を仕掛けることなく脱落した

リッチーやアルなどが攻撃を仕掛けるが決定的な攻撃にはならない

そして今度はフルームがペースアップ

ここでキンタナも何もすることなく脱落した

メイン集団はフルーム、リッチーポート、アル、フグルサングウラン、バルデ、Dマーティンに絞られた

最後の超級山岳の山頂を先頭のバルギルから30秒遅れで通過

いよいよ最後の勝負どころ

ダウンヒル

前哨戦のドーフィネでも下っているがかなり危険な下りだ

何もなければいいと思っていると衝撃的な映像が・・・

リッチーポートが落車

コーナーのイン側に落ちたリッチーはそのままのスピードで反対側の壁までふっとばされDマーティンを巻き込み壁に激しく激突

死んじゃうんじゃないかと思うような派手な落車

Dマーティンも一回転して転倒するも再び走り出す

ウランは間一髪で落車は免れたがこの時にDマーティンと接触してリアの変速機を壊した

この後はウランはずっとアウタートップかインナートップで走ることを強いられてしまう

リッチーは動けない

ドクターが駆けつけて応急処置をした後で救急車で運ばれた

検査の結果は鎖骨骨折と骨盤骨折

重症ではあるが当初心配されたほどの怪我ではなかったみたいだ

とりあえず一安心

しかしまた一人主役が脱落した

バルギルは軽快にダウンヒルをこなす

一方フルーム達は安全マージンをとってのダウンヒル

フグルサングは急に下れなくなった

やはり目の前でリッチーの落車を目撃したからだろうか?

すると追走集団の中からバルデが抜け出す

ぐんぐんとフルーム達を引き離して先頭のバルギルを追いかける

下りが終わり平坦区間に入るとバルデはバルギルに追いついた

同世代のフランス人

子供の頃からもライバルとして戦ってきたであろう二人が先頭になる

残り12キロ、バルデとの差は20秒

ここでついにバルギルが力尽きる

前日の疲れ、この日も早い段階から逃げている

単独先頭に立つバルデ

しかし後続も仲良くローテーションしながら追いかけてくる

ウランもギアが壊れているのにもかかわらずローテーションに入る

登り基調ではかわいそうなほどグイグイと踏み込んでいるウラン

ただ追い風が幸いしたのかアウタートップでもなんとかレースをこなせている

道は平坦だが結構テクニカルなコース

逃げが有利なコースだ

しかし残り2キロでついに追走はバルデを捉える

後はスプリント争いだ

普段はスプリントなどしない総合系の選手達

フルームはさいたまクリテでのスプリント勝負でサガンを下しているが、さすがにさいたまのように周りはクルクルと軽いギアで手加減してスプリントはしてくれない

ここはツールのクイーンステージ

真剣勝負である

スプリント力はウランがややリードか?

しかしここまで山岳を超えてきただけに全く様子がつかないスプリン勝負

そしてウランの自転車はリアの変速が壊れている

フグルサングが先行する

ウランがうまく番手を取りスリップストリームを使いながら加速して先頭へ

そこに何とバルギルが!

ハンドルを投げ合うウランとバルギル

手を上げて勝利を確信するバルギル

勝ったのはバルギル

誰もがそう思ったであろう

バルギルが泣いている

よほど嬉しかったのだろう

連日の逃げ

そしてかなり厳しい今日のステージだ

そして写真判定の写真が出た

「ん?」

な、何とウランの車輪がバルギルよりわずかだが先にゴールラインに到達している

その差リム分

勝ったのはウラン

ゴール前のVTRが流れる

やはり勝利を確信するバルギルが写っている

寺山修司ではないがまさに「あゝ無情」

しかし勝者はウラン

ウランが見事にこのクイーンステージを制した

今後バルギルはこの時のゴールシーンを突然思い出して

「あゝあぁああああああ」って叫びたくなるかもしれないな

 

なかなか帰ってこないスプリンター達であったが有力選手は何とかタイムアウトを免れたみたいである

しかし心配されたデマールはアシスト3人とともに間に合わずにタイムアウト

この日FDJはエースデマールを含む4人もの選手を失った

そして他のタイムアウトには

お兄ちゃんサガン、レンショー、トレンティン

確かトレンティンは昨日逃げてた気がするが疲れが残ってたのだろうか?キッテルにとっては痛いリタイアだ

そしてエースを失いモチベーションを失ったお兄ちゃんサガンとレンショー

それぞれがサガンカヴェンディッシュのアシストである

この二人も第1週目でツールから去ることとなった

 

総合は大きく動いた

1位 クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ) 38:26:28
2位 ファビオ・アル(イタリア、アスタナ) 0:18
3位 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール) 0:51
4位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) 0:55
5位 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ) 1:37
6位 ダニエル・マーティンアイルランドクイックステップフロアーズ) 1:44
7位 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 2:02
8位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター) 2:13
9位 ミケル・ランダ(スペイン、チームスカイ) 3:06
10位 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNLユンボ) 3:53

 

2位のアルが18秒

3位のバルデが51秒

4位ウランが55秒

総合争いはこの辺りだろうか?

3位争いが面白そうだ

最初はこの時点でフルームの優勝はほぼ決まるかと思われたが

アルが粘っている

そして意外なウラン先輩が4位につけている

アルは波があるだけに3位のバルデとフルームとの争いになるのかな?

今日は休息日

選手も我々視聴者ものんびりと休める

そしてツールはまだ半分以上残っているのだ

 

第10ステージは平坦コース

おそらくスプリント勝負だろう

逃げとスプリントチームとの追いかけっこ

でも逃げも少ないだろうな

みんなピレネーに備えて休みたいだろうし

4級山岳でのペースアップが勝負どころだがミラノ〜サンレモような展開にはならない

結局はスプリント勝負で

優勝キッテル

2位にマシューズ

3位にクリストフ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃げた攣ったカルメジャーヌ

2017年ツール・ド・フランス第8ステージ

この日からいよいよジュラ山脈へ

しかし総合系の本番は明日のクイーンステージ

そのために今日はまずライバルの調子を見る機会

そしてステージ狙いの選手は逃げるチャンスだ

今までの平坦ステージはほぼ逃げ切りの可能性ゼロ

ようやくこの日にチャンスが訪れた

3級2級1級と登るが

勝負所はやはり最後の1級山岳

俺の予想はディレクトネナジーの新星カルメジャーヌの逃げ切り

ツール1本にかけているディレクトエナジー

その中でもこのステージで勝てる可能性のある選手は彼だけだからだ

そんなこともあり俺はスタート直後からとにかくディレクトエナジーに注目していた

たまにロットLLユンボと間違えるが

やはりこの日は逃げたい選手ばかり

ようやく激しいアタック合戦が始まった

飛び出したシャバネルがガンガン弾く

ヴァンアーベルマートなど実力者がどんどん逃げに乗ってくる

思い出した!

このステージはシャバネルがオメガファルマの頃に逃げ切ってマイヨジョーヌを獲得したステージだ

そしてお友達で同部屋のピノーとそれぞれ山岳ジャージとマイヨジョーヌを着てホテルの部屋ではしゃいで写真を撮っていた時のステージだ

ちなみにピノーはジロで新城のステージ優勝を阻んだ男だ

レースはかなりのハイペースで進んでいく

とにかく逃げたい選手が多すぎる

決まったかと思ってもサンウェブが逃がさない

スカイはどうでもいいような感じだが

絶対にスプリントポイントまでは逃げを決めさせたくないサンウェブ

意地でもシャバネルたちを追いかける

どうやらマイケルマシューズの中間スプリント狙いみたいだ

そのままアタックと吸収を繰り返して逃げが決まらないままにスプリントポイントへ

スプリンターたちはここが今日のゴールと言っても過言ではない

最後まで残れる可能性のあるスプリンターはマイケルマシューズぐらいだ

珍しく踏み込むキッテル

各スプリンター本気のスプリント勝負

グライペル、マシューズ、キッテルの順番でスプリントポイントを通過した

これと同時に再びアタック合戦勃発

スプリンターチームはもう好きにしてください状態

総合系も最初からどうぞどうぞ状態

ちゃっかり総合を脅かす選手が抜け出さないようにスカイとBMCがチェックする

いわゆる関所みたいなものである

通行手形を持っている者のみが先へ逃げられる

とにかくハイスピードな展開

スタートから1時間半が経過した頃に気がつくと50名ほどが抜け出している

見てる方も選手たちも何が起こったのかわからない

とにかく約50名の巨大な逃げ集団が誕生した

メンバーは結構豪華なメンバーが

そしてその中にはカルメジャーヌも含まれている

実況解説陣も話してたサクソバンク時代のリッチーポートが頭角を表したジロでの50人逃げ集団の時を思い出した

これは逃げ切れるぞ!と思ったがジロの時のように集団はうまく回らない

メイン集団も常に捕まえられるタイム差で追走

これではダメだと逃げ集団の中からもセレクトがかかり

16名ほどが分かれて先頭集団になる

ヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール)

グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシング)

ミカエル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ)

セルジュ・パウェルス(ベルギー、ディメンションデータ)

エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・ソウダル)

ワレン・バルギル(フランス、サンウェブ)

リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)他

すごいメンバーが残った

バルギルが調子よさそうだな

カルメジャーヌは集団後方を走ることが多い

日本の片隅でレース開始からずっと彼を応援している日本人がいるなんてカルメジャーヌは知る由もない

そのあともレースはハイペースで進み

常にアタックと吸収を繰り返す

いつまでたっても落ち着きを見せないこの日のレース

力無き者からどんどん脱落していくサバイバルレースである

メイン集団も常に安全圏へ止めておくようにコントロール

差は広がることも縮まることもしない

2級山岳を超えたところで先頭集団はさらにセレクトがかかる

植物で言えば間引きである

残されたものは

バークランツ、ヴァンアーヴェルマート、パウェルス、バルギル、カルメジャーヌ、ニコラス・ロッシュ、ロベルト・ヘーシンク、サイモン・クラークの8人

メイン集団から3分差

ここにヴァルグレンが単独で追いついてきて9人となる

9人となった先頭集団で最後の一級山岳だ

残り45キロで下を走るメイン集団のスカイがオーバースピードでコースを外れる

フルーム落車か!と思われたが草むらのためギリギリのところで落車回避

ライバルチームもペースダウンしたおかげでフルームたちは無事に集団へ復帰した

先頭集団ではヴェンアーベルマートなど脱落者がで始める

そして調子が良さそうだったバルギルもここで力つきる

カルメジャーヌの逃げ切りが見えてきた

しかしスカイもどんどんペースアップ

引くのは今日もクウィアトコウスキーだ

彼の引きで先頭との差は1分台に突入

勝負はまだまだわからない

1級山岳先頭の逃げ集団、山頂まで残り5キロでカルメジャーヌが渾身のアタック

おそらくシャバネル先輩からのアドバイスもあったのだろう

ニコラス・ロッシュとヘーシンクというエース級の実力派ベテラン達をどんどん引き離していく

カルメジャーヌはヘーシンクから15秒のタイム差を稼いで山頂を超えた

残りは11キロ

そのうち半分は下りであとの半分は平坦かゆるい登りだ

とにかく全開で逃げるしかない

下りでギリギリのところを攻めるカルメジャーヌ

見てる方もヒヤヒヤする

追走のヘーシンクとの差は30秒まで開く

メイン集団とは1分以上の差がある

おそらくほぼ逃げ切り確定

アクシデントさえなければだが・・・

必死に応援する俺

この日だけは完全に睡魔もぶっ飛んでいる

ガンガン走るカルメジャーヌ

下りが終わりゆるい登り返しになった時に事件は起きた

カルメジャーヌが急激にスピードダウン

そして走りながらのもも裏ストレッチ

明らかに足が攣っている

それでも必死に走る

まだまだヘーシンクとの差は開いてる

メイン集団も大丈夫だ

ペースダウンしながら痙攣が収まるのを待つ

そして再び動き出すカルメジャーヌの足

ゴールは目の前だ

そしてついに舌が出た

ベロベロとカルメジャーヌが舌を出している

受け継がれる伝統

ヴォクレールからカルメジャーヌへと

今年で引退のヴォクレールからカルメジャーヌのチームへと変わった歴史的瞬間である

これからは俺がチームを引っ張って行くんだと

強い意志の現れ

そんなベロベロ

これで優勝を確信

もう足の攣りなど関係ない

ただゴールまで走り抜けるだけだ

後方を確認

チームカーとも勝利を確信

しばし足の痛みも忘れて腕をぐるぐる回しながらのグリコポーズ

ツール初出場の24歳

そしてフランス人カルメジャーヌが第8ステージを見事に逃げ切った

同時に山岳賞ジャージと敢闘賞も獲得

ゴール後地面に倒れこみストレッチを受けるカルメジャーヌ

すでに去年のブエルタでステージ優勝はしているが嬉しいツール初勝利となった

そして俺自身も初の逃げ切り予想的中

さすがに3連単とは行かなかったが

やはり逃げ切り勝利の予想的中はかなり嬉しい

まず予想した選手が逃げるかどうかもわからない

そんな中で逃げて逃げて逃げ切ってくれた

今日は俺もお祝いムード

高島屋まで行ってアンリ・シャルパンティエのフランス焼き菓子フィナンシェとマドレーヌを購入

ヴィッテルの水を入手できなかったのが心残りではあるが

そして毎日のようにJスポのスタジオで食べられている羊羹

俺は人生初のとらやのミニ羊羹も買ってきたのだった

今日はお祝いである

レースは2位には粘りのヘーシンク

3位にはメイン集団から飛び出した哲学者マルタン

4位にニコラスロッシュとなった

 

さて今日はクイーンステージ

とにかく最初からギザギザ

おそらく触るものは皆傷つけられる

そんな子守唄のようなステージ

2級3級3級超級超級4級超級下ってゴール

明日はお休み

今日も逃げたい選手は多いだろう

前半からハイペースのサバイバルレース

デマールは生き残れるのか?

調子の悪いものはどんどん振るい落とされる

果たして誰が生き残り山頂を通過するのか?

真の勝負は山頂からの下り

昨日のオーバーランがどこまで響くかチームスカ

今日の予想は

今日も逃げ切りはありそうだが

総合は確実に動く

よほど登れる選手でない限り飲み込まれる

超級がありすぎてどこで動きが出るのか読めないな

これが19ステージとか20ステージなら早めにコンタドールが動くんだろうが

どちらにせよスカイの引きについていけないエースたちは落ちていく

残されるのはフルーム、アル、リッチー、マイカ、キンタナ、遅れてDマーティンそしてゲラントトーマス

やっぱり今日はフルーム

優勝フルーム

2位リッチーポート

3位マイカ